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                                                                                            updated 2018-08-20

診療内容紹介

上部消化管外科
低侵襲な先進的手術:ロボット支援腹腔鏡下胃切除術

2018年4月より、日本ではロボットによる胃癌手術において下記の3つの術式が保険収載されました。
 

  1. ロボット支援腹腔鏡下幽門側胃切除
  2. ロボット支援腹腔鏡下噴門側胃切除
  3. ロボット支援腹腔鏡下胃全摘

 
滋賀医科大学附属病院では2017年12月よりIntuitive Surgical社のDa Vinci Siを用いたロボット支援腹腔鏡下胃切除術を導入し、現在まで安全に施行しており、2018 年7月からは滋賀県内で初めて上記すべてのロボット手術を保険診療内で受けていただける施設となりました。
これらの手術は先進的技術であり、ロボット支援下手術の経験はもちろんのこと、胃がんに対する外科的治療の経験も必要な条件(胃癌全体で50例以上、このうち腹腔鏡手術20例以上、ロボット手術を10例経験した常勤医師が1名以上配置されていること)となっており、限られた施設でしか保険適応内で受けられない手術となっています。
ロボット支援腹腔鏡下胃癌手術の特長として、
①手ブレ防止機能
②ハイビジョン3次元立体画像
③多関節機能
など最先端の技術を有し、これまでの手術と比較して、より繊細な手術を行える手段として期待されています。
 


 

食道

対象疾患:食道の腫瘍(癌・その他)・食道アカラシア・食道裂孔ヘルニア・食道憩室・食道穿孔など
[食道癌の治療]
当院は日本食道学会の食道外科専門医認定施設です。 


食道癌の外科的切除は年間10~20例と滋賀県内では多くの切除を行っています。
癌の進行度(深さやリンパ節の転移範囲、転移個数など)に応じて放射線・化学療法を含めた適切な治療法を選択しています。 一部の早期食道癌に対しては、消化器内科との協力の下、内視鏡下粘膜切除を行っています。
食道癌ではリンパ節転移の制御が重要な問題となってくるため、外科的切除に際しては、 確実かつ十分なリンパ節郭清を行うと共に、栄養評価を含めた全身状態やQOLを考慮した手術適応の選択、 管理を行っています。
切除不能例、あるいは外科的切除で望ましい予後が得られないと考えられる症例に対しては、 放射線化学療法を選択すると共に、バイパス手術やステント留置も行っています。
[食道憩室・粘膜下腫瘍]
食道憩室や一部の粘膜下腫瘍に対しては胸腔鏡下の低侵襲手術も行っています。
•食道癌の予後を規定する因子
食道癌の治療成績を左右する因子としては、
1)食道壁のどの深さまで癌が達しているか(粘膜下層より深い癌では治療成績が下がる)
2)リンパ節転移がどこまで進んでいるかが重要となってきます。
•リンパ節転移の状況
癌がどの部位に存在していても、リンパ節転移は頚部から腹部までの至る場所に起こりうる可能性があります。 癌がたとえ粘膜内に留まっていたとしても、“粘膜筋板”より深く浸潤すると飛躍的にリンパ節への転移が起こりやすくなります。
•早期食道癌の治療
内視鏡的切除(ESD)
内視鏡的に癌を切除します。リンパ節転移が明らかに無いと考えられる症例が適応です。 これは当院消化器内科にお願いしています。
•進行食道癌の治療
癌が粘膜筋板以深(粘膜下層以深)に浸潤すると、リンパ節転移の頻度は飛躍的に増加します。 リンパ節転移の個数が4個以上の症例では、予後は不良です。
壁深達度が外膜におよぶ症例では、手術だけでは予後は延びません。 手術療法と放射線化学療法の併用を積極的に行っています。
•食道の手術のポイント
リンパ節の郭清範囲は頚部・胸部・腹部の3領域にわたります。
声を出す重要な器官である声帯の動きを司る反回神経に沿ったリンパ節は、 転移頻度も高く注意深く摘出しなければなりません。 再建臓器としては一般に胃が使われます。どうしても胃が使用できない場合には大腸や小腸を使います。
•切除不能な食道癌症例
切除不能な高度進行食道癌では、放射線化学療法を行っています。 治療効果が良好で、切除可能な状況になれば積極的に切除を行います。
 



 

胃十二指腸疾患

対象症例:腫瘍(胃癌、十二指腸癌・十二指腸乳頭部癌・粘膜下腫瘍・悪性リンパ腫)・消化性潰瘍など
[胃癌の治療]
胃癌の切除例は年間60例を超えます。5年生存率は69%で、 各進行度別評価においても他施設をしのぐ生存率を得ています。
一部の早期胃癌や粘膜下腫瘍に対しては病巣に応じて内視鏡下粘膜切除や腹腔鏡下切除術も行っています。
今日、日本胃癌学会より”胃癌治療に対するガイドライン”が提唱されております。 それに加えて、外科的切除に際しては確実且つ過不足ないリンパ節郭清を行うと共に、 進行度に応じた機能温存術式(神経温存・幽門輪温存・ 代用胃作成など)を行ってきました。