1. ルート
  2. 後期研修
  3. 平成28年度後期レジデント
  4. 麻酔科

麻酔科

麻酔科 後期卒後臨床研修プログラム

 

I 麻酔科とは何か
1.診療科の特色
   侵襲性のある手術、検査、手技に対し、より低侵襲性の医療とするために、周術期管理と Quality of lifeの向上を目指した疼痛管理を教育、研究、医療を通じて社会に貢献する診療科である。専門医教育を通じて、人間味のある医師を目指した、相互啓発の場を提供する大学の診療科としての麻酔科である。

 

2.診療科の社会的ニーズ・必要性
   社会的には、手術件数の増加、検査麻酔の増加により麻酔科医の需要は増大している。また、高齢化社会により疼痛疾患の増大が重なり、麻酔関連領域は需要が増大している。一方、麻酔の安全性の要望より、麻酔専門医による麻酔施行の要望も高まっている。しかしながら、対人口10万人当たりの麻酔科医の医師数は欧米が11~13人なのに、日本は4人と極端に不足しており、いわゆる医師過剰ではない状態である。今後、緩和医療、急性疼痛管理、リハビリテーション医学への需要も高まり、ますます社会的には必要度が高まっている。

 

3.習得できる資格(認定医等)
  麻酔科標榜医、麻酔専門医、麻酔指導医、日本集中治療医学会専門医、日本ペインクリニック専門医、心臓血管麻酔専門医など

 

4.対象疾患
   周術期管理を要する疾患、不動可、鎮静を必要とする検査を要する疾患、疼痛制御及び血行改善を要する疾患

 

Ⅱ スタッフ
1.コース長
  氏  名 北川 裕利
  所属学会 日本麻酔科学会、日本ペインクリニック学会、日本集中治療医学会、日本心臓血管麻酔学会
  認定資格 麻酔指導医、ペインクリニック専門医
  学会の役職  
  専門分野 全身麻酔、心臓麻酔
2.研修責任者     
  氏  名 今宿 康彦
  所属学会 日本麻酔科学会、日本ペインクリニック学会、日本心臓血管麻酔学会
  認定資格 麻酔指導医、ペインクリニック専門医、日本周術期経食道心エコー認定医、心臓血管麻酔専門医 
  学会の役職  
  専門分野   全身麻酔、ペインクリニック
3.指導医
  氏  名 福井 聖
  所属学会 日本麻酔科学会、日本ペインクリニック学会
  認定資格 麻酔指導医、ペインクリニック専門医
  学会の役職  
  専門分野 ペインクリニック、脊椎疾患に対する透視下神経ブロック療法、高周波熱凝固法、パルス高周波法
     
  氏  名 瀬戸 倫義
  所属学会 日本麻酔科学会
  認定資格 麻酔指導医
  学会の役職  
  専門分野 全身麻酔、麻酔メカニズム
     
  氏  名 今井 秀一
  所属学会 日本麻酔科学会
  認定資格 麻酔指導医、日本救急医学会専門医、日本ペインクリニック専門医
  学会の役職  
  専門分野 全身麻酔
     
  氏  名 葛川 顕子
  所属学会 日本麻酔科学会
  認定資格 麻酔指導医
  学会の役職  
  専門分野 全身麻酔
     
  氏  名 松浪 薫
  所属学会 日本麻酔科学会
  認定資格 麻酔指導医
  専門分野 全身麻酔、小児麻酔、集中治療
     
  氏  名 岩下 成人
  所属学会 日本麻酔科学会、日本ペインクリニック学会
  認定資格 麻酔指導医、日本ペインクリニック専門医
  専門分野 ペインクリニック、透視下神経ブロック療法、慢性疼痛
     
  氏  名 竹林 紀子
  所属学会 日本麻酔科学会
  認定資格 麻酔指導医
  専門分野 全身麻酔
     
  氏  名 新田 一仁
  所属学会 日本麻酔科学会
  認定資格 麻酔指導医
  専門分野 ペインクリニック、透視下神経ブロック療法
     
  氏  名 垂井 薫
  所属学会 日本麻酔科学会
  認定資格 麻酔指導医
  専門分野 全身麻酔
     
  氏  名 小嶋 亜希子
  所属学会 日本麻酔科学会
  認定資格 麻酔指導医
  専門分野 全身麻酔
     
  氏  名 千原 孝志
  所属学会 日本麻酔科学会
  認定資格 麻酔認定医
  専門分野 全身麻酔
     
  氏  名 石川 ゆうこ
  所属学会 日本麻酔科学会
  認定資格 麻酔専門医
  専門分野 全身麻酔
     
  氏  名 湯浅 真由美
  所属学会 日本麻酔科学会
  認定資格 麻酔専門医、日本周術期経食道心エコー認定医
  専門分野 全身麻酔
 
Ⅲ 研修概要
1.研修目標
   滋賀医科大学麻酔科としての教室の理念は、麻酔関連の専門医への研修プログラムの提供である。将来、麻酔の専門医、ICUの専門医、疼痛診療の専門医をめざす研修ができる場である。グローバルスタンダードの医療レベルに効率的に達することができ、かつ自立を目指して個人の能力と判断力が発揮できる研修の場とする。優秀な人間味のある多数の指導医の元での研修を提供できる場でもある。
 こうした理念を目標としてほしい。

