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TOPICS~病気・治療法の解説~

滋賀医科大学大動脈センターについて  心臓血管外科 浅井 徹、 鈴木 友彰

心臓血管手術のメッカとして

 2002年に浅井が教授として就任以来、滋賀医科大学心臓血管外科では4,500例を超える心臓血管手術を行ってきました。現在のチームは年間約400例の心臓手術と、約100例の血管手術を行い、全国屈指の心臓血管外科として多くの方の支援をいただいています。大学病院は、高度先進医療を提供する使命を背負っております。そのためいかなる重症の患者さんであっても、お断りすることなく全身全霊で最高の医療を提供することを肝に銘じております。チーム一丸となり、滋賀県内のみならず、全国で困っている患者さんの力になれることを夢見ております。

どのように見つかるのか

 症状が現れないので、他の病気の検査をしているときに偶然見つかることが多いです。胸部大動脈瘤の場合、肺炎や肺がんの検査としてレントゲンやCTをとった時に見つかります。また稀に、胸痛、背部痛、呼吸や嚥下の違和感、咳、声のかすれなどが出ます。喉の異常と考え耳鼻科を受診した時に見つかるといったこともよくあります。腹部大動脈瘤の場合も、他の腹部疾患の検査中に見つかることが多いです。稀に腹痛や腰痛などで見つかることもあります。また、胸部瘤と違い、腹部瘤の場合、自分で見つけることも可能です。仰向けに寝て膝を立てた状態で、臍周囲のお腹を自分で触ると、脈を打っている瘤に気が付くこともあります。

大動脈瘤の治療は

 一般的に大動脈瘤は5cmを超えると手術治療が必要になります。しかし、できている部位や瘤の形状によっては、3cmでも手術が必要なことがあります。5cm未満のものは降圧薬や定期的なCT検査による経過観察を行うことが多いのですが、たとえ血圧が正常であっても瘤は拡大し破裂することがあるため、やはり手術が根本的な治療になります。大動脈瘤がいつ破裂するのかを予測することは非常に難しいため、時限爆弾を抱えているようなものだと表現されることもあります。

どこにかかればいいのか。 大動脈センターの役割

 大動脈瘤の手術を行える施設は限られています。心臓血管外科がある病院でないと手術はできません。しかし、大動脈瘤手術の成績は、実は施設間で大きな差が存在します。このことは患者さんからは分からないことが多いようです。レストランのように三つ星がつき、分かりやすく評価されていればいいのですが、心臓血管外科の実力の指標は明らかではありません。つまり、どの医者にかかるかで、患者さんの経過が大きく変わってしまうのが大動脈瘤手術なのです。実際、胸部大動脈瘤手術は非常に難しいため、リスクが高い場合、他の施設では手術を断られることもあります。そうすると、患者さんは時限爆弾を抱えたまま見放されたような絶望的な気分を味わいます。しかし、我々滋賀医大心臓血管外科チームは決してそのようなことはしません。どこよりも最高の治療を提供いたします。

滋賀医科大学大動脈センター

 大動脈瘤手術の成績は施設間で大きな差があります。経験不足の外科医が手術を行い、患者さんが不幸な経過をたどってしまうことも実際に起きています。それは、患者さん側から外科医の実力を見極めるための情報が不足しているからではないかと我々は考えました。そこで、そのような情報不足を解消すべく、滋賀医科大学大動脈センターを開設しました。つまり、滋賀県内の大動脈瘤患者さんを一手に引き受けさせていただこうと考えております。「大動脈瘤が見つかれば、滋賀医科大学大動脈センターを受診すればよい」という分かりやすいシステムを確立したいと考えています。

 もちろん、大動脈センターを標榜する限り生半可な実力ではいけないと思っております。最高の実力と施設基準、病院としてのバックアップシステムがないと成り立ちません。これまで我々は、チーム一丸となり、また病院の多くのスタッフから助力をいただき精進してまいりました。そして今こそ、滋賀医大心臓血管外科は、大動脈センターを標榜するためのすべての要素が揃ったのではないかと考えております。

 一般の施設では5~7時間かかる胸部大動脈人工血管置換術が滋賀医大ならば3時間程度で終了できます。当然、術後の回復も早く合併症も少なく、早期に退院し社会復帰することができます。最近では85歳を超えるような超高齢の患者さんでも、弓部大動脈全置換術の翌日に一般病棟で食事をし歩行できるまで低侵襲化に成功しています。

 これらの成果は学術的にも非常に高い評価を受けています。我々のチームでは胸部大動脈瘤の実績を毎年のように全国学会で発表し、国際学術誌でも高く評価されています。滋賀県のみならず、全国的に見てもトップの成績を誇っています。

 また、より低侵襲な手術としてステントグラフト挿入術があります。これは通常の手術のように開腹や開胸をせずに、カテーテルで内側から瘤をなおす治療です。当院でも2009年からステントグラフト治療を開始し、症例を積み重ね、胸部でも腹部でも、最重症例に自信を持って対応できるようになっています。

最後に

 何よりも患者さんに分かりやすく、そして地域の先生にも分かりやすく、「大動脈瘤疾患が見つかれば迷いなく滋賀医科大学大動脈センター」という、信頼できるシステムを構築したいと考えています。患者さんが安心して受診できる、強くて優しい大動脈センターを目指してまいります。

大動脈センター連絡先 077-548-2559(心臓血管外科外来内)
心臓血管外科医局 077-548-2243
大学病院代表 077-548-2111(時間外2770)