1. ルート
  2. 後期研修
  3. 平成28年度後期レジデント
  4. 神経内科

神経内科


神経内科 後期卒後臨床研修プログラム

 

I 神経内科とは何か
1.診療科の特色
   本院は大学病院としての側面と、一般市中病院としての側面を併せ持つので、神経内科においても世界的に稀な神経変性疾患から脳卒中などの日常臨床で高頻度な神経疾患まで幅広く、バランスの良い神経内科研修が可能です。また、神経内科として余り細分化していないので多方面にわたる検査技術に精通できます。脳血管障害の患者の治療においては、超急性期に必要な検査を実施しており、脳外科との連携により、適応患者には積極的に線溶療法を行っています。また、末梢神経障害の診療においては、確定診断のため電気生理学的検査及び神経生検、さらに必要であれば皮膚生検を実施し診断能力と治療実績においても高い評価を得ており、患者紹介及び検査の依頼などが多くあります。これらの実績により長年にわたって厚生省の班研究を委託されています。また、脊髄小脳変性症やパーキンソン病類縁疾患などにつき磁気共鳴スペクトロスコピーを用いた評価法にて新しい診断技術の開発及び積極的な遺伝子解析を試みています。さらに、眼瞼痙攣、半側顔面痙攣、痙性斜頚などへのボツリヌス毒素の投与を積極的に実施しています。ニューロパチー患者の非侵襲的検査法としてMR microscopyの開発を手がけています。

 

2.診療科の社会的ニーズ
   かつて滋賀県には神経内科専門医の数が少なく、大病院でも常勤医が充足していなかった歴史的経緯があります。その上、人口急増と高齢化社会を迎え、必然的に神経疾患患者は増えており、同専門医のニーズは高まる一方です。実際、本院においても神経内科疾患の占める割合は着実に増加しています。これを受けて本院でも徐々に神経疾患患者の診療規模を拡充してきました。昭和53年10月附属病院の開院後、昭和57年に旧第三内科において神経専門外来開設。その後拡充。平成10年 10月脳神経センター開設と共に、同センター内に神経内科を開設。平成14年より内科大講座制への移行により診療科としての神経内科設置。外来担当医も毎日1人から2人へ増やし、患者数の増加に対応しています。近隣開業医からの紹介患者が多いですが、当科の専門性を考慮した遠方からの紹介患者も少なくありません。

 

3.習得できる資格
   神経内科専門医、脳卒中専門医

 

4.対象疾患
   あらゆる神経疾患が対象となるが、実績を次に上げます。平成14年度の実績:外来患者:脳血管障害(約60名)、パーキンソン病(約50名)、末梢神経障害(約40名)、てんかん(約40名)、神経変性疾患(約 25名)、頭痛(約30名)。入院患者:脳血管障害(61名)、パーキンソン病とその類縁疾患(15名)、神経変性疾患(15名)、末梢神経障害(約19名)、感染症(約17名)、筋疾患(8名)。

 

Ⅱ スタッフ
1.コース長
  氏  名 安田 斎
  所属学会 日本内科学会、日本神経学会、日本脳卒中学会、日本自律神経学会、日本神経病理学会、日本神経治療学会、日本老年病学会、日本末梢神経学会、日本糖尿病学会、日本糖尿病合併症学会
  認定資格 日本内科学会認定医、日本神経学会専門医、日本糖尿病学会専門医・指導医
  学会の役職 日本神経学会評議員、日本糖尿病学会評議員、日本自律神経学会評議員、日本末梢神経学会評議員、日本内科学会近畿地方会評議員
  専門分野 ニューロパチー、神経変性疾患、脳血管障害、頭痛、神経因性疼痛

 

2.研修責任者
  氏  名 川合寛道
  所属学会 日本内科学会、日本神経学会、日本糖尿病学会
  認定資格 日本内科学会認定医、日本神経学会専門医、日本神経学会指導医
  専門分野 脳血管障害、筋疾患、ニューロパチー

 

3.指 導 医
  氏  名 金 一暁
  所属学会 日本内科学会、日本神経学会、日本糖尿病学会
  認定資格 日本内科学会認定医、日本神経学会専門医、日本神経学会指導医
  専門分野 神経変性疾患、ニューロパチー、脳血管障害
     
