合同懇談会 |
2004年3月のセミナー
|
| <講演要旨> IKrチャネルは多くの哺乳類の心筋細胞に発現している遅延活性型のK+チャネルのひとつで,活動電位の再分極を促進させる重要な電流系である.このチャネルのメインサブユニットであるHERG (human ERG) 蛋白の発現をコードする遺伝子変異により,活動電位の再分極相の遅延や致死性不整脈の発生を特徴とする遺伝性QT延長症候群が誘発されることが知られている.また,このK+チャネルは種々の薬剤によりブロックされ,後天性の不整脈の原因となることも明らかにされている(抗アレルギー剤であるterfenadineはIKrのブロック作用により不整脈誘発性をもつため発売が中止された).しかし,このように心筋の電気活動に重要な役割をはたしているIKrチャネルに関して,まだ十分に解明されていない点もある.例えば,Xenopus oocyteに導入したHERGチャネルの電気生理学的もしくは薬理学的特性は心筋細胞のIKrチャネルにほぼ近いが完全に同じでない.このことは,ヒト心筋のIKrチャネル蛋白はHERG蛋白とその機能を修飾する何らかのアクセサリー蛋白が会合して構成されている可能性が考えられているが,それについては明らかにされていない. HL-1細胞はサルのSV40ウィルスのT抗原を組み込んだトランスジェニックマウスの心房組織から分離された細胞株で,現在,in vitroで継代培養可能な唯一の心筋細胞である.この細胞は,自発性興奮(収縮)などの成マウス心筋細胞でみられるの多くの特性・機能を維持しており,心筋細胞のイオンチャネル研究に適した貴重な細胞系であると考えられる.我々は,HL-1細胞にパッチクランプ法を適用し,IKrチャネルの電気生理学的ならびに薬理学的特性について検討を行った.今後,HL-1細胞を用いてIKrチャネル蛋白の構成サブユニットの検討やMERG(mouse ERG)遺伝子の生理機能について研究を発展させたいと考えている.今回のセミナーではHL-1細胞におけるIKrチャネル蛋白の機能解析についてこれまでのデータを紹介して,今後の研究の方向性・発展性について皆さんのご意見をお伺いしたい |
| 合同懇談会は滋賀医大で講座の枠を超えた研究者同士の交流と各自の研究をさらに発展させることを目的として研究者有志で立ち上げたセミナーです。微生物学講座のメンバーも設立当初から参加しています。 「形式張らないフリーなディスカッションを」をモットーに、毎月1回参加者の一人が話題提供者になり、自分の研究内容、進捗状況や直面している問題点などを発表します。その話題を元にして他の参加者が自由にディスカッションを行います。 ちなみにセミナー終了後は、しゃべり足りなかった人たちが集まって一緒に街に繰り出しては、うまいものを食べ、うまい酒を飲み、ディスカッションの続きも(一応、多少は)やりながら、互いに親睦を深める、というのが恒例行事になってます。 このセミナーを通じて、参加者が他分野の研究の最前線に触れる機会になるのはもちろん、話題提供者の研究のブレイクスルー、研究者間のテクニカルトランスファーや共同研究などにもつながって参加者全員がハッピーになる、そんなセミナーを目指しています。 現在のところ、癌遺伝子/癌抑制遺伝子やイオンチャンネルなど、いろいろな遺伝子の機能解析とプロテオミクスなどが主な話題になっています。興味と関心のある人ならば誰でも結構、飛び入り大歓迎。基礎・臨床・学生・教官を問わず、広く皆様の参加をお待ちしています。 |
これまでの活動
このページにも決まり次第掲載していく予定です。 |
|
この件に関する質問などは、合同懇談会世話人、井上(微生物)、礒野(実験センター)まで連絡下さい。 |
| [TOP] | [研究概要][講義関連][教室紹介][研究支援] |