 

2.研修スケジュール
   スーパーローテーターにおいての麻酔科研修は研修スケジュールに含まれている。まずは麻酔科標榜医をめざすスケジュールである。

1)1ヶ月目
 麻酔指導者とともに麻酔管理にあたることにより、チーム医療としての麻酔科医の役割を把握し、手術室と日常使用する機器、薬剤になじむ。

2)2ヶ月~3ヶ月目
 担当する全身麻酔症例あるいは硬膜外麻酔や脊椎麻酔の症例の術前診察、術前評価、前投薬の指示を行う。その問題点について麻酔指導者の助言のもとに対策を検討し、麻酔管理を行う。また、術後の回診を定期的に行う。

3)4ヶ月~6ヶ月目
 比較的全身状態のよい患者を対象とした症例において麻酔指導者のもとでほぼ独立して麻酔管理を行う。この中には全身麻酔のほか腰椎麻酔、硬膜外麻酔が含まれる。また、ICUにおける術後管理への参加、基本的な救命処置等を含めて安全に麻酔管理を行う。

 

  <麻酔科専門医をめざす専門プログラム>
 医師に主体性を持たせ、麻酔管理の実際を研修させる。即ち、患者の術前評価とこれに基づく麻酔法の決定、さらに実際の麻酔管理を麻酔指導者の助言のもとにほとんど独立して行う。

1)比較的全身状態の良好な患者の一般的な手術において、麻酔管理を安全に行い得る能力を習得する。更に一定期間後、特殊状態の麻酔、胸部手術の麻酔、全身状態の悪い患者等、より専門的な麻酔能力を要求される麻酔を適当な麻酔指導者とともに施行する。目標としては全身麻酔150例、硬膜外麻酔50例、脊麻50例以上を12ヶ月に渡って経験することを目標とする。その中には救命手術の麻酔も含める。

2)ICU
 麻酔後、ICUに入室する患者の人工呼吸管理などに参画する。

3)ペインクリニック
 麻酔科外来における診療や病棟におけるペインクリニック的治療に参画する。ペインクリニックの基本的ブロックを習得する。術後の疼痛管理にも参画する。

4)学会発表など研究、教育にも積極的に参画する。

 

3.関連病院
  市立吹田市民病院: 一般病院の麻酔
  公立甲賀病院麻酔科: 一般病院の麻酔
  市立堺病院麻酔科: 一般病院の麻酔
  滋賀県立小児保健センター麻酔科: 小児麻酔
  市立長浜病院麻酔科: 一般病院の麻酔、心臓麻酔、ICU
  大阪母子保健医療センター麻酔科: 小児麻酔、NICU、産科麻酔

 

4.カンファレンス・抄読会
  週1回 月曜日

 

5.業務の週間予定
  月曜日 麻酔業務、麻酔科外来(術前診療とペインクリニック)、医局会
  月曜日午後 教授回診
  火曜日 麻酔業務
  水曜日 麻酔業務、麻酔科外来(術前診療とペインクリニック)
  木曜日 麻酔業務
  金曜日 麻酔業務、麻酔科外来(術前診療とペインクリニック)
  土・日曜日 麻酔業務(緊急麻酔の副直として参画)
  新人レクチャー:指導者によるプログラムに基いた講義
研究発表会:麻酔科同門会(年1回)、滋賀麻酔ペインクリニック研究会、その他認定された学会多数

 

Ⅳ 研修実績
1.認定資格の取得実績
  麻酔科標榜医、麻酔科専門医、麻酔科指導医、日本ペインクリニック学会専門医、心臓血管麻酔専門医

 

2.修了後の進路
  主に関連病院へ進む。更なる研修としては、子どもの症例、心臓の症例を求めての他の病院への進路は可能。

 

Ⅴ 診療グループ情報
1.外来患者数
   1日あたりの外来患者数は25~40名程度で、外来患者数は平成13年度から3000人を越え、平成15年度からは5000人を越えるようになり、飛躍的に伸びている。ペインクリニックの認知度が高まるにつれて、毎年患者数は増加しており、最近ではインターネットで調べて、来院する患者も増加している。