  氏  名 寺島智也
  所属学会 日本内科学会、日本神経学会、日本糖尿病学会
  認定資格 日本内科学会認定医、日本神経学会専門医
  専門分野 脳血管障害、筋疾患、ニューロパチー

 

Ⅲ 研修概要
1.研修目的
  1)一般内科医としての技術を基盤として、日常診療で高頻度に経験しうる一般的な神経疾患の診察法と検査所見の評価法を習得する。

2)比較的稀な神経疾患患者の診断・治療につき、自ら診断出来ない場合でも、他医への適切な紹介なども含め、適切に対応しうる能力を身に付ける。特に下記については自ら行えるように目標を設定する。

   ①ベッドサイドにおける神経学的診察を正しく行える。
   ②頭痛・めまい・しびれの診断・治療が行える。
   ③脳血管障害の診断・治療が的確に行える。
   ④パーキンソン病・脊髄小脳変性症・アルツハイマー病などの変性疾患の診断・治療が行える。
   ⑤末梢神経障害・筋疾患の評価を正しく行える。
   ⑥てんかんの診断と初期治療が行える。
   ⑦脳波・筋電図の評価が行える。
   ⑧神経難病患者自身及び家族への病状・予後について適切な説明・対応が出来る。
   ⑨遣伝性疾患を診断し、適切なカウンセリングが行える。

 

2.研修スケジュール
  1)前期(1年間)
   神経内科領域の診断・治療法の習得に当たって、その基盤を形成する。
  ①上級医師として前期研修医と共に入院患者治療に当たる。主治医として病態が難解であったり高度な治療を要する患者の診断・治療に当たる。
  ②筋電図や脳波などの検査を受け持ち、自ら検査結果の評価が出来る能力を身に付ける。
  ③病棟での症例検討会で当該患者の疾患の診断・治療に関して発表し、併せて最近のトピックスにつき紹介することで、発表能力につき研鑽を積む。

 

  2)後期(1年間)
   前期に習得した神経内科診療の基本的な考え方・手技を一層向上させ、神経内科専門医のボード取得に向け学習する。
  ①病棟:主治医として患者診療に当たり、研修医の教育にも参画する。神経内科疾患のベッドサイドでの診断技術を向上させ、的確な鑑別診断能力を磨く。
  ②外来:神経専門外来での検査・処置担当として診療に参画する。
  ③担当症例は原則として主治医が適時学会および各種研究会にて報告する。
  ④リサーチ・カンファレンスに参加し、臨床のみならず神経学全般の最新の研究にも触れ幅広い知識の習得に努めると共に、学内外の学術講演会、研究会、学会に積極的に参加する。
  ⑤神経学会などで学会発表し、学術論文にまとめることで文章力を修得する。

 

3.関連病院

 

  1)スタッフとして在籍
  【滋賀県】
  長浜赤十字病院神経内科、国立療養所紫香楽病院神経内科、公立甲賀病院神経内科、社会保険滋賀病院、国立病院機構滋賀病院
  【京都府】
  国立療養所宇多野病院、京都市立病院神経内科、第二岡本病院神経内科
  【その他】
  国立精神・神経センター


 

  2)レジデント・研修医として在籍
  【滋賀県】
  長浜赤十字病院神経内科、公立甲賀病院神経内科、国立病院機構滋賀病院神経内科
  【京都府】
  第二岡本総合病院
  【大阪府】
  星ヶ丘厚生年金病院脳卒中科

 

4.カンファレンス・症例検討会・抄読会
  月曜日午後5:00~7:30 6C病棟症例検討会
 
  火曜日午後6:30~8:00 神経内科症例検討会(第3週は放射線科・脳外科との合同会議(神経放射線))、神経・筋生検病理検討会適宜
 
  木曜日午前7:30~8:30 6C病棟モーニングカンファレンス
 
  木曜日午前9:00~10:00 6C病棟症例検討会
 
  木曜日午後6:30~8:00 神経内科抄読会・リサーチ検討会

 

