Admittance
  電気回路においてインピーダンスの逆数をいう。アドミッタンスの単位はインピーダンスの単位であるオームの逆数でジーメンス(Siemenns)といい、記号はSである。むかしはohm-mhoと称していた。Admittance Yを用いると、電流はI=EYと表される。ここに、EはimpedanceZの電圧である。アドミッタンスは、回路全抵抗R、全リアクタンスX、コンダクタンスG、サセプタンスBを用いて複素数表示される。
Boltzmann's constant
 普遍定数の1つで、ふつうkで表せられる。気体定数をアヴォガードロ数(モル分子数)で割ったもの。k=(1.380622±0.000043)×10-23JK-1 =(1.380622±0.000043)×10-16erg・K-1この定数は統計力学において重要である。
conductance
 アドミッタンスの実数部、直流回路では抵抗の逆数になる。MKSA単位はジーメンス(S)。
Faraday cage
 導体の箱(多くは円筒形)をある電位に保ち、一方の口から入った電子またはイオンの電荷を、箱に連結してある電位計などによって測定する装置。電子の衝撃で導体表面から出る二次電子の大部分は加えた電位によりふたたび箱の内部にもどるので、測定には影響しない。
Function
 2つの変数x,yの間に何らかの関数があって、xの位が定まればこれに応じてyの値も定まるときyをxの関数といい、y=f(x)で表す。yがxの関数であるときはxを独立変数または自変数といい、yを従属変数または他変数と名づける。また2つの以上独立変数x1,x2,x3・・・xnの関数=t(x1,x2・・・xn)も考えられる。
gas constant
 ボイルーシャルルの法則によれば、気体の圧力p、体積V、絶対温度Tの間にはpV=RTという関係があるが、アヴォガードロの法則によれば、気体1molの体積Vは等温等圧においてその種類に関せず一定値であるから、理想気体1molをとった場合、比例定数Rは気体の種類に無関係な定数で、これを普遍気体定数または単に気体定数という。その値はR=8.20562×107erg・k-1=1.986cal・deg-1mol-1である。気体定数を分子量で割った値、すなわち単位質量についての値を比気体定数ということがある。また気体定数をモル分子数で割った分子1個当たりの気体定数はボルツマン定数にほかならない。
H.A.Lorentz 1853.7.18-1928.2.4
 オランダ理論物理学家、電気理論的創始者。Leiden大学卒、1878年、同大学教授。放射線に対する磁場の影響に関する業績で1902年Nobel prige物理学賞を受けた。著書=The Therory of Electons,1909.
impedance
 複素インピーダンスともいう。2端子の回路網(たとえば回路素子)の端子間電圧、電流がそれぞれ複素数表示の正弦関数 E=E0expj(ωt+φ) , I=I0expjωtで表されるとき、その比Z=E/I=(E0/I0)expjφ=Zexpjφのことをいう。あるいはその絶対値Z=E0/I0をさすこともある。インピーダンスは回路と角周波数ωによってきまるもので、Z=R(抵抗Rだけの場合),=jωL(インピーダンスLだけ),=1/jωC(容量Cだけ)である(一演算子法)。インピーダンス捌け意識的には直流回路の抵抗と同様に扱うことができる。一般にZ=R+jXと表したとき、実数部Rを抵抗、虚数部Xをリアクタンスと呼ぶ。リアクタンスに関係するのはLとCで、リアクタンスがあればEとIに位相差を生じ、力率が低下する。インピーダンスの逆数をアドミタンスという。一般の2n端子ではインピーダンス行列が考えられ、インピーダンスはn=1の場合にあたる。また伝送線の電流や電波に対しては波動インピーダンスが用いられる。インピーダンスの概念は電気機械音響類似によって各種の波や振動にも拡張される。これを力学的インピーダンス(mechanicalimpedance)という。
reactance
 インピーダンスの虚数部、その符号によって、正すなわちインダクタンス性と、負すなわち容量性に分けられる。正の場合は電流の位相は遅れ、負の場合は進む。
Siemens
 電気伝導のSI単位であるジーメンス(S)は1Aの電流が1Vの電位差により生ずるときのコンダクタンスである。コンダクタンスGはI=GVなる式で定義される。ここでIはアンペア式表した電流、Vはボルトで表した電位差、Gはジーメンスで表したコンダクタンスである。ジーメンスで表した導体のコンダクタンスはオームで表した抵抗の逆数である。