診療内容紹介

下部消化管外科

主な対象疾患:大腸悪性腫瘍(がん、GIST、カルチノイド、悪性リンパ腫など), 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)

1. 大腸癌

<特徴1> 可能な限り傷の小さな手術を行い、患者さんの痛みを減らします。



当科では、日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸)を中心として積極的に大腸悪性腫瘍(大腸がん)に対する腹腔鏡手術に取り組んでおり、キズが小さく・根治性を落とさない手術を行っています。
 現在は原発性大腸がんの約80%の患者さんが、腹腔鏡手術で治療を受けていただいております。腹腔鏡手術はキズ瘢が小さく、術後の患者さんの痛みの負担が少ない治療法であり、術後1週間から10日程で退院が可能です。

<特徴2> 可能な限り肛門温存を目指します

当科では、直腸癌では、できるかぎり永久人工肛門造設を避けることができるように、元々の肛門からの排便を目指して治療を行っています。
 下部直腸がんの診断を他院受けて人工肛門を造設する手術を勧められた症例でも究極の肛門温存術式である内肛門括約筋切除 (Intersphincteric Resection; ISR) を行うことにより、多くの患者さんが根治性を損なうことなく永久人工肛門を回避できています。あきらめずにご相談下さい。
 最近ではISRも腹腔鏡下で行うことにより、患者さんへのキズの痛みの負担をさらに軽減しています。

<特徴3> われわれは決して諦めません



当科では、遠隔転移がある場合でも化学療法チームと協力して抗がん剤治療を行いながら外科的治療を諦めません。
 大腸がんは、例え遠隔転移が存在するステージ4の状態でも、肉眼的に腫瘍が取りきれるならば手術切除を行うことが最も延命効果があるとされています。化学療法チームと協力して抗がん剤治療を行い、腫瘍が小さくなってから外科的切除を行うこともあります。
 大腸の周囲にある臓器である膀胱や子宮に腫瘍が食い込んでいる場合(他臓器浸潤がん)であっても泌尿器科、産婦人科と共同して骨盤内蔵全摘術を行うことにより治癒切除を目指しています。
 肝臓や肺に転移のある(他臓器転移)症例であっても、肝胆膵外科、呼吸器外科と共同して積極的に手術治療を行っています。

<先進的医療の紹介>

医療は日夜進歩しており、われわれも大学病院の使命として新たな治療法の開発に取り組んでおります。

1、ロボット支援腹腔鏡下大腸切除術

平成26年6月から滋賀県内では初めて直腸癌に対するロボット支援腹腔鏡下大腸切除術(ダヴィンチ;da Vinci)を導入いたしました。ハイビジョン3次元立体画像を見ながら、多関節機能をもち、手ぶれがなく、精密かつ繊細な手術器具を使用して手術を行います。正確性、安全性、低侵襲性の向上が期待されています。今後、直腸癌を対象症例としてロボット支援手術を行って行く予定です。ロボット手術は、Intuitive Surgical社からロボット支援手術の認定を受けた医師(清水、園田)が手術を担当しております。


ロボット手術に関する問い合わせは、滋賀医科大学附属病院 消化器外科外来TEL. 077-548-2556にご連絡ください。

2、抗癌剤感受性試験によるオーダーメイド化学療法

2005年12月1日より高度先進医療として消化器がん全般、乳腺、がん性胸腹膜炎の患者さんに対し抗がん剤感受性試験(CD-DST法)によるオーダーメイド治療を行ってきました。
われわれの大腸がんのデータでは、抗がん剤感受性試験で感受性のある抗がん剤を用いて術後治療を行うことによりステージ2-3の患者さんの無再発生存率を改善させることができることを英文発表しました。
「Mekata E, et al.  Molecular and Clinical Oncology (in press)」も「Clinical predictive value of in vitro anticancer drug sensitivity test for the therapeutic effect of adjuvant chemotherapy in patients with stage II-III colorectal cancer.
Mekata E, Sonoda H, Shimizu T, Tatsuta T, Yamaguchi T, Endo Y, Tani T.
Mol Clin Oncol. 2013 Jul;1(4):763-767.」

この抗がん剤感受性試験は2012年4月より保険収載され、保険の範囲内で検査可能となっており、引き続き当院で検査を行うことが可能です。

2. 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)

 潰瘍性大腸炎、クローン病は、厚生労働省の特定疾患(いわゆる難病)指定を受けており専門的な治療が必要です。当院消化器内科(炎症性腸疾患センター)と協力して治療を行っています。
 当科では、潰瘍性大腸炎、クローン病とも良性疾患であり、可能な限り整容性の優れた腹腔鏡手術を行っています。
 二期分割手術を原則としており、一時的人工肛門造設を行っています。
「第2期手術後のキズ瘢」

3. 肛門疾患(痔核、痔瘻、裂肛、肛門周囲膿瘍など)

 肛門疾患は、肛門疾患を専門に扱っている関連病院(はえうち診療所、野洲病院、草津総合病院など)の専門医師をご紹介いたします。
はえうち診療所(http://www.za.ztv.ne.jp/haeuchi-clinic/
野洲病院(http://www.yasu-hp.jp