5.業務の週間予定
  火曜日午前・午後 筋電図
 
  火曜日午前 ボトックス注射係
 
  火曜日午後6:30~8:00 症例検討会発表(第3週は放射線科・脳外科との合同会議(神経放射線))
 
  木曜日午後6:30~8:00 木曜日抄読会文献発表
 
  金曜日午前・午後 筋電図

 

Ⅳ 研修実績
   昨年、新研修制度が始まって初めての神経内科専門医が誕生しました。彼も含めて本神経内科出身者の専門医ボード取得者は21名にのぼります。これまで、専門医ボードは卒後7年目頃、大学での研修から学外研修後、大学院に進み卒業後に取得することが多かったのですが、ほとんどが1回目受験で取得しています(神経内科専門医は各種専門医の中でも合格率が50%前後で取得が最も困難である)。今後は卒後後期研修を活かした専門医取得への効率の良い方法を検討中です。

 

Ⅴ 診療グループ情報
1.外来患者延数
   新来451名、再来4983名: 1日平均患者数22.1名

 

2.入院患者数
   180~200人/年

 

3.神経・筋生検
   10~15人/年

 

4.検査件数(項目別概数)
   筋電図: 380件/年
   脳 波: 200件/年

 

5.経験可能な疾患
   経験可能な疾患を知る参考として、入院患者の内訳(平成14年)を示します。1.脳血管障害64名、2.変性疾患28名、3.ニューロパチー19名、4.感染性疾患17名、5.筋疾患8名がベスト5であり、平成13年2月-3月の神経内科外来における定期経過観察の患者の内訳は、1.脳血管障害47名、2.パーキンソン病38名、3.末梢神経障害27名、4.てんかん25名、5.変性疾患17名、6.頭痛12名、7.筋疾患、8.重症筋無力症、9.ジストニア11名、12.本態性振戦5名、運動ニューロン疾患5名、脊髄疾患3名、痴呆3名などで、新患患者の主訴別では、1.頭痛、2.しびれ、3.めまい、4.運動障害、5.意識障害、6.疼痛などが高頻度でした。
 これらの、神経内科でのいわゆるcommon diseaseに加え、稀な疾患に遭遇することが多いのが神経内科のひとつの特徴であり、希少疾患を正しく診断することも重要な業務です。近年では、成人型Krabbe病(本邦6例目)、成人発症MELAS一卵性双生児(世界初)、嗅神経芽細胞腫による傍腫瘍性小脳変性症(世界初)などの事例をはじめ、一般病院で診断できず当科に紹介された困難な症例についても正しく診断を下しており、専門医をめざすためには充実した内容の研修が行えます。以下に、最近(2000年以降)の症例報告と学会報告の具体例を示します。当科で経験できる疾患を知っていただけたらと思います。

