造血幹細胞移植では、大量の抗癌剤と全身への放射線照射を行うことから、若年(50歳以下)で比較的状態の良い患者さんが対象とされてきました。
しかし、ここ数年、前処置を軽減した幹細胞移植(骨髄非破壊的幹細胞移植、ミニ移植)が導入され、移植対象年齢も50歳から65歳前後にまで引き上げられているほか、合併症のために従来の移植が受けられなかった方にも受けていただくことができるようになりました。
多発性骨髄腫は、比較的高齢の患者さんが多いことに加え、治療法の選択肢が少ないことから、完全寛解に持ち込むことが大変困難でした。最近、相次いで新規薬剤プロテアソーム阻害剤bortezomib(ベルケード)やサリドマイド、レナリナマイドが発売され、当科においても難治性症例に対し、自家末梢血管細胞移植を含む完治を目指した治療を行っています。
悪性リンパ腫では、小腸に病変を有することがありますが、今まで検査ができず診断が困難でした。また、造血幹細胞移植における腸管GVHDも、その病変部位を観察することが大変難しかったのですが、消化器内科との連携によりバルーン小腸内視鏡・カプセル内視鏡を用いて積極的に小腸を検索し、診断・治療に役立てています。