Table of Contents Table of Contents
Next Page  10 / 20 Previous Page
Information
Show Menu
Next Page 10 / 20 Previous Page
Page Background

ましたので、リスクの評価にも使える

のではないかと思っ ています。

最近、遺伝子診断のツールが発達し

てきて、次世代シークエンサーという

のが使えるように りました。今まで

わからなかった遺伝子の変異が見つか

るようになっ てきています。

尾松

そしてイオンチャネルの解析を

すると?

大野

電気生理学的な検査をするこ

とによっ て、変異タンパク質がどのよう

な働きをするかがわかります。さらに

最近では、iPS細胞を患者さんから

作製して心筋 分化させ ことによっ

て、実際の心臓の細胞でどのような異

常活動が なっ てきてい

尾松

一般的に最も興

治療法の開発だと思

大野

不整脈の疾患ですので

私たちが使う は心臓の異

防ぐ抗不整脈薬です。患者さ

接使うのは副作用の問題もありま

で、培養細胞を使って解析を行った

iPS細胞由来の心筋を使ったりする

ことで、どうやって異常を抑えるのか

を判断できるようになりました。

また、最近ゲノム編集という技術で

遺伝子 治せるようになってきていま

す。ただしそれを実際の患者さんに使

うことは倫理的な問題もありますし、

他の細胞に影響を与えることも考えら

れますので、これについては先の話かと

思っ ています。

研究者支援を活用して

仕事と子育て 両立

尾松

先生は研究と子育てを両立さ

せておられますね。

大野

4人の子どもがいますので、支

援員とし 学生さんのお手伝いなどを

いただくことができてとても助かってい

ます。

尾松

先生が利用されている研究支

援員制度は、研究を続けたいけれど育

児などで難し 研究者に、学生を支援

員として配置すれば楽になるのではな

いかということで始めたものです。支

援員制度を利用して良かっ 点はどう

い ったところでしょうか。

大野

データの整理など単純作業が

多く、どうしてもそういったものは後

回しになってしまいます。そういったも

のをお願いするときっちりとやってくれ

ますし、実験に関しても前段階の部

分をやっていただくと時間の節約にな

ります。

尾松

今まで延べ

66名の研究者の方に

利用していただいて、学生支援員は延

75名です。また、本学ではジェ ンダー

イクオリティと うことで 男性研究

員にも配 科系の男性医

われています。

学内保育所も拡充し

児保育もやっています

24時間保育

も始めました。普段預けて

緊急に1日2日預けることが

うになっ ています。

大野

最初に保育園に預ける時は終

わりが見え いようで不安でしたが、

まわりの方たちが支えてくださって心

強かったですし、やはり職場に保育園

があることは大切だと思います。

尾松

ところで、離職した女性医師の

復帰を支援する、スキルズアッププログ

ラムも昨年からスタートしました。 育児、

介護以外の理由、例えば研究や留学

などで離れる方も結構おられます。

大野

たいへんいいシステムだと思いま

す。私は1人目の出産をした時に4カ

月しか休まなかったのですが、非常勤

で仕事に戻る時に本当に復帰できるの

かと不安でした。

尾松

一旦離職すると復帰へのハー

ドルが高いこともあるようです。この

システムは大学病院の特徴を活かし

て、先輩医師が横についてくれますので、

サポート体制は万全です。男女共同

参画推進室では、これからもさまざま

な支援体制を充実させることで、ます

ます女性が活躍できる環境を整えてい

きたいと考えています。

SHIGA IDAI NEWS vol.28

10

研究者のための支援員配置

研究室の大野特任講師