 症例報告
  1) Kawai H, et al. Red Puffy Ears. NEJM. 362; 928, 2010
  2) Sanada M, et al. MR angiography for the evaluation of non-systemic vasculitic neuropathy. Acta Radiol 44; 316-318, 2003.
  3) Maeda K, et al. Braille alexia during visual hallucination in a blind man with selective calcarine atrophy. Psychiat Clin Neurosci 57; 227-229, 2003.
  4) Maeda K, et al. 3243A>G mutation in monozygotic twins who developed the same phenotype of adult-onset MELAS and heteroplasmy. J Neurol Neurosurg Psychiatry (in press).
  5) 阪上芳男、他. SLEに合併した脊髄硬膜下血腫. 神経内科 53;特別増刊 424-425, 2000.
  6) 前田憲吾、他. 上肢単麻痺を呈した precentral knob梗塞のFLAIR MRI診断. 神経内科 56; 474-476, 2002.
  7) 前田憲吾、他. MRIで診断された腹側中脳挫傷の1例. 脳神経 54; 732-733, 2002.
  8) 前田憲吾、他. 瘢痕脳回(ulegyria)を合併した鎖骨頭蓋形成不全症. 神経内科 56; 545-547, 2002.
  9) 前田憲吾、他. 自然軽快した、シェーグレン症候群に伴う球後視神経炎の1例. 脳神経 54; 997-1001, 2002.
  10) 濱田可奈子、他. 頭部MRIにて白質病変を認めた筋緊張性ジストロフィーの1例. 臨床MRI 13; 19-23, 2002.
  11) 前田憲吾、他. 著明な非ケトン性高血糖に伴った皮質下性opsoclonus-myoclonus症候群の1例. 神経内科 59; 74-76, 2003.
  12) 早瀬史子、他. 鍼治療による頸髄損傷. 神経内科 59; 98-99, 2003.
  13) 前田憲吾、他. 無言電話の逆探知により発見され、t-PAが有効であった超急性期奇異性脳塞栓症. 神経内科 60; 309-312, 2004.
  14) 前田憲吾、他. 進行性核上性麻痺でみられる周期性昏迷の脳波. 神経内科 60; 451-452, 2004.
  15) 前田憲吾. Mexiletine (メキシチール(R))による固定姿勢保持困難. 神経内科 60;570, 2004.
  16) 前田憲吾、他. ACTH単独欠損症の脳波. 神経内科 61;309-310, 2004.
  17) 前田憲吾、他. 抗α-fodrin抗体陽性で末梢神経障害を合併したpolymorphous meningitisの一例. 神経内科 61;367-370, 2004.
  18) 前田憲吾、他. 半側視空間無視症状を呈した一側性無菌性髄膜炎. 神経内科 62; : 2005.(in press)
  19) 前田憲吾、他. Edaravone (MCI-186)が MELAS脳卒中様発作時の病変拡大抑制に有効であったと考えられる一例. 臨床神経 45;2005. (in press)

 

 学会報告
  1) 濱田可奈子、他. 飲酒と喫煙を契機に意識障害で発症した「もやもや病」の1例. 日本神経学会近畿地方会、2000年
  2) 金一暁、他. MRSにより経時的変化を観察し得たMELAS再発例. 日本神経学会近畿地方会、2000年
  3) 藤谷昌司、他. 重症筋無力症クリーゼに続発し、治療に苦慮した重症の甲状腺眼症の1例. 日本神経学会近畿地方会、2000年
