第12回東近江医療圏がん診療市民公開講座

この時代に知っておきたいがん診療〜救える命 私たちにできること!〜

2019年12月1日(日)アクティ近江八幡

 テーマ〜救える命 私たちにできること!〜

 第12回東近江医療圏がん診療市民公開講座は、「救える命 私たちにできること!」をテーマに2題の医療講演と2題の特別講演を行いました。
 医療講演では、がん治療後の人生の大きなテーマである生殖医療のお話と、後半の特別講演につながる血液がんに関する最新治療のお話を専門医よりお話いただきました。 

NHK朝ドラ「スカーレット」の信楽焼の陶芸家・神山さんによる特別講演

 最後は、現在NHK朝ドラで放映中『スカーレット』でお馴染みの神山清子さんによる『今を生きること〜いのち燃やして 陶芸家として、母として、そして今〜』の特別講演を行いました。神山さんは、ご家族が慢性骨髄性白血病になられたことを契機に骨髄バンクの必要性を訴える活動を長年続けておられ、現在も滋賀骨髄献血の和を広げる会の代表を務めておられます。熱く語る神山さんの姿に「自分のできることが何かを考える良い機会だった。」「神山さんの話に勇気づけられた。熱い思いでバンクを立ち上げられ、感謝の気持ちでいっぱい。」などといった感想が寄せられました。
 今回の公開講座では、県内の方はもちろん、遠くは大阪や京都などから145名の方々にお越しいただきました。毎回取り上げられるのは、がんの中でもほんの一部分でしかありませんが、正しい知識を身につけて賢い選択をしていただくため、今後とも地道な啓発活動を継続していきたいと思います。

神山清子さんによる特別講演

 

第11回東近江医療圏がん診療市民公開講座

この時代に知っておきたいがん診療〜がん”予防”と”治療”そして”今を生きる”こと〜

2019年10月27日(日)東近江総合医療センター

 テーマ〜がん”予防”と”治療”そして”今を生きる”こと〜

 第11回東近江医療圏がん診療市民公開講座は、「がんの予防と治療、そして今を生きること」をテーマに3つの講演を行いました。
 まず最初は”予防”の観点から、たばこがもたらす健康被害について近江八幡市立総合医療センターの細川先生にお話頂きました。虚血性心疾患、脳卒中、くも膜下出血、COPD、糖尿病、歯周病など、さまざまな病気のリスクを高めるだけでなく、喫煙者の周囲にいる人にまで被害をもたらす大迷惑なたばこ。小児にいたっては、新生児突然死症候群、中耳炎、虫歯、気管支炎、知能低下、低身長、アトピー性皮膚炎など、「え?これもたばこと関係があるの?」と思われるような病気との関連も報告されています。細川先生は、禁煙外来での成功例や地域での取り組みなどを紹介しながら、健康なまちづくりを目指そうと締めくくられました。
 次の演題は”治療”の観点から、消化器がんの中で最も予後不良のがんとされる膵がんについて、東近江総合医療センターの赤堀浩也先生にお話を頂きました。膵がんの予防に関しては「危険因子を持つ人は、適切な検査を定期的に受ける」が鉄則。しかし自覚症状が現れにくい膵がんは、発見された時はすでにかなり進行していことも多いことから、今年度より東近江医師会と東近江総合医療センターが連携して発足した『(仮)東近江医師会膵癌早期診断プロジェクト』を紹介し、かかりつけ医と中核病院が連携して隠れているがんの芽を発見して摘み取ろうと呼びかけました。

エンドオブライフ・ケアから見い出すいのちの意味

 最後の講演は”今を生きる”の観点から、拓海会大阪北ホームケアクリニックの白山宏人院長先生より『あなたにとっての支えは何でしょう?〜エンドオブライフ・ケアから見い出すいのちの意味〜』でお話頂きました。
 人生の最終段階ではなくとも、人が生きていく上であなたの支えは何かと尋ねられたら、あなたは何と答えるでしょうか?2,000名以上の方の人生の最終段階を在宅医療で支えたきた白山先生は、人には「将来の夢」=たとえ今がつらくても、将来の夢があるとがんばる力が与えられる、「支えとなる関係」=自分のことを心から認めてくれる誰かがいると一転して強くなれる、「選ぶことのできる自由」=自分が選ぶことができることは穏やかになれる条件、の3つの支えが必要だと仰います。白山先生が考える『生命(いのち)』とは、有限である生と死を意味するもの、反対に『いのち』とは、たとえ生命は尽きても、その人の魂や生き様は、周りの人々につながっていくものだと‥。人が人と出会ってその意味を見い出していく、人生は素敵だなと思える心の温まる講演でした。
 
