痛みとは│説│Descartes特殊説パターン説感情説悪循環説ゲート・コントロール説多層モデルbiopsychosocial medical modelneuromatrix theoryfear-avoidance model(→ソマティック・マーカー仮説

Rene DescartesP 1596〜1650, フランスの哲学者)
痛みの特殊説 specificity theory of pain
  • 特殊説:自由神経終末を痛みの受容器としたvon Freyの説が特殊説の基礎となっている。
  • 組織にある特殊な痛み受容器が、痛み線維と痛みの伝導路を介して脳の痛み中枢に投射することによって痛みを感じる。
  • 強い刺激にのみ反応する特殊な侵害受容器が存在し、それが痛覚を引き起こすという説。
  • 特殊な侵害受容器が存在するという考えは、皮膚に痛点が圧点より明らかに多いという所見に基づいている。
  • 侵害受容器は通常活性化されていないが、組織障害を起こすのに充分な強度、あるいは組織障害後に遊離される炎症メディエータに応答して活性化される。

「痛みの特殊説」に矛盾する点
 痛みは一見単純な現象のように見えながら、謎に満ちている。特殊説には正しい部分も多いが、特殊説だけで説明できるような単純なプロセスではない。痛み知覚は、末梢からの刺激だけではなく、認知、情緒、動機づけなどによって左右される。

パターン説 pattern theory
強度説 intention theory, Intensity theory, intensive theory
加重説 summation theory
  • パターン説:皮膚のあらゆる受容器に対応する感覚神経線維はなく、皮膚からの感覚神経線維のインパルスのパターンが痛覚の決め手となるとするGoldscheiderの考え
  • 痛みの認知には、多様なクラスの感覚神経を活性化するような強い刺激により、痛みとなる感覚入力の特定のパターンが生じた結果生じる。
  • 痛みには固有の受容器や特異的な伝導路はないが、刺激の強度や頻度のパターンによって痛みが起こるという説。
  • 低閾値の機械受容器や温度受容器が、ある強さ以上に刺激された時に、常に痛覚が発生する。
  • 強度説では、侵害刺激によって低閾値受容器は特に高頻度でインパルスを発射するとしているのに対し、パターン説では侵害刺激によって、非侵害刺激の場合とは異なる特別なパターンを示すインパルスが誘発されるとする。
  • 両仮説とも、中枢神経系は変調された求心性入力を痛覚と解読すると解釈している。

痛みの感情説 affect theory of pain ←→情動と辺縁系
●Livingstonの痛みの悪循環説 vicious circle ←中枢加重説
 ---交感神経活動の亢進ー血管収縮による悪循環説  ⇒筋筋膜痛症候群

  • 痛みの悪循環のサイクルには、交感神経が関与する悪循環だけではなく、体性神経(神経性炎症)を関与する悪循環もある。

     ⇒●慢性痛サイクル
     "Livingstonの痛みの悪循環説"のほかに、もっと時間経過が長い慢性痛サイクルがある。

     ⇒恐怖ー回避モデルも痛みの悪循環を引き起こす!



    John D. Loeserによる痛みの多層モデル
     A model for conceptualizing the multilayered nature of pain ←→認知行動療法


    ●慢性疼痛の恐怖ー回避モデル fear-avoidance model
     ←→慢性疼痛/心身症/逃避反射/闘争・逃走反応/認知行動療法/恐怖/恐怖条件付け



      →ゲート・コントロール説biopsychosocial medical modelneuromatrix theory

    Pain Relief