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                                                                                            updated 2018-08-20

診療内容紹介

肝胆膵外科

肝臓

【手術を行う肝臓の病気】
 滋賀医科大学附属病院では、肝臓の腫瘍、おもに、肝細胞がん、転移性肝がんに対して、手術を中心とした集学的治療(様々な治療を組み合わせて病気を治療すること)を行なっています。
 肝細胞がんは肝細胞の遺伝子に傷がつくことでがんができてきます。肝細胞がんの原因は、以前はB型やC型肝炎ウイルスが多かったのですが、最近では、脂肪肝や、アルコール多飲からの発がんが増えています。肝細胞がんは、非常に再発率が高いため、くり返し治療を行うことが多くなりますが、手術が可能であれば、手術の成績が最も良好です。肝細胞がんの治療はがんを治すことと肝機能維持のバランスをとることが非常に大事になります。当院では、消化器内科、放射線科と合同で毎週カンファレンスを行い、手術での切除、ラジオ波での焼灼、血管カテーテルでの治療、抗がん剤治療、また、肝炎ウイルスの治療まで、一貫して各分野の専門医が治療を行います。肝臓の中や外にある胆管にできる胆管がんも手術の対象となります。
 一方、肝臓には他臓器にできたがんが肝臓に流れ着いて大きく根を生やすことがあります。これを転移といいます。どのがんでも肝臓に転移を起こす可能性はありますが、手術を行う転移性肝がんの原因は大腸がんが最も多く、手術の成績が最も良好です。また転移性肝がんは複数個できることがあり、手術が難しいとされますが、抗がん剤を使用することで、手術が可能となる場合もあります。

【大腸がんの多発肝転移について】
●大腸がんの転移性肝がんに対する積極的外科治療
 最近、食事の欧米化にともない大腸がんが増加し、男性ではがん死亡の3位、女性では1位になっています。大腸がんの治療ガイドラインでは、大腸がんの肝転移は、根治手術が可能な場合は、他の治療方法(抗がん剤など)とくらべて、手術が良好な成績であると明記されています。ただし、肝臓に数多く転移がある場合も少なくありません。切除の可能性を診断するためには専門的な知識が必要であるため、肝臓外科専門施設でなければ、本当は手術できる状態なのに手術できないと判断される場合があります。当院では、多発転移肝がんであっても、さまざまな工夫を用いて、切除を行っています。滋賀医科大学附属病院では日本で施行している施設が少ないアルプス(Associating Liver Partition and Portal vein embolization for Staged hepatectomy; ALPPS)手術にも取り組んでいます。ぜひ一度、ご相談ください。
 
多発肝転移に対する、アルプス手術(多段階手術)


 
 いずれにせよ、肝臓の治療は、様々な治療の組み合わせや、手術のタイミングなどが重要となります。そのため、肝臓専門施設での治療をお勧めします。
 
【肝臓の手術】
 肝臓はたくさんの血管が通っている臓器であり、肝臓を大きく切除する肝切除術は、高度な技術が必要となります。日本消化器外科学会や日本肝胆膵外科学会では高難度手術として認定されています。滋賀医科大学附属病院は、日本肝胆膵外科学会で認められた高度技能認定施設であり、高度技能指導医・専門医が中心となって手術を行っています。

● 腹腔鏡下肝切除
 2016年4月から、多くの腹腔鏡下肝切除術は保険適応となっています。腹腔鏡手術の良い点は、お腹のキズが小さいため、手術後の回復が早いところです。しかし、従来のお腹を大きく開く手術にくらべて、手術の難易度が高いため、認定施設でのみ手術が認められています。当院では、日本内視鏡外科学会の技術認定医(肝臓)が中心となって、最新の画像処理技術を用い(シミュレーション・ナビゲーション)、腹腔鏡での手術を行っています。
 
シミュレーション画像

 
 
術中ナビゲーション

 
【手術対象症例】
 肝腫瘍(肝細胞がん・転移性肝がん・肝内胆管がん・肝血管腫・肝のう胞など)、胆管・胆のう腫瘍(肝門部領域胆管がん・胆のうがん)、肝膿瘍、肝内結石症など
 
【手術症例数(肝切除)】

 
【治療成績】
 当院における肝細胞がんの手術症例の1 年生存率は89%、3 年生存率は69%、5 年生存率は51%と、良好な成績です。転移性肝がんの手術症例の1 年生存率は88%、3 年生存率は57%、5 年生存率は40%と、こちらも良好な成績です。