  4) 前田憲吾、他. 特異な家族歴から fragile X症候群と診断された中年女性の1例. 日本神経学会近畿地方会、2000年
  5) 前田憲吾、他. 瘢痕脳回を合併した鎖骨頭蓋異形成症の1例. 日本神経学会近畿地方会、2000年
  6) 濱田可奈子、他. 赤血球アルドース還元酵素蛋白高値患者群の臨床的背景 糖尿病経過外来における検討. 日本自律神経学会総会、2000年
  7) 川端徹、他. 糖尿病性対称性躯幹ポリニューロパチーは存在するか?Neurometerを用いた電流知覚閾値による検討. 日本糖尿病学会総会、2000年
  8) 濱田可奈子、他. 糖尿病性神経障害の簡易診断基準の有用性 「糖尿病経過外来」における検討(第2報). 糖尿病学会総会、2000年
  9) 阪上芳男、他. 高齢糖尿病患者における糖尿病性神経障害の特徴. 日本糖尿病学会総会、2001年
  10) 前田憲吾、他. 動眼神経の虚血脆弱性に関する病理学的検討. 日本神経学会総会、 2001年
  11) 大井二郎、他. Sensory ataxiaで発症し抗α-fodrin抗体陽性を示したシェーグレン症候群の1例. 日本神経学会近畿地方会、2001年
  12) 村田佳子、他. Sjogren症候群に伴う横断性脊髄炎の一例. 日本神経学会近畿地方会、2001年
  13) 村田佳子、他. シェーグレン症候群に合併する神経障害と抗神経抗体. 第43回日本神経学会総会、2002年
  14) 藤谷昌司、他. 神経変性疾患患者の病期の評価における1H-MRSの有用性の検討. 日本神経学会総会、2002年
  15) 寺島智也、他. DRPLA発症におけるSUMO-1 の関与 PC12細胞及び剖検脳を用いた検討. 日本神経学会総会、2002年
  16) 田原将之、他. 脳血流シンチグラフィーで経過を観察した成人発症Rye症候群の一例. 日本内科学会近畿地方会、2002年
  17) 藤谷昌司、他. 高齢糖尿病患者の神経機能の特徴 経年的変化の解析. 日本糖尿病学会総会、2002年
  18) 川合寛道、他. 嗅神経芽細胞腫再発時に生じたHu抗体陽性小脳失調症の1例 日本神経学会近畿地方会、2002年
  19) 前田憲吾、他. 緩徐進行性失語を呈し、 3D-SSPにて左シルビウス裂周囲の血流低下が認められた一例. 日本神経学会近畿地方会、2002年
  20) 前田憲吾、他. 類似した臨床症状を呈したMELASの一卵性双生児. 日本神経学会近畿地方会、2002年
  21) 川合寛道、他. 小脳失調、網膜色素変性症、感音性難聴、慢性腎不全を来たしたミトコンドリア脳筋症の一例. 日本神経学会近畿地方会、2003年
  22) Murata, et al. Anti-dorsal root ganglion neuron specific antibodies associated with neurological manifestations in Sjogren’s syndrome. PNS conference 2003
  23) 伊藤純、他. 橋のbranch atheromatous diseaseを契機に診断されたシェーグレン症候群の一例. 日本内科学会近畿地方会、2003年
  24) 大井二郎、他. 脊髄、後根神経節、末梢神経に対する神経抗体を認めた亜急性失調型ニューロパチーの一例. 日本神経学会近畿地方会、2003年
  25) 川合寛道、他. ミトコンドリアDNA欠失と3243A>G変異を合併した進行性外眼筋麻痺患者の1症例. 第3回日本ミトコンドリア研究会 福岡、2003年
  26) 大井二郎、他. 皮膚書字覚障害を呈した両側後大脳動脈閉塞症の一例. 日本神経学会近畿地方会、2004年
  27) 川合寛道、他. 位置覚と振動覚の解離を示す多発性硬化症の一例. 日本神経学会近畿地方会、2004年
  28) 前田憲吾、他. 成人型Krabbe病の一例. 日本神経学会近畿地方会、2004年
  29) 浦部博志、他. Pergolideにより多発線維性プラークを生じた薬剤性胸膜炎の一例. 日本神経学会近畿地方会、2004年

