嚢胞とは?
固有の壁をもつ袋状のもので、内に液体あるいは半流動体が存在し、組織の中に
病的状態で存在しているものを嚢胞と呼びます。
どこにできるのか?
顎の骨などの硬組織内、また唇などの軟組織内どちらにも発生します。
どのような嚢胞があるのか?
分類としては、WHO が定めた定義があり、大まかに示すと
I. 上皮性嚢胞
A.歯原性嚢胞
1.発育性
2.炎症性
B. 歯原性嚢胞
II. 上皮性嚢胞
以上のようになっており実際にはさらに細かい分類があります。
どのようにして発見するのか?
組織に出来たものであれば、大概は下の写真の様に 組織の一部が盛り上がったり、
中にしこりのようなものができます。
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口唇にできた粘液嚢胞 | 舌にできたBlandin−Nuhn 嚢胞 |
硬組織に出来た場合、初期の状態ではレントゲン写真の撮影で存在が確認される
ことが多く、嚢胞が大きくなってきた場合などには顎の骨が膨らんできて存在に
気づくことがあります。大抵は無痛性で成長し他の歯科治療などでレントゲン写真
を撮って発見されることが多いです。
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膨隆した 嚢胞 | CT にて下顎 の膨隆と骨欠損が確認できる |
どのように治療するのか?
基本的には手術にて嚢胞を取ってしまいます。大きさや出来た位置により
局所麻酔、全身麻酔を使い分けます。取った後は組織を病理組織検査に出し、
その組織がどのようなものであるかを調べます。一般的に予後は良好ですが、
中には再発率の高いものがあり、注意が必要です。
疑わしい場合どうすればいいのか?
まず、お近くの歯科医院を受診され、一度診断を受けて下さい。
その上で必要であると判断された場合、紹介状を担当の先生が書かれ、
口腔外科を受診していただく様お話をされることがあります。