生理学って、いったいどういう学問なんだろう?
 
日本学術会議生理学研究連絡委員会(生理研連)は1997年に次のような提言を行った。すなわち、「生理学は、生体の機能を研究し、生体の仕組みと論理・法則を明らかにし、それらを生命へと統合する学問である。個々の分子、細胞、組織、器官、個体は、ある一定の固有法則のもとに機能すると共に、それらの間に水平的相互作用を結び、更には、異なるレベル間においても垂直的相互関係を結ぶ。統合とは、複雑系システムとしての生体認識のもとに、下位機能を上位機能へと組み上げていく態度を指し、生理学研究には欠かすことのできない姿勢である。」

生理学って、いったいどういう学問なんだろう?それをもう少し知りたいので、インターネットで、いろんな教室をのぞいてみました。

講 座 名 生理学とは? などなど
岩手医科大学/ /
第二生理
 生理学は生命現象のメカニズムを研究する学問であり、科学的手法を用いて機能面を重視する。その学習のためには種々の基礎的知識や技術を生かし、生命現象に内在する法則性を見いだすことで、さらに総合的な生命現象を論じることが大切である。(他)
福島県立医大/
第一生理
 授業の中では、生体現象ならびに生体のもつ統合能の例について自ら直接観察する機会を設けて、生体機能の発現機序を理解する過程を身に付けるべく、実験を行なって学ぶ実習コースもあります。(他)
日大//
生理学教室
講義では,人体を構成する細胞から個体に至る各レベルの構造と機能を教えています。講義内容は広範囲にわたるため,できるだけ専門分野で最先端の研究をされている方にお願いしています。実習は,生体機能学,口腔機能学の中で重要な項目を実際に観察することによって,生体の基本的な機能の理解を深めることを目的に行っています。(他)
日本医大/
第一生理
 ・・・・・しかしながら、基礎医学には臨床医学を学ぶための基礎という、医学教育上の便宜的な区分の他に、医学全般の発展の基礎を担っていくという重要な使命があります。基礎医学諸科目を学んで、医学の発展により如何に多くの人命が救われ、生活の向上が実現してきたかを実感したことと思います(例えばインスリンの発見を思い出して下さい)。同時にたとえば長寿の実現により老人性痴呆の問題が生じてきたように、医療の進歩は生命に関する応用科学である医学に絶え間なく研究課題を突きつけてきます。また、我々が興味を持っている脳の性差や性ホルモンによるムードの調節、一部の精神神経疾患の発症に見られる性差などの課題をとっても、基礎医学、臨床医学といった区分自体が意味を失いつつあります。・・・・・(他)
日本医大/
第二生理
 生理学は生体の持つ様々な機能およびその調節機構を理解するための学問であり、全ての臨床医学の根幹となる学問でもある。個々の機能を理解しその知識を統合することにより、初めて生命現象の多くを論理的に説明でき、生体全体が把握できる。(他)
愛知学院//
生理学
 身体の様々な働らき方がどんな機序に基づいているか、その仕組を学ぶのを目的としている。
 単一細胞の働らき方から出発して、各種臓器の働らきを理解する。そして、更に、臓器間の相互作用を学習することにより、個体の正常で健康な状態が各臓器系統のバランスのとれた相互関係の上に成り立っていることを知る。
 個体が疾病に犯された時の異常機能状態、即ち病態生理学tの一部についても学ぶ。(他)
富山医科薬科//
第一生理
 生理学の目標はいうまでもなく生体の機能解明にあり、生体の正常な働きや生命現象の基本機構を追及する学問です。
・・・・・ (1)-(2)-(3)-(4)-(5)・・・・ 生体には、これらの機能を担う特殊臓器(脳、筋骨格系、消化器、呼吸器、肝臓、腎臓、心血管系)があり、それぞれの機能を遂行しています。
さらに、これら各機能系は、相互依存により複雑に絡み合い、干渉し合っています。
当大学における生理学講義では、これら各臓器の基本機能を学習するとともに、これら複雑に絡み合っている各機能系全体を統合している中枢神経系の基本的なメカニズムを理解することに重点を置いています。(他)
金沢大//
第一生理
 生理学とはどのような仕組みで私達の体が正常に機能しているのかを追求する学問です。心臓、肺、肝臓、腎臓を始めとして人体のさまざまな器官は、たくみに機能しており、それらの働きは驚くほど精妙に調節されています。
 皆さんが金沢大学医学部に入学すると、2年生の9月から生理学の授業が始まります。生理学第一講座では、中枢神経系を除くほぼすべての分野を担当します。生理学は、高学年になり病気の成り立ちや治療法を学ぶ上で、ぜひとも深く理解しておかねばならない分野です。私達は体の機能を各臓器のレベルで、臓器の機能を臓器を構成する個々の細胞のレベルで、さらに細胞の働きを細胞を構成する分子のレベルで解き明かしたいと考えています。さらに、各臓器の働きを調和のとれた滑らかなものにするための各臓器間の相互作用を明らかにしたいと思います。(他)
金沢大//
第二生理
(生理学の説明ではないですが)
 諸君は毎日受験勉強で忙しいことでしょう。一度憶えたはずの英単語や歴史の年号を、すぐに忘れてしまって、何度も憶え直してそれでも忘れてしまう悩みはありませんか。もしも記憶のメカニズムが解明されて、何でもたやすく憶えることができるようになればどんなに良いだろうなと思うことがあるでしょう。私達も同じ思いで記憶の神経機構の