内分泌代謝内科紹介

 急増する生活習慣病(糖尿病 740万人、高血圧 3,000万人、高脂血症 2,800万人、メタボリックシンドローム 940万人)を適切に管理し、心筋梗塞、脳血管障害、末梢循環障害、糖尿病網膜症や腎症発症の予防を担当する専門医の必要性が高まっているが、現在のところ糖尿病専門医は極めて少ない。

 現在、滋賀医科大学 糖尿病・内分泌内科では、
1) 遺伝子多型解析、ゲノム計画への参画による成果を基盤として、生活習慣病関連遺伝子の情報をもとに高危険対象者に対して将来オーダーメイド医療を推進する。
2) 生活習慣病センターにて禁煙外来、生活習慣介入外来、食事指導介入外来にて生活習慣改善の具体的方法の調査・指導・研究を行っている。
3) 重症糖尿病患者の血糖管理の方法論の確立。
4) 血管合併症の集学的管理の指導、研究。
5) 心血管、脳血管、末梢循環障害の精密検査体制の確立。
6) 病診連携の推進をはかり、短期入院による合併症の評価、外来での糖尿病合併症評価のための経過外来を行っている。

 これら診療体制を利用していただき、地域から重篤な糖尿病患者をお引き受けし、病態に関する専門的評価・治療をしてわかりやすい統一したレポートとして返却し、地域医師との意見交換をしている。内分泌疾代謝性疾患としては、それ以外に肥満症、高血圧症、高尿酸血症、甲状腺疾患、内分泌性高血圧を中心に診療を行っている。

外来患者数

糖尿病(外来約1,500名)
脂質異常症、その他、肥満、高尿酸血症、電解質代謝疾患など。
甲状腺疾患、その他 内分泌疾患として下垂体、副甲状腺、副腎など。

入院患者数

糖尿病(年間約200名)
脂質異常症、その他、肥満、高尿酸血症、電解質代謝疾患など。
甲状腺疾患、その他 内分泌疾患として下垂体、副甲状腺、副腎など。

研究課題(臨床研究)

糖尿病における動脈硬化症の早期診断および治療方法の開発
 糖尿病の早期動脈硬化症の診断のため、頚動脈エコー検査、エレクトロンビームCT(EBCT)による冠動脈石灰化の評価、3D-CTによる非観血的冠動脈造影、ABI-フォルムによるABIおよび脈波伝播速度(PWV)、核磁気共鳴装置による下肢血流、冠血流解析を行ない、早期動脈硬化症の診断方法および治療法の開発を行っている。「核磁気共鳴装置を用いた心血管、下肢動脈の早期動脈硬化症の診断、治療法の開発」は高度先進医療に平成16年8月1日承認されている。現在、動脈硬化症を評価した患者の心血管事故を経過観察中である。

糖尿病における血管合併症進展因子としての血小板機能異常の研究

 糖尿病患者では、血小板凝集能が亢進し血管合併症の進展に関連すると考えられている。当科では同志社女子大学との共同研究で、糖尿病患者において、血小板の微少凝集能を定量化し、血小板凝集能と血糖管理、血圧管理、さらに血管合併症の程度の関連を検討し、合併症進展予防のために、どのような薬剤が効果的であるかを検証中である。

糖尿病発症遺伝子の同定および薬剤感受性遺伝子の同定
 糖尿病発症遺伝子の同定を行うとともに、経口糖尿病治療薬治療に対して、反応群、非反応群が存在することが知られている。全ゲノムのSNPを検討することにより、薬剤感受性遺伝子を同定し、オーダーメイド医療を実現する。現在、理化学研究所SNP研究センターと共同研究を行っている。

生検皮下脂肪および内臓脂肪組織を用いたメタボリックシンドローム発症機構の研究
 本学外科教室、理化学研究所、神戸大学、塩野義製薬研究所との共同研究で、皮下脂肪および内臓脂肪組織における脂肪細胞の特徴について検討中であり、皮下脂肪および内臓脂肪組織における遺伝子発現の比較、肥満に伴う遺伝子変化、さらに、アディポサイトカインの遺伝子発現調節機構について研究中である。

関連病院による多施設共同臨床研究
 糖尿病患者における心血管イベントをエンドポイントとした当科関連病院による他施設共同臨床研究を実行中である(SHIP-DINER 研究)。

研究課題(基礎研究)

新しい食事誘導性遺伝子制御機構の同定とその機能解析
 栄養素による肝臓での遺伝子発現調節異常がメタボリックシンドローム発症の遺伝的因子であるという仮説のもとに、肝臓において栄養素によって制御される遺伝子転写調節機構を検討している。我々は脂質合成のマスター遺伝子であるSREBPの果糖による調節部位を遺伝子上で同定し、その機構に関わる蛋白群を見出した。現在それらの蛋白の調節機構を解析しており、その制御を通じてメタボリックシンドロームの新たな治療へとつなげてゆければと希望している。

糖尿病発症遺伝子としてのインスリン抵抗性関連蛋白異常に関する研究
 糖尿病におけるインスリン抵抗性機構の解明は、糖尿病発症遺伝子検索の手がかりとなり、治療薬の開発にも貢献する。脱リン酸化酵素を中心にインスリン抵抗性物質の作用機構の解明を行っており、わが国だけでなく、世界的にも特徴あるアプローチにより、その成果は非常に注目されている。

動脈硬化発症の分子機構とその診断・治療への応用
 動脈硬化発症機構として、高血糖、インスリン抵抗性、酸化ストレスによる遺伝子発現調節異常の意義を明らかにする。特に血管内皮細胞の機能異常として活性酸素とNO産生のバランス異常による血管収縮性異常と血管壁遺伝子発現調節異常を明らかにし、診断、治療にその成果を応用する。特に動脈硬化症発症機構促進転写因子・抑制転写因子を同定し、治療に応用する。特に、冠動脈注入による遺伝子治療をめざす。

膵β細胞分化調節因子発現による糖尿病再生医学に関連する基礎検討
 糖尿病遺伝子治療の試みとして消化管上皮細胞への膵β細胞分化調節因子を導入し、膵β細胞遺伝子発現調節を検討する。今後発展が期待できる臨床的テーマである。

現在参画している厚生労働省・文部科学省 研究班

・老年者糖尿病長期予後に関する研究
・糖尿病における血管合併症の発症予防と進展制御に関する研究
・オーダーメイド医療研究会調査研究
・DOIT3(糖尿病合併症進展阻止研究)

 

 

 

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