診療内容紹介

肝胆膵外科

肝胆膵疾患

対象症例
肝臓: 腫瘍(原発性肝癌・転移性肝腫瘍・肝血管腫)・肝膿瘍・肝内結石症など
胆道: 腫瘍(胆管癌・胆嚢癌)・胆石症(胆嚢内結石・総胆管結石)・急性胆嚢炎など
膵臓: 腫瘍(膵癌・内分泌腫瘍)・急性/慢性膵炎・膵など


[肝悪性 腫瘍の治療]
肝臓の外科的切除症例は年間約30数例です。
全身状態や肝機能を十分に考慮した適切な切除範囲を設定すると共に、 進行肝癌の一部においては体外循環を用いた手術も行っています。
転移性肝癌も含めた一部の肝腫瘍、開腹下手術困難例の一部に対しては、 当院に本邦で初めて導入された 解放型MR装置を 用いた MRガイド下マイク ロ波凝固療法 も行っています。
 [膵胆道系癌の治療]
膵胆道系癌の切除症例は年間約20数例です。
膵頭部領域悪性腫瘍(膵頭部癌・下部胆管癌・ファーター乳頭部癌)は悪性度の高い疾患であり、 標準術式としては、胃を温存した幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PpPD)を行っていますが、 さらに進行した癌には胃の一部を含めた膵頭十二指腸切除(PD)を行っています。 症例に応じて術後の機能温存(QOL向上)を目指した胃・十二指腸温存術式(DpPHR)も積極的に行っています。
切除不能膵癌に対して、 塩酸ゲムシタビン併用テーラーメイド 癌ペプチドワクチン 療法 を行っています(久留米大学・関西医科大学外科と共同).
現在さらに悪性度に応じた膵区域切除の確立を目指しています。
 [胆嚢良性腫瘍の手術]
腹腔鏡を用いた低侵襲手術を行っています。

膵疾患

対象症例
膵頭部領域癌(膵頭部癌、下部胆管癌、ファータ乳頭部癌)、膵体尾部癌や膵内分泌腫瘍、 その他の膵内腫瘍(良悪性の鑑別を要する)や膵外傷、膵炎(急性重症膵炎、慢性膵炎)に対して根治性とQOLを重視し以下の全ての術式(標準、拡大、縮小)を行なっています。
手術法
幽門輪温存膵頭十二指腸切除
膵体尾部切除
膵中央区域切除(膵分節切除)
脾温存膵体尾部切除
膵頭十二指腸第Ⅱ部切除
十二指腸温存膵頭全切除
十二指腸温存膵頭全切除(胆管温存)
門脈再建術
抗癌剤感受性試験(高度先 進医療)
膵癌は、全症例の30~40%程しか切除の対象とならず、 また、切除できても再発することの多い疾患です。化学療法も含めた集学的治療が必要です。
当科では、抗癌剤感受性試験を参考にした化学療法を行い、良好な成績を得ています。

MR-MCT

当院の垂直型オープンMRIでは、 MR画像を見ながら治療、手術を行うことができます。MR-MCTでは、この垂直型MRIを用いて、「MCT」、すなわち、「マイクロ波凝固療法」をおこなう治療です。 マイクロ波凝固療法は、 癌に直接マイクロ波電極針を刺入して癌の部分を焼き殺してしまう方法です。マイクロ波による焼灼は原理的には電子レンジと同じで、 100度近い高温で癌細胞を確実に凝固さ せ殺します。侵襲の小さな治療法で、複数回の治療が可能です。
オープンMRを使用したMCT(「MR-MCT」)は、当科で開発した「切らずに治す治療法」で、当科独自のものです。
■ MR-MCTの良い点
治療途中に効果判定ができる
超音波で見えない部分でも治療ができる
腹腔鏡や胸腔鏡も併用できる
コンピュータを使った高精度の位置決めが可能である
温度の表示が可能
治療済の部分のマーキングが可能


<温度表示画像>
4分割の画面の上段が温度画像です。温度の変化がリアルタイムに分かります。

<胸腔鏡使用例>
超音波では見えない部位にあってもオープンMRを使用すると見えるので、治療が可能です。
コンピュータを使った画像処理方法で、治療をおこないます。


<フットプリント>
凝固が完了した部分にコンピュータを使って画面上に色を付けて、必要な部分だけを正確に治療できます。

ナビゲーション外科とは

現在までの手術は、手術をする人の経験と勘に頼ることが多かったのですが、科学技術の進歩に伴い、 手術中に様々な器械を使って、今までに見えなかった部分を見えるようにし、手術の精度を上げて行う手術が可能になりました。
腹腔鏡や胸腔鏡のような内視鏡を使う手術もこれに含まれますが、 オープンMRを使った手術もこれに含まれます。
対象疾患:胆石症・肝臓癌・腹腔内腫瘍など 主に使用する器械:オープンMR装置・内視鏡など

装置の紹介(オープンMR装置)
装置の名称は、SignaSP/I(GE社製)で、2000年に本邦の第1号機として、 滋賀医科大学に導入されました。 現在でも、世界中に十数台しかありません。
図のように、装置の中にある液晶の画面を見ながら手術を行います。 お腹の手術や骨盤の手術に適しています。
消化器外科・乳腺一般外科では、肝臓癌・骨盤内腫瘍・皮下腫瘍などの手術に使用しています。
■ オープンMRIの特徴
•放射線被曝がない
•空気・骨に影響されない
•MRIの中で画像を見ながら手術ができる
•温度画像が見える
•いろいろな角度から見える