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TOPICS~病気・治療法の解説~

めまいの原因と治療  耳鼻咽喉科 神前 英明

めまいの症状

  めまいの症状に対する表現は、患者さんの訴えにより多彩ですが、一般的にはグルグル目が回る『回転性めまい』、フワフワふらつく『浮動性めまい』、クラッとする『立ちくらみのようなめまい』の3つに大きく分けられます。

 急性期であれば、多くは回転性めまいが生じます。耳の異常や脳梗塞などの脳の異常でも、回転性めまいが起こります。慢性期に移行すると、浮動性めまいになります。

 耳の異常で起こるめまいは、頭を動かしたときに起こることが多く、耳鳴り、難聴、耳閉感などの症状を伴うこともあります。脳の異常で起こるめまいは頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状を伴います。また、立ち上がるとクラッとしたり、目の前が暗くなったりするめまいは、血圧の変動に関係する全身性の病気が原因として考えられます。

めまいの原因は何?

 大きく分けると末梢性前庭性めまい(耳が原因)、中枢性めまい(脳が原因)、非前庭性めまい(耳・脳以外が原因)という3つのタイプがあります。

 内訳をみると6割程度は耳が原因、1割弱は脳が原因、残り3割がそれ以外のものと考えられます。末梢性前庭性めまいには良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎、外リンパ瘻、突発性難聴に伴うめまいなどが代表疾患として挙げられます。中枢性めまいとしては小脳・脳幹梗塞、および出血、椎骨脳底動脈循環不全症、聴神経腫瘍などが原因と考えられています。

 それ以外のものとしては、高血圧、起立性低血圧、不整脈、過換気症候群、心因性、貧血、糖尿病、甲状腺機能低下症、VDT症候群、薬剤性めまい、過労、発熱など原因は多岐にわたります。また、慢性期めまいの場合は、精密検査を行っても、異常がみられず原因がはっきりしないことも多いです。

 めまいを理由に初診で診察する科は、耳鼻科、脳神経外科、内科、救急と多様ですが、耳鼻科を受診する人が多いのは、耳が原因であることが多いという理由によります。

耳が原因で起こるめまいと治療法

 ■良性発作性頭位めまい症

 めまい患者さんの40%程度がこの病気で、めまい疾患の中で最も多い病気です。朝、寝床から起き上がるときなどに、頭を動かしたり、頭がある特定の位置に移動したりすると回転性めまいが起こります。持続時間は数秒から数十秒くらいです。原因は三半規管を浮遊する耳石が原因とされ、当院では積極的に耳石置換法という頭を動かして、耳石を正常な位置に戻す方法を行うことで、速やかな改善を心がけています。

 ■メニエール病

 発作時のめまいは回転性で激しく、吐き気や嘔吐を伴います。また、同時に難聴・耳閉感・耳鳴りが起こる場合もあります。めまいは、30分から6時間程度持続した後、治まります。めまい発作は不定期に繰り返し、往々にして精神的ストレスや過労が発作の誘因となります。ストレスなどの原因を解消すること、マラソンや水泳などの有酸素運動、薬物療法などが初期治療として有効です。

 ■前庭神経炎

 突然、激しい回転性めまいが起こり、悪心、嘔吐を伴い、通常2~3日続きます。難聴や耳鳴りはありません。その後、少しずつめまいは改善していきますが、発症から1週間程は歩行が困難です。3週間程でめまいはほぼ治まりますが、動くときはふらつきが生じやすく、6カ月経過後も半数近くの人でふらつきがみられます。ヘルペスウ イルスによる前庭神経への感染が原因とされ、ステロイドによる治療が有効です。

 

脳が原因でおこるめまいと治療法

 ■脳出血・脳梗塞

 小脳や脳幹に障害が発生すると、回転性めまいが起こりやすくなります。意識障害、ろれつが回らない、運動障害などを伴います。頭痛や首の痛みを伴うこともあります。

 脳梗塞の場合、血栓(血のかたまり)を溶かす血栓溶解療法を行って、原因となっている血管の詰まりを改善させる治療や、血液をサラサラにするお薬で血栓をできにくくして再発を防ぐ治療が行われます。

 ■椎骨脳底動脈循環不全症

 回転性めまいが多く、浮動性めまい、目の前が暗くなるめまいがそれに続きます。視界がボヤーッとする、気が遠くなる、嘔吐、上肢のしびれ感を伴うことが多くあります。難聴や耳鳴りを伴うことはほとんどありません。また、首を回したり伸ばしたり、からだを動かしたりすると、めまいが起こることがあります。治療は、血液の粘性を調整したり、血圧をコントロールしたりする薬物療法を中心に行われます。

 

非前庭性めまいの治療法

 多彩な疾患が背景にあり原因に応じた治療が必要です。しかしながら、前庭性めまいの多くは身体を動かすことで軽快します。非前庭性めまい患者さんも元々運動不足であることが多く、まずは歩くことを勧めます。

めまいにならないように心がけること

 睡眠と休養を十分にとる、ストレスとうまく付き合う、規則正しい食事をする、そして、運動も適度に行う。このように生活習慣改善を目指すことが重要で、抗めまい薬などの薬物治療は二の次と考えています。