滋賀医科大学 眼科学講座

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滋賀医科大学医学部付属病院
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色覚外来

色覚外来臨床的色覚検査法色覚異常の分類(診断と程度分類)色覚異常の遺伝
色覚異常者の見え方職業適性の考え方受診するには

臨床的色覚検査法


臨床的に行われている色覚検査には次のようなものがあります。

1.仮性同色表(Pseudoisochromatic Plates)

いわゆる色盲表です。色盲ということばがよくないとして、最近では「色覚検査表」と呼ばれることが多いようです。
色覚異常の方には分かりにくい色の組み合せを使って主に数字を書いてあるものです。
分かりにくい2色をA、Bとしますと、例えばAの色で背景を、Bの色で数字を書くと区別がつきません。
A=Bに見えていれば数字が読めませんが、AとBが違って見える人には数字は読めるということになります。
この原理を使っていろいろな色の組み合せでいろいろな数字を書いた表が何枚か組になって構成されています。
代表的な表は、


1.石原表:

これは世界的にも広く使われている表で、たいへん検出(正常か異常かの区別)の効率がよく、簡単に分かります。下図にサンプルを示しておきます。
この表がすべてすんなり読める方はまず大丈夫でしょう。読めなかったりたいへん苦労しないと読めない方は色覚異常の可能性が高いということになります。 精密検査をお受けになることをお勧めします。(注:これらの表はコピーしたもので現物とは微妙に違っています。ご了解下さい。)



石原表には他に、正常と異常とで読み方が違う表があります。また分類のための表がありますが、これはあまりうまくできていません。この結果は信用しない方がよいでしょう。


2.東京医大表(TMC表)

これは名前のとおり東京医科大学のグループにより作られたものです。色覚異常の人には区別しにくい、あるいは区別できない色の組み合わせで数字を書いてあるのは他の表と同じです。 TMC表の特徴は印刷ではなく色紙を貼って作ってあるということです。印刷ですと印刷毎に微妙に色が違いっていて、全部が同じにはできないという欠点があります。 またもともと出したかった色が正確に印刷されるとは限りません。ですから版ごとにちょっとずつ違った出来上がりになってしまいます。 TMC表は色紙ですので意図したとおりの色のものが、しかも同じ色紙を使って作ったシリーズは一応全く同じものと考える事ができます。 以下にサンプルを示しますがこれもコピーで現物とは微妙に色が違っている事をご了承下さい。

この表もやはり検出にはよいのですが、分類はあてにできません。ただ他の表に比べて程度分類が少しは使い物になるかな、という程度です。 程度を考える際の参考資料にはなるでしょう。程度の分類はあとで述べるパネルD-15検査を使うのが今のところ最善と考えられます。



3.標準色覚検査表(Standard Pseudoisochromatic Plates, SPP)

これは後で述べるパネルD-15検査に使われている色を使って作られました。 この表は検出にも良いのですが1型色覚異常(第1異常)と2型色覚異常(第2異常)を区別する分類表が優れているという特徴があります。 検査表での分類は一般的にはあてにならないのですが、この表の結果は、典型的な応答をしたケースに限れば、 90〜95%で信頼できます。 また異常者に読めない表は少なく、どの表にも異常の方に読める数字が書いてあり、心理的な負担は少なくて済むと考えられます。 先天色覚異常を対象として作られたのですが、後に後天色覚異常用の第2部、スクリーニング検査用の第3部が発行され、先天色覚異常を対象とした表を第1部として区別しています。 下のような表です。これはコピーですから色は少し違っています。



4.その他

以上のほかいろいろなねらいで検査表が作られましたが、上の3表より良いものは残念ながら今のところありません。 これらの表の成績から総合的に判定するということになります。もう一度確認しておきますが、表による検査でできることは検出、つまり正常か異常かを区別することであって、 それ以上の事はほとんどわからないということです。SPPの第1部の分類表にしてもあくまでも参考にする程度で、精密な検査をすると逆の結果であったということが時々あります。

2.色相配列検査

赤、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、緑青、青紫、紫、赤紫、と少しずつ色が変わってまたもとの赤になることは皆さんご存知でしょうか。 これを色相環といいますが、この色相環に沿って少しずつ色の違ったいくつかの色票をばらばらの状態から、順々に並べてもらう検査です。 全部で85色を使った検査(100 hue test)もありますが、よく行われる検査は16色を使ったパネルD-15テストです。これは図のように基準の色票が一つ固定されており、 その次から残りの15色を順々に並べていくものです。色覚異常の方でも程度が軽ければ正しく並べることができます。 ですから正常と異常とを区別する検査ではなく、異常の程度を知る検査として大変重要視されています。程度の強い人は正常とは異なる並べ方をします。その場合は1型色覚異常(第1異常)と2型色覚異常(第2異常)とで並べ方の特徴が違います。ですから、程度が強い場合はその特徴を見て分類が可能です。



3.ランタンテスト(lantern test)

これは文字通り灯火を使った検査です。 もともと鉄道の信号灯の区別ができるかどうかを調べる検査として作られたのですが、 色覚異常の比較的程度の軽い方をさらに程度分けする方法として使われています。これは色覚異常の人にとっては大変難しい検査で、 パスする人はかなり程度が軽いと見て良いでしょう。ただしこの検査装置を持っている施設は少なく、普及している検査とは言えません。


4.アノマロスコープ(anomaloscope)

耳慣れない名前の検査ですが、この検査が唯一正しい診断がつけられる検査です。 赤い光と緑の光を混ぜると黄色く見えます。はじめから黄色い光とこの混ぜてできた黄色(混色)とを比較します。 混色の割合と黄色の光の強さを調整しますと、どこかで混色の黄色と本来の黄色とが同じに見えるところがあります。 これを均等あるいは等色といいます。正常色覚の場合はこの等色の条件(混色割合と黄色の強さ)が誰もが同じようになるのですが、 色覚異常の人は全く違った条件で等色します。また程度が強い、あるいは2色覚ですと混色割合の広い範囲で等色するということになります。 この等色条件の座標(混色割合、黄色の強さ)の位置や範囲から診断ができるのです。この検査も実施できる施設が限られています。


以上が臨床的に行われている精密な色覚検査です。滋賀医大の色覚外来ではこれらの検査を全て行い、その成績を踏まえてお話を伺い、適切なアドバイスができるよう努めています。
また、まだまだ不完全ですが遺伝子を解析し、診断と程度について遺伝子からの判定がどの程度まで行えるものか、これは研究段階ですが、行っています。皆さんのご協力をお願いいたします。 → 色覚異常の遺伝子解析


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