- 聖書のPsalm 詩編114: 9 「Placebo:死者のための晩歌」“Placebo Domino in regione vivorum”
- Jeromeによって訳されたVulgate ブルガタ訳聖書(ヘブライ語からラテン語に翻訳した聖書) プラセボは、ラテン語での"I will please (placebo) the Lord in the land of the living" (私は満足するでしょう。 or 生きている人たちの領域で,私は主に気に入られるであろう *)に由来する。
(ブルガタ訳聖書は誤訳であり、I will walk before the Lord in the land of the living.(命あるものの地にある限り私は主の御前に歩み続けよう) * が正しい訳のようだが、誤訳されたことによって、現代の「プラセボ」という用語ができた。)
- 古くはカトリックの「死者のための祈り」の最初の語で、牧師や修道士達がこの祈りを使うのに金を要求して大衆を悩ませたからである。
- 後に葬儀で死者の棺の前で職業的に歌う「泣き屋」の意味から、14世紀以降には「こびへつらう」などの意味も含まれるようになったようだ。
- Geoffrey Chaucer (1340?〜1400) の「カンタベリー物語」の召喚吏の話に、これが出てくる。彼は、「私はこの世に生きて主を喜ばせたい (Placebo domino in regione vivorum)」で始まる賛美歌に言及して使った。
- 17世紀までには、患者にとってたいへん印象的であるが、作用を持たない薬物に対して、医師達がプラセボという言葉を使うようになった。
- 1621年、Robert Burton(P 1577/2/8〜1640/1/25, クライスト・チャーチ・カレッジ出身のオックスフォードの牧師 )が「The Anatomy of Melancholy メランコリーの解剖学 (憂鬱の解剖学)」の中で、「ある薬には効能がないが、強い独断と評価がある。」と書いている。
- 1755年のSamuel Johnsonの辞書には、プラセボという用語は載っていない。
- 1785年に、Motherby's New Medical Dictionary の第2版にプラセボという言葉が「ありふれた方法あるいは薬」として初めて載った。この辞典の2回改訂された後の版では、プラセボは効果も害もないらしい「気休め薬」となった。
- 1807年、Thomas Jefferson大統領の日記の中で、「私が知っている最も成功した医師の一人が、調合された他の薬よりも、パンの丸薬や着色したドロップとヒッコリの灰の粉を多く使ったと、私に確か言った。私はこれを敬虔な欺瞞と考える。」と書いている。 Jeffersonここで、欺瞞的なプラセボと、合理的なメカニズムによって作用するとその当時信じられていた薬を厳格に分けて書いている。この分割は今日まで続き、治療がプラシボであるか本物であるかが判断される。 →参考
- 18011年刊の「フーパー医学辞典Hooper's medical dictionary 」によると、ほぼ現代の定義に近づき、その記載は、「患者に恩恵を施すと言うよりは、患者を満足させるために使われる薬の総称」となっている。
|
- 現在では、プラセボ(偽薬)による効果には良いものも悪いものも両方あることが知られている。
- 治験においては有効成分を含まず、治療効果の無い薬を「プラセボ(プラシーボ)」または、「偽薬」と呼ぶ。
- プラセボには、の2種類ある。
| ┏active placebo---活性プラセボ:試したい薬ではないが薬としての作用を持つもの) |
| ┗inactive placebo---不活性プラセボ:薬としての作用を持たないもの |
|
- 開発中の評価の対象になっている新しい薬剤と、見かけは同じだが、実際の薬効成分は含まれていないプラセボとの効果を、無作為割付臨床試験 randomized controlled trialで、比較検討する。
- 開発中の薬を投与する患者群と、プラセボを投与する患者群(プラセボ群)を、二重盲検比較試験 2DBT:Double Blind Test、Double Blind Studyで、比較検討する。
(←→単盲検試験 SBT:Single Blind Test)
|