滋賀医科大学 医学部 看護学科 臨床看護学講座 小児看護学研究室

研究成果

  

FOP患児の包括的生活支援

《FOPとは?》

 FOP(Fibrodysplasia Ossificans Progressiva 進行性骨化性線維異形成症;以下FOP)は、全身の筋組織で骨化が進行(異所性骨化)する病気で、小児期に発症し、発症頻度は200万人に1人の希少難病です。昭和48年(1973年)に漫画家故手塚治虫が医学生だった頃に授業で学んだことを、「ブラックジャック」の「からだが石に…」という表題で週刊少年チャンピオンに上梓した疾患としても知られています(作品中は「進行性化骨性筋炎」)。遺伝子変異の発見によって遺伝子診断が迅速にできるようになり、2007年に難病指定されましたが、医療者の間でも知名度が低いことが現状です。

 発病は2~3歳、生後足趾の親指部分が外反母趾のようにな変形していることが特徴で、異所性骨化は生後数年経ってから出現します。最初は頚部・体幹部を中心に骨化が始まり、四肢・末梢に向かって広がり、身体の関節周囲の筋肉が骨化し、少しずつ運動機能が奪われます。

 2007年にペンシルバニア大学カプラン教授によって遺伝子変異が発見されましたが、有効な治療法がなく、カプラン教授によると、現在は主にステロイドを使用して治療しているとのことでした。

《研究目的》

  1. 論理的創薬の手法を用いて、FOPの遺伝子に影響する栄養素の特定
  2. FOP患児の生活実態調査を行い、生活支援の方向性を見出す

《現在の進捗状況》

  1. 有効と思われる栄養素がいくつか抽出されました。
  2. 10名のFOPのある患者様にインタビューをさせていただきました。(患者様とご家族の皆様、ご協力ありがとうございました。)質的研究手法で分析を進めているところです。今年は、その成果の一部を日本看護学会で発表しました。今後もさらに、分析を進めていきます。