Joseph Altman Obituary

(http://neurodevelopment.org /laboratory-historyより翻訳)

 

ジョセフ・アルトマンは1925107日にブダペストに生まれ、フロリダのOcala2016419日に90歳で亡くなりました。

 戦前のブダペストで十代の時にア ルトマンは心理学、ヒトの行動学、心理分析、そしてヒトの脳形態についての本を図書館で大量に読みました。第二次大戦後にハイデルベルグ 大学で一時期を過ごした後にオーストラリア、シドニーのニューサウスウォールス大学で図書館員になり、ニューヨークに引っ越した後は ニューヨーク大学で図書館員として働きました

この間、彼はヒトの行動や動物行動 学、脳形態について多くの本を読み、彼の最初の本Organic Foundations of Animal Behaviorを出版しました。アルトマンは彼の夢であるヒトの行動の神経生物学に関する本を書くこ とを決してあきらめませんでした。

 アルトマンはニューヨークで実験 神経科学者になる機会を得て、ニューヨーク大学から1959年に博士号を取得しま した。これが後の研究の成功につながりました。まずコロンビア大学でポスドクとして、次にマサチューセッツ工科大学、最後にパーデュー大 学で脳解剖学と機能について研究を行い、特に脳の発生過程について調べました。1960年 代初期から2016年まで彼はpeer-review journalに多くの論文を出版し、著書やモノグラフ、オンラインで無料で読むことができる文章を多く執筆しまし た。それらのいくつかは、神経系発生の理解に新天地を切り拓きました。アルトマンは成体脳におけるニューロン新生の発見者として有名であ り、今日では、この発見によって再評価を受けて、スペイン皇太子(現在のフェリペ王)からAsturias皇 太子賞を2011年に受け、日本の天皇からは生物学国際賞を2012年に受賞しました。アルトマンは嗅球、大脳皮質、海馬、小脳、脳幹、脊髄といった 中枢神経系ほぼすべての部位の発生研究について大きな貢献をしました。

 アルトマンは心と脳の進化につい てまとめた大著を書き終わるところで亡くなりました。これは彼の70年分の仕事と 考えをまとめたものです(brainmidevolutionで各章をダウンロー ドすることができます。)彼は心と脳とヒトの行動との関係についての興味を失うことは決っしてありませんでした。J結局のところ、彼は差別の危険、宗教への不寛容、迫害を直接経験し、嵐にもまれるような 人生の中で成長しました。この貴重な人生経験にくわえ、彼自身が真実の研究者でありました。この後の数ヶ月の間に、この本の最後の章が彼 の新しい知見をバックアップするための、その他の彼の全ての学術的な著作目録とともにオンラインで掲載されることでしょう。

Shirley A. Bayer