Table of Contents Table of Contents
Next Page  5 / 20 Previous Page
Information
Show Menu
Next Page 5 / 20 Previous Page
Page Background

向こうで つ持っ て行く

染のリスクとか

なんとか ユースし

えず手術を受けられな

けられるようにしました。

行く前に先輩方から、患者さ

ふれかえっていて、例えば手術後

のドレーンの排液を溜めるのに、日

では滅菌した新しい容器を使うのです

が、ベトナムでは瓶を使っているとか、

手術後、人工呼吸器を離脱して抜管

をするのですが、向こうは患者さんが

自分で抜いてしまう、それくら 人手

が足りないとい った話を聞いていました。

しかし、行っ てみるとドレーンの容器は

瓶ではありましたが、滅菌されていて

衛生水準も高いものでした。他の器具

とかシステムに関しても思ったより整っ

ていました。廊下に患者さんがあふれ

ているの こうは本学の

1000例以上

ので、 手は動くとい

すごく手術の作業が早

やはり細かい部分になると

した。バイパス手術に使う血

では、超音波のメスできれいに血

剥がしていくのですが、よく慣れて

る方でも難しいのでなかなか手術が進

まなくて、大事な血管のまわりがこ

げてしまったりすることもありました。

そういう時でも浅井教授がされると手

技がすごく上手で、きれいに剥がれま

す。そういうところを中堅・若手の先

生が興味深く見ておられました。

一般的な手術に関しては思った以上

にできあがっ ています。むしろ向こうの

先生のほうが、同じ年代でも経験も積

んでいるという印象です。ただ、その

先ですね。 手術しておしまいではなくて、

患者さ の予後まで考えたら、その治

療がベストなのかを考える時期にきて

いるのかなと感じました。私も向こう

の中堅の先生の前立ち(第一助手)

をさせていただきました。英語はつた

ないのですが、手術という動作を介し

て、この先生は次にどういう動作をさ

れるだろうとか、コミュ ニケーションが

取れて、手術を通して分かり合えると

ころがあっ て貴重な経験となりました。

吉田

こちらにあるような医療機器が

ない中で手術をされたりすることもあ

ると思うのですが、そのあたりの状況

はどうですか。

近藤

日本とほぼ同様のものが手に入

る状況になっていて、発展途上は過ぎ

たような印象を受けました。ただ、所

得が低い方に関しては、企業からの寄

付やサンプル ども活用して手術を行

い、費用を抑えました。

吉田

交流してよかったと思うことは

ありましたか。

近藤

向こうは病院にか るこ 自体、

費用がかかるので、一次予防とか二次

予防という概念もあまりないようです。

昔は日本でも多 ったリウマチ性の弁

膜症の患者さんがたくさんいらっしゃい

ます。日本ではもうほとんど見なくて、

年間でも数人程度な ですが、ベトナ

ムでは弁 マチ性です。

手術など、なか

とがないので非常に

データの蓄積・管理・活用

今後の課題に

吉田

今後の課題について、追加があ

ればお話しいただけますか。

近藤

手術手技のレベルは高まっ てきて

いますので、さらにわれわれが伝えら

れることは、手術の先の予後に関する

ことが中心となると思います。向こう

では年間千何百例という手術をされて

いますが、データベースの構築はまだ

不十分 す。例えばバイパス手術では、

こういう血管を手術に使うとベストな

成績が出る、といったデータの蓄積・

活用についての啓発は必要になるのでは

ないかと思います。

吉田

今、データベースの構築のお話

が出ましたが、医療情報管理の状況に

ついてはいかがでしょうか。

宮田

日本では電子カルテシステム (H

IS)

・放射線部門業務システム(R

IS)

・画像管理システム (PACS)

や、各診療科

・手術部

・看護部でも

それぞれの専用システムが整っています

が、ベトナムはまだ紙カルテや紙伝票

の病院がほとんどです。チョーライ病

院のCT検査は日中で約300件、夜

手術の様子

近藤医員

SHIGA IDAI NEWS vol.28

5