勢多だより
No. 108
10
新任教員紹介 |
New teacher introduction
2017年 8 月 1 日付けで外科学講座の准教授を拝命い
たしました。私は1993年に滋賀医科大学を卒業しまし
た。学生時代には剣道部で活動し、現在も大学剣道部
の学生と月数回は稽古をしています。大学卒業後、小
玉正智教授が主宰する滋賀医科大学医学部外科学第一
講座に入局し、附属病院や関連施設にて消化器外科学
の研鑽を積んでまいりました。1997年より大学院に進
学し外科侵襲学に関連する研究を開始しました。教室
と東レ株式会社の共同研究にて開発されたエンドトキ
シン除去向け吸着型血液浄化用浄化器(トレミキシン
®)の作用機序解明や治療効果に関する研究に取り組
みました。その後、出血性ショックにおけるエンドト
キシンやペプチドグリカンの生体反応への影響につい
て研究しました。この研究は、臨床でも消化器外科周
術期の血中ペプチドグリカンと感染性合併症に関する
研究につながりました。2003年より米国University of
Alabama at BirminghamにPostdoctoral Fellowとし
て 2 年間留学し、出血性ショック後に発生する臓器障
害に対する性ホルモンの影響について研究しました。
帰国後は、臨床に直結する外科侵襲学として外科感染
症、敗血症性ショック、エンドトキシンに関連する臨
床研究を継続しました。現在は、新しいエンドトキシ
ン測定法であるESP法の敗血症診断システムとして
の臨床的評価を救急集中治療医学講座と共同で行って
おります。今後も、外科侵襲学に関する分野の臨床研
究・基礎研究を若手研究者と伴に継続したいと考えて
おります。臨床では、2005年から乳腺・一般外科に所
属し乳腺疾患などの診療に従事しました。その後、
2006年から大腸肛門疾患を専門分野とし腹腔鏡下大腸
手術の導入を行いました。当時は、初発大腸癌に対す
る腹腔鏡下手術は早期癌に限られており10%程度であ
りましたが、腹腔鏡下手術の適応を順次拡大していき、
2016年には約90%の症例が腹腔鏡下で施行可能となり
ました。2013年からは直腸悪性腫瘍に対して腹腔鏡下
手術の手術支援ロボット支援機器であるダヴィンチを
導入し先進医療の取得に向けた症例蓄積を行っていま
す。現在、本学の若手医師・関連施設の医師への腹腔
鏡下大腸手術の教育・臨床指導に積極的に取り組んで
おります。さらに、2018年度より導入される新専門医
制度では、谷 眞至教授・浅井 徹教授の指導のもと、
滋賀医科大学外科学講座で専攻医が修練しやすい研修
体制の整備し、各診療科と関連施設との十分な連携を
とり若手外科医師の育成にも努めて参りたいと考えて
おります。
外科学講座(消化器外科)
准教授
清水 智治
経
歴
2016年 7 月 滋賀医科大学 外科学講座 講師
2017年 8 月 滋賀医科大学 外科学講座 准教授
1993年 3 月 滋賀医科大学医学部卒業
1993年 6 月 滋賀医科大学医学部附属病院 第一外科 医員(研修医)
1994年 4 月 京都第二赤十字病院 外科
医員(臨床研修医・臨床修練医)
1996年 4 月 西京都病院 外科 医員
1997年 4 月 滋賀医科大学大学院医学系研究科博士課程入学
2001年 4 月 滋賀医科大学医学部附属病院 外科 医員
2003年 5 月 米国 University of Alabama at Birmingham,
Postdoctoral Fellow
2005年 5 月 滋賀医科大学 外科学講座 助手
2010年 5 月 滋賀医科大学 外科学講座 学内講師