In Gel Digestion of Silver-stained Polyacrylamide Gel for MALDI/TOF-MS

Reference: Gharahdaghi F et al. Electrophoresis 1999

  1. 銀染色したアクリルアミドゲルをアクリル下敷きなどの上にすくいあげ、ガスバーナーで刃をあぶったメスで、目的のスポットを切り出す。
  2. 切り出したスポットが大きい場合は数片に切り、200μlのPCRチューブに入れる。

    (脱銀処理)

  3. 30mM Potassium ferricyanide と 100mM Sodium thiosulfate を1:1に混合したものを50μl(A) 、チューブに入れる。
  4. 紙製のチューブボックスなどに入れて蓋をして遮光し、室温で10分間震盪する。この操作で銀が脱色されてゲルが透明になる(B)
  5. ピペットマン(P-200)などで液を吸い取って捨てる
  6. DWを50μl(A)加えて、室温3分間震盪し液を捨てる(洗浄)。3回繰り返し行う。
  7. 200mM Ammnonium bicarbonate (NH4HCO3)を50μl(A)加え、室温20分間震盪、液を捨てる。

    (S-S切断とSH基の保護:carbamidmethylation)

  8. 50μl(A)の 50% acetonitrile in 100mM NH4HCO3を加え、室温15分間震盪、液を捨てる。ゲルがある程度脱水されるため、小さくなる。
  9. 50μl(A)の10mM DTT(1.54mg/ml) in 100mM NH4HCO3を加え、50℃温浴で1時間インキュベートする。ここでは液は捨てない。
  10. 50μl(A)の50mM iodoacetamide(10.2mg/ml) in 100mM NH4HCO3を加え、遮光して室温40分間震盪、液を捨てる。
  11. 50μl(A)の 50% acetonitrile in 100mM NH4HCO3を加え、室温10分間震盪し液を捨てる(洗浄)。2回行う。

    (ゲル内トリプシン消化)

  12. SpeedVac(LOW)(C)で15分間乾燥させる。
  13. 30μlのtrypsin(0.01μg/μl(D))in 0.01% SDS / 100mM NH4HCO3を加え、氷上に45分間静置して、ゲルに吸収させる。
  14. 吸収され残った分のトリプシン液をピペットで除き、適量の100mM NH4HCO3を加えて吸い取る(過剰のトリプシンを除く)
  15. 30μlの100mM NH4HCO3を加える。
  16. 乾燥防止のためにパラフィルムをチューブの口に巻き、37℃で一晩インキュベートする。

    (ペプチド断片の回収とZip-Tip C18による脱塩濃縮)

  17. 氷上に新しい200μl PCRチューブを並べ、over night処理したチューブの中の液を回収する
  18. 残ったゲルに30μlの50% acetonitrile 0.5% trifluoroacetioc acid (TFA) を加え、室温15分間震盪する。液は回収して上記の新しいチューブ(on ice)に移す。2回繰り返し行い、1サンプルあたり約90〜100μlのペプチド溶液を回収する。
  19. -80℃のフリーザーに15分以上入れ、凍らせる。
  20. SpeedVac(LOW)で30分間、減圧しながら遠心濃縮する。この操作でacetonitrileが除かれ、大体10〜20μlに濃縮される。
  21. チューブを氷上に並べ,80μlの0.1% TFAを加える(E)
  22. Zip-Tip C18による脱塩濃縮をon iceで行う.
    1. Zip-TipをP-20ピペットマンにしっかりと装着.
    2. 50% acetonitorile-0.1% TFAを吸い上げ,樹脂の上端ぎりぎりまで吐き出す(pre-wetting)この操作を2回行う.
      これ以降、絶対に樹脂に空気が入らないように慎重にピペッティングすること
    3. 0.1% TFAで同様に吸い吐きして樹脂を洗浄.3回行う.
    4. サンプルをZipTipで吸って別に用意した200μlチューブに移していく.全部移し終えたらまた元のチューブに戻す.
      この作業を2往復くり返してペプチド断片をできるだけ多く吸着させる.
    5. 0.1% TFAを吸い吐きして洗浄.3回行う.
    6. 4μlの70% acetonitrile 0.1% TFAを200μlチューブに入れ、ZipTipで10回ほど吸い吐きして溶出.最後は完全に吐き出す.
  23. MALDI/TOF-MSのサンプルとする。この状態で-80℃での保存が可能。

  1. ゲル片が浸る程度の液量があればよい.二次元電気泳動のスポットの場合は25μl程度.一次元のラージゲルから切り出したレーンの場合は50μl程度が目安.
  2. ゲル片が大きかったり、蛋白量が多かったりすると、この条件では完全に抜けきれない場合がある.その場合は反応を長くしてもよいが、その分ロスも生じる.
  3. SpeedVacは実験センターのクロマトチャンバー室1、蛋白工学実験室に計2台ある.予約制.使用する15分ほど前にトラップの中身を捨て,冷却装置の電源を入れておく.
  4. ゲル片が大きい場合、ゲルに吸収されるトリプシン量が多くなり、目的の蛋白の量が少ない場合はトリプシン由来のフラグメントに隠れて解析が困難になることがある.その場合トリプシン濃度を半分にするとよいようだ.薄めすぎるとトリプシン自体の活性がなくなるので注意.
  5. この方法はサンプルを濃縮後,残存するacetonitrile濃度を極力減らすために0.1% TFAで希釈しZip-Tipで脱塩するが、液量が多いためZip-Tipの操作が大変である.
    別の(より一般的な)方法としてはサンプルをSpeedVacで完全に乾固し、20μlくらいのグアニジンで可溶化した後Zip-Tipで脱塩する方法があり,操作は簡単であるが可溶化の際、若干のロスがあるようだ.

2002.2.27: 旦部. 作成