 冒頭、出題者が工夫を凝らして作った○×クイズで始まった今回の市民公開講座ですが、さすが健康意識の高い市民の方々には少々簡単でしたでしょうか?会場には111名の市民の方々にご参加いただき、さらにがんに関する知識を学んでいただきました。ご参加頂きました皆さま方に心よりお礼申し上げます。
 

◯×クイズの様子

 

(特別講演)白山宏人先生

○×クイズ

 ○×クイズ

 

講演1演者(細川先生)

 

講演1座長(醍醐先生)

 

講演2演者(赤堀先生)

 

講演2座長(中野先生)

 

講演3座長(坂野先生・服部先生)


第10回東近江医療圏がん診療市民公開講座

この時代に知っておきたいがん診療〜がんと免疫と哲学と〜

2019年2月3日(日)滋賀県立男女共同参画センター(G-NETしが)

 テーマ〜がんと免疫と哲学と〜

 第10回東近江医療圏がん診療市民公開講座は、講演の前半部分で「がんと免疫」をテーマに取り上げました。昨年、ノーベル医学・生理学賞を受賞をされた京都大学特別教授の本庶佑先生が免疫を抑える働きを阻害することで、がんを治療する画期的な免疫療法を確立されたことから、市民の方々の期待や関心も高まっているだろうことから、関連する3演題の講演が行われました。
 ◯×クイズで会場の雰囲気が温まったところで、滋賀医科大学村田先生の今日からにでもすぐにできる『元気な免疫の作り方』のお話を序章に、オプジーボに代表される今話題の免疫チェックポイント阻害剤が臨床でどのように使われているか、使えるがんの種類や使う順番、わかってきた副作用の種類について近江八幡市立総合医療センターの茂森先生からお話をして頂きました。また、滋賀医科大学の寺本先生からは、もう少し突っ込んでがん免疫療法のこれまでの歴史と今後の展望についてお話頂きました。

「生きる意味」の気づきへ導く 言葉の処方箋

 講演の後半はがらっと雰囲気を変えて、順天堂大学医学部・国際教養学部の樋野興夫先生による『がん哲学から生きる力の贈り物”ことばの処方箋”』の特別講演が行われました。
  がんと哲学?関連性のないもののように思いますが、「病気であっても、病人ではない」という視点で患者さんを見ていけば、医療者としてではなく、人と人としてどう向き合うか、大切なことに気づきかされる経験をお持ちの方は少なくないはず。樋野先生は、治療を最優先とする医療現場と、精神的苦痛を軽減したい患者さんやご家族の隙間を埋めるべく、”がん哲学外来”を始められ、「がんであっても尊厳をもって人生を生き切ることのできる社会」を目指して、患者さん達に寄り添って来られました。
 遠く神戸からも足を運んでいただいた方もいらっしゃったようで、全国にファンがいらっしゃる樋野先生の求心力で、総勢169名の方々にご参加いただきました。遠方より講演に駆けつけていただきました樋野先生をはじめ、関係者の皆様方に心よりお礼申し上げます。
 

◯×クイズの様子

 

○×クイズ

◯×クイズ

 

講演1(村田先生)

 

講演2(茂森先生)

 

講演3(寺本先生)

 

特別講演(樋野先生)


第9回東近江医療圏がん診療市民公開講座

この時代に知っておきたいがん診療〜がん治療を支える食事・栄養・地域医療〜

2018年11月4日(日)東近江総合医療センター

 がんに関する内容がもりだくさん‼︎

 毎回テーマを決めて、一般市民の方々にがんに関する正しい情報を提供するこの公開講座も第9回目を迎えることができました。
東近江市内より多くの市民の方々がお越しくださることを期待して、講演1では東近江市が実施しているがん検診の内容や市の受診状況、気をつけるべき生活習慣などを、東近江市の保健師 猪田先生より詳しくお話いただきました。