 

2.入院患者数
   入院患者は平成11年から4年間は年間450~520人ほどである。最近では透視下インターベンション治療のための短期入院が多い。

 

3.手術件数・検査件数
   透視下の神経ブロック治療は現在年間400~500例程度行っている。月、水、木曜日の午後は放射線科、手術室で、X線透視下の神経ブロック治療を行っており、水曜日は手術室で、硬膜外内視鏡による神経剥離術などの手術療法、手術に準じた治療を中心に行っている。木曜日は午後1時から5時まで、日帰りの治療を含めて、放射線科のX線透視室で透視下の神経ブロック治療を一日6件~8件行っている。今年度中には週13件~15件件程度の透視下神経ブロック治療を施行していく予定である。

 

4.経験可能な疾患
   当科初診患者のうちわけは、当院整形外科、他院整形外科から紹介される椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの脊椎疾患の患者が最も多く、ついで帯状疱疹後神経痛、CRPSなどの神経因性疼痛である。また癌性疼痛のコンサルトが増加してきたため、木曜日の午前中に癌性疼痛の緩和ケア外来を開設し、主にオピオイドや鎮痛補助薬の使用法、副作用対策などを中心に指導している。また適応があれば腹腔神経叢ブロックなどの神経ブロック療法なども行っている。

 

5.経験可能な手技
   心臓麻酔、小児麻酔、伝達麻酔、産科麻酔、開胸手術麻酔、脳外科の麻酔、救急麻酔、各種神経ブロックなどを行っている。特徴的な麻酔、神経ブロックとして
  1)心臓血管手術の麻酔症例が多い。
 冠動脈バイパス手術や弁膜疾患など後天性心疾患に対する麻酔が確立し、症例数が多い。

2)伝達麻酔症例が多い。
 伝達麻酔症例が多いため、研修内容が充実している。

3)慢性疼痛疾患への治療
 高周波熱凝固、各種神経ブロック、電気痙攣療法など高度先進医療を実施している。放射線科、手術室で、X線透視下のあらゆる神経ブロック治療を年間400~500例程度行っている。三叉神経痛に対しては三叉神経節(ガッセル神経節)の高周波熱凝固法、Pulsed-Rによる治療を行っている。癌性疼痛に対する腹腔神経叢ブロックやバージャー病、レイノー病、ASOに対する交感神経ブロックも多く行っている。手術療法は硬膜外内視鏡による治療を中心に行っている。

4)MRI-guided surgery(MRIの中での手術)の麻酔法の開発を進めている。

 

6.主な研究分野
  北川 裕利
 1)基礎研究 麻酔薬・麻薬・低体温の心臓自律神経終末機能に及ぼす影響
心臓交感神経は心臓に分布し、その神経終末よりノルエピネフリン放出と再取り込みにより心機能が調節されている。我々はこの神経終末機能が麻酔薬や麻薬、低体温によりどのように影響を受けるのかについて調べている。

2)基礎研究 麻酔薬の心筋虚血再灌流傷害保護効果とそのメカニズムの解明
吸入麻酔薬が心筋保護効果を有することが1997年に発見されて以来、麻酔薬の臓器保護効果について盛んに研究が行われてきた。私達は単離心筋細胞を用いた細胞レベルの保護効果、心拍動下ラット心筋による保護効果について調べ、最終的に臨床に応用できる麻酔法を開発したいと考えている。

3)臨床研究 全身麻酔患者の経食道心エコーによる心臓評価
心臓麻酔時の経食道心エコーの普及は麻酔下患者の心機能の形態学的評価を可能にした。我々は心臓血管手術時に行う評価が術後心機能にどのような影響を及ぼすのかについて検証することで、予後の改善を目指している。


4)新しい挿管デバイスを用いた気道管理の取り組み
挿管困難症は古くからある問題で、いまだ解決されていない麻酔関連合併症である。我々は最近発売されたビデオ喉頭鏡がその合併症を減らす有力な武器と考え、実使用法に関する情報を多岐にわたって収集している。最終的には本デバイスを日常的に使用して挿管困難症例に遭遇しなくなることを目標としている。

 
 
福井 聖
 慢性疼痛患者、CRPSを中心とした神経因性疼痛患者のMR Spectroscopy(MRS)による局所脳神経機能の研究を中心に行ってきた。また椎間板性腰痛に対するIDET(椎間板内高周波熱凝固法)などの新しい Interventional Pain Treatmentの効果、QOLに対する効果をSF-36、ローランド障害スコア等で行っている。
 