 

6.経験可能な手技
   腰椎穿刺、中心静脈穿刺、筋電図(針・神経伝導速度・磁気刺激による運動誘発電位)、脳波、神経・筋・皮膚生検と病理標本作成、頚動脈エコー、レスピレーター管理、遣伝子診断法

 

7.主な研究分野
  1)糖尿病性神経障害の成因解明と治療法の開発
  2)神経変性・再生の調節機序の解明
  3)神経抗体のニューロパチー発症機序の解明
  4)脊髄血管内皮特異的結合ペプチドによる筋萎縮性側索硬化症の遺伝子工学的治療法の開発
  5)神経因性疼痛の発症機序解明と治療法の開発
  6)神経変性疾患の磁気共鳴スペクトロスコピー・拡散テンソル・脳血流シンチグラフィーStereotactic Extraction Estimation(SEE) を用いた病期・病態の解析
  7)末梢神経障害のMR microscopyを用いた評価法の開発
  8)糖尿病性神経障害の自然史究明、診断基準の確立
  9)皮膚生検を用いたニューロパチーの診断及び評価法

 

8.施設の学会認定
   日本内科学会教育施設
   日本神経学会教育施設

 

9.国内・国際的評価(研究・診療分野・先端的医療)
   神経内科領域では滋賀県における代表的な地位を築いている。神経内科専門医取得のための教育施設として中心的な地位を占め、多くの研究会も主宰している。また、コース長は筋萎縮性側索硬化症全国医療情報ネットワーク滋賀県代表者(厚生省委託)、神経難病在宅医療支援事業CJD担当専門医(厚生省委託)などを兼務する他、米国Charcot-Marie-Tooth病協会協力医を長年にわたって務めている。研究面では、末梢神経疾患、特に糖尿病性神経障害の成因・治療法に関する臨床的及び実験的研究について国際的に評価され、コース長はProg Neurobiol(impact factor:10.7(2002))で招待レビューを行った。一方、Naチャンネル機能の異常が自己免疫疾患に深く関与することを世界に先駆け報告し、引用回数が高い。その他、歯状核赤核ルイ体萎縮症などのCAG repeat病などにおける神経細胞変性機序の検討や神経因性疼痛の発症機序につきNa,Caチャネル機能(パッチクランプ法を含む)や遺伝子工学的手法を取り入れ包括的な研究を進めると共に、磁気共鳴を用いた先進的手法を用いて神経変性疾の病態・診断ににおける非侵襲的解析をめざし着実に成果を上げている。また、現在、各種神経変性疾患のターゲットとなるニューロンに効率よく標的遺伝子をターゲッティングする方法を精力的に検討しており、科研費のテーマともなっている。一連の研究は評価を受け、常に文部省科学研究費や厚生省精神・神経疾患研究委託費(ニューロパチーの成因・治療に関する研究班)を受託している。

 

Ⅵ メッセージ
1.コース長・研修責任者
   まさに21世紀は脳の時代であり、先進的な医療技術の飛躍的な向上が期待されます。このような時代背景のもとに個人の斬新なアイデアにより画期的な治療法が開発される可能性が増しています。日常診療に邁進すると共に神経疾患の高度な診療技術開発のために研究しませんか!?

 

2.指導医
   神経内科領域では、急性発症の意識障害や治療方法のない神経難病など臨床で診断や治療に難渋する症例が多く、加えて神経所見のとり方には独特のとっつきにくさがあり、神経内科を生涯の仕事に選ぶ研修医が少ないのが現状です。
 しかし、困難な症例に対して果敢に診断・治療に立ち向かうこと、患者様を直接支える家族と共に出来る限り様々な支援体制を作り上げること、治療可能な疾患を逃すことなく診断することなどは、いずれもやり甲斐のある職種であると私は信じてやみません。日常診療に埋没してはいけないという言葉はよく耳にしますが、この領域では日常診療に埋没しきってしまうこと、一例一例の症例をこと細かく分析することの中に新発見の糸口が隠されていることも事実です。症例が多種多様である神経内科では、なかなか研修の出口が見つからないと思います。そんな中で、一つの症例を経験するだけでなく、研究会・学会で発表し、最終的には症例報告として論文化することは、単に一つの疾患の一患者を経験することを遥かに超えて諸君の血となり肉となって、以後の診療に役立ちます。
 私も昨年度まで4年間、病棟での主任業務の中で、できるだけ研修医や専門医をめざす上級医に症例報告を書くよう指導してきました。上記の5で最近の症例報告と学会報告の具体例を示していますが、これらは当科で経験できる疾患を諸君に具体的に提示できる材料となることと思います。

 

3.研修指導責任者
   現在、前田前病棟主任の後を受け病棟主任を務めています。なかなか診断がつかず、ハンマーを片手に首をひねる毎日を送っています。神経疾患はあなたの工夫次第でもまだまだ新しい事実をみつける事が出来る臨床フィールドだと思います。私と一緒に首をひねってくれる方、募集中です。

 

4.修了者(前研修システム)
   神経内科が扱う分野はパーキンソン病などの変性疾患、脳血管障害、脱髄性疾患、末梢神経障害、筋疾患、脳脊髄炎と多岐にわたっていますが、最近の目ざましい病態の解明や新しい治療法をみると神経疾患は診断のみで全く治らない!?という時代もそろそろ終わうとしてるのかもしれません。神経内科にはそれぞれ一生をかけて取り組むべき道がきっとあるはずです。

 

Ⅶ 問い合わせ窓口
1.担当者: 川合 寛道

 

2.TEL: 077-548-2223   FAX: 077-543-3858

 

3.E-mail:  hirok@belle.shiga-med.ac.jp


〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町 TEL:077-548-2436 FAX:077-548-2832
事務局:滋賀医科大学医学部附属病院 医師臨床教育センター(旧卒後臨床研修センター)(E-mail: kensyu@belle.shiga-med.ac.jp)