住みなれた地域で安心して暮らし続けるために

 講演3では、東近江市永源寺診療所の花戸先生より、地域で出会った患者さんとの触れ合いの中で感じた出来事や、患者さんに教えられたことなど、聞いている側が元気がもらえるような、暖かい気持ちになれるような、そんなエピソードの数々をご紹介くださいました。病気を抱えていても、その人がその人らしく生きていくために支える側の医療者として心構えや姿勢などを学ばせていただきました。
 今回の公開講座は156名の方々にご参加いただき、盛況のうちに無事終了することができました。関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。
 
◯×クイズで出された問題です
1.20代から50代前半までのがん罹患率は女性の方が高い
2.最近体の調子が悪いので、市のがん検診を受けることにした
3.小太りの人と痩せた人、一般に長生きできるのは痩せたスリムな人である
4.介護保険は市役所での申請から認定まで概ね1ヶ月ほどかかるため、すぐに介護サービスを利用することができない
5.本日公開講座を主催している3つの病院には、病気のこと以外を相談できる場所がある
(答え)1◯ 2× 3× 4× 5◯

◯×クイズの様子

 

○×クイズ

◯×クイズ

 

講演1(猪田保健師)

 

講演2(飯田先生)

 

講演3(花戸先生)

過去の「東近江医療圏がん診療市民公開講座」の内容は下記をご覧ください


第12回東近江医療圏がん診療市民公開講座

2019.12.1(日)アクティ近江八幡


講演・特別講演

「がん治療後の人生設計のためにー若年者(AYA)のがん、がん生殖医療」

滋賀医科大学 外科学講座 助教 河合由紀

「みなさんの力になれる血液がんの治療」

近江八幡市総合医療センター血液内科 赤松園子
「がんでもパパやママに…自らの白血病体験を通して今、思うこと」
全国骨髄バンク推進連絡協議会 顧問 大谷貴子
「今を生きること〜いのち燃やして 陶芸家として、母として、そして今〜」
陶芸家・滋賀骨髄献血の和を広げる会 会長 神山清子
 

第11回東近江医療圏がん診療市民公開講座

2019.10.27(日)東近江総合医療センター


○×クイズ

がんを知ろう!◯×クイズ

滋賀医科大学 臨床腫瘍学講座 特任講師 寺本晃治
滋賀医科大学医学部附属病院 緩和ケア認定看護師 西川誠人

特別講演

「きれいな空気で健康長寿・健康都市づくり〜がん予防の王道を目指して〜」

近江八幡市立総合医療センター副院長・病理診断科部長 細川洋平

「膵がんへの対策〜早期発見と病診連携〜」

東近江総合医療センター 外科医長 赤堀浩也
「あなたにとっての支えは何でしょう?〜エンドオブライフ・ケアから見い出すいのちの意味〜」
(医)拓海会 大阪北ホームケアクリニック 院長 白山宏人
 

第10回東近江医療圏がん診療市民公開講座

2019.2.3(日)G-NETしが


○×クイズ

がんを知ろう!◯×クイズ

近江八幡市立総合医療センター 看護副部長 瀬戸康子・がん相談支援員 木本美由紀

特別講演

「がんに立ち向かう”元気な免疫”の作り方!」

滋賀医科大学医学部附属病院腫瘍センター 村田 聡

「ノーベル賞がん治療薬はこう使う!」

近江八幡市立総合医療センター消化器内科医長 茂森賢太

「がん治療の新時代!これからのがん免疫療法」

滋賀医科大学腫瘍学講座 特任講師 寺本晃治
「がん哲学からの生きる力の贈り物”ことばの処方箋”」
順天堂大学医学部・国際教養学部教授 樋野興夫
 

第9回東近江医療圏がん診療市民公開講座

2018.11.4(日)東近江総合医療センター


○×クイズ

がん予防と食事、がん治療と栄養などについて、おとなも子どももチャレンジしてみましょう!