 
瀬戸 倫義
1)麻酔分子メカニズム
 分子間相互作用のレベルでの麻酔メカニズムを研究しています。手法としては、物理化学的手法(磁気共鳴、高圧下の光スペクトル)を用いて、水素結合や麻酔薬の分子運動をとらえ、麻薬サイトと麻酔薬の相互作用を明らかにしていきます。また、高圧下の実験により、タンパク、麻酔薬の相互作用がもたらす体積変化、即ち、麻酔薬によりタンパクがunfoldするのか、あるいは結合部位にfitするのかという手法から、「麻酔薬が特異的に作用するのか、非特異的に作用するのか」という30年来の論争に終止符を打ちたいと思います。立命館大学工学部の溶液物性研究者との共同研究も進行中です。

2)交流磁場下の生体計測
 MRI下に体温の計測を確立した。心電図、血圧の計測にもチャレンジしたい。
  小嶋 亜希子
 麻酔薬(吸入麻酔薬、静脈麻酔薬、麻薬)による心筋イオンチャネルの制御機構に関する研究を行っています。吸入麻酔薬は心室筋細胞のイオンチャネル、特にCa2+輸送タンパク質に作用して、心臓を傷害から保護することを明らかにしました。また、洞房結節細胞のイオンチャネルに対する麻酔薬の作用を詳細に調べ、麻酔薬の変時作用についても検討を行っています。これらの成果を論文・学会で発表した結果、2013年度の日本麻酔科学会で学会賞を受賞することができました。

 

7.施設の学会認定
   麻酔指導病院・日本ペインクリニック学会認定研修施設・日本心臓血管麻酔学会認定研修施設

 

8.国内・国際的評価(研究・診療分野・先端的医療)
  1)麻酔医事法制
 a 日本麻酔医事法制リスクマネジメント研究会事務局、世話人
 b 国内・国際学会での発表
 c 科学研究費取得

 

  2)麻酔の作用機序
 a 麻酔メカニズム研究会評議員
 b 国内・国際学会での発表
 c 科学研究費取得
 d 共同研究

 

  3)慢性疼痛メカニズム
 a 日本ペインクリニック学会評議員、滋賀麻酔・ペインクリニック専門部会幹事
 b 国内・国際学会での発表
 c 高度先進医療
 d ECT療法、高周波熱凝固療法、International Pain Treatment
 e 緩和医療スタッフ

 

  4)麻酔薬の心臓に対する作用の解明と、心臓血管外科麻酔の臨床
 a 心臓血管麻酔学会理事、京滋心臓血管術中心エコー研究会世話人
 b 国内・国際学会の発表
 c 科学研究費取得
 d 共同研究
 e 成人心臓麻酔と術中心エコー

 

Ⅵ メッセージ
1.コース長
  琵琶湖に代表される滋賀県にある医科大学です。近年、麻酔科研修は都市部の市中一般病院でという風潮ですが、研修対象症例数や指導医数と研修医数のバランスが実際には重要です。我々の施設では、研修医一人あたりの症例数や指導医数で決して他院に劣りません。さらに、私達は教育熱心な指導者を育てることも使命と考え、日々努力しています。我々と一緒に成長しませんか。研修終了後にはきっと差が…。 

 

2.教室員のメッセージ

目の前に倒れている人を助けたい君へ
   プロとしての救命処置の技量と知識を身につけられます。とっさの身の動きは、日々の実践から可能になります。

重症症例の管理ができる医師をめざす君へ
   あらゆる科にまたがる全身管理は麻酔科の独壇場です。さらに専門化したい人は集中治療部(ICU)へ進みます。

痛みに苦しんでいる人を助けたい君へ
   あらゆる痛み、悪性腫瘍などに関わるterminal careなどを扱います。さらに専門化したい人はpain clinicへと進みます。

全身管理ができる医師を目指す君へ
   呼吸・循環などの管理に自信がつきます。

意識・睡眠などの高次神経機能に興味ある君へ
   麻酔そのものです。今後の成長分野です。

 

Ⅶ 問い合わせ窓口
1.担当者: 北川 裕利 ・ 福井 聖 ・ 今宿 康彦

 

2.TEL: 077-548-2281   FAX: 077-548-2781

 

3.E-mail: 北川: hqanes@belle.shiga-med.ac.jp  福井: sei@belle.shiga-med.ac.jp
        今宿: imashuku@belle.shiga-med.ac.jp


〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町 TEL:077-548-2436 FAX:077-548-2832
事務局:滋賀医科大学医学部附属病院 医師臨床教育センター(旧卒後臨床研修センター)(E-mail: kensyu@belle.shiga-med.ac.jp)