滋賀医科大学医学部附属病院腫瘍センター特任助教 冨田 香・副看護部長 田﨑亜希子

特別講演

「受けよう!がん検診!」

東近江市健康福祉部健康推進課保健師 猪田耕平

「ここまで来た!がん治療成績を左右する栄養」

滋賀医科大学外科学講座 助教 飯田洋也

「住みなれた地域で安心して暮らし続けるために」

東近江市永源寺診療所 所長 花戸貴司
 

第8回東近江医療圏がん診療市民公開講座

2018.1.21(日)G-NETしが


特別講演

「最新の”膵がん”治療〜自分らしさを支えるために〜」

滋賀医科大学外科学講座教授 谷 眞至

「がんのむくみについてのおはなし」

近江八幡市立総合医療センターリンパ浮腫セラピスト 柘植万里子

「事業場におけるがん治療と職業生活の両立支援について」

株式会社平和堂統括産業医 河津雄一郎
 

第7回東近江医療圏がん診療市民公開講座

2017.11.3(金・祝)東近江総合医療センター


特別講演

「がんとからだのリハビリ」

近江八幡市立総合医療センター理学療法士 馬場容子

「がんとこころのリハビリ」

滋賀医科大学医学部附属病院 腫瘍センター医師 森田幸代

「最新のがん治療:小児がん治療について」

滋賀医科大学医学部小児科学講座准教授 多賀 崇

「最新のがん治療:肺がん治療について」

東近江総合医療センター外科診療部長 尾﨑良智
 

第6回東近江医療圏がん診療市民公開講座

2017.2.12(日)G-NETしが


医療ドラマ

「がんと診断された!さて、どうしよう〜重要な面談ではきちんと聞きたいことを聞きましょう〜」

解説 東近江総合医療センター 外科医長 瀬戸山博

「がんになったあとの人生プラン〜家族や医療者と今後の治療や生活のことを話せていますか〜」

解説 近江八幡市立総合医療センター がん化学療法看護認定看護師 川嶋頼子

特別講演

「からだに優しいがん治療」

滋賀医科大学医学部附属病院 泌尿器科講師 影山 進
 

第5回東近江医療圏がん診療市民公開講座

2016.9.11(日)東近江総合医療センター


特別講演

「がんを早く見つけて得することー胃がんは早く見つかれば胃カメラでとれるー」

近江八幡市立総合医療センター 消化器内科部長 赤松尚明

「ココロとカラダを守るがん医療」

滋賀医科大学医学部附属病院 薬剤部 野田哲史

「がん治療効果を上げる工夫」

東近江総合医療センター放射線科 河野直明

「寄り添っていこう〜がんと患者と家族と」

滋賀県がん患者団体連絡協議会 柳田英代
 

第4回東近江医療圏がん診療市民公開講座

2015.11.1(日)G-NETしが


特別講演

「怖いけど知っておきたい乳がんQ&A〜あなたの素朴な疑問にお答えします」

近江八幡私立総合医療センター乳腺外来 門谷弥生

「がん患者さんの口腔ケアについて」

東近江総合医療センター歯科口腔外科 堤 泰彦

 

ディスカッション

「外来化学療法の実践」

近江八幡総合医療センター がん薬物療法認定薬剤師 山口瑞彦・がん化学療法看護認定看護師 川嶋頼子

「抗がん剤治療と妊娠」

滋賀医科大学医学部附属病院腫瘍センター 副看護師長 田﨑亜希子・特任助教 河合由紀 

 

 

第3回東近江医療圏がん診療市民公開講座

2015.9.23(水・祝)東近江総合医療センター


特別講演

「血液のがんってどんな病気?」

滋賀医科大学医学部附属病院血液内科 科長 木藤克之

「消化器がんの予防と検診について」

東近江総合医療センター外科医長 瀬戸山博

ディスカッション

「仕事と治療の両立」

近江八幡市立総合医療センター地域医療課主査社会福祉士 嶋田和孝

「おしゃれや子供のこと」

滋賀医科大学医学部附属病院腫瘍センター がん看護専門看護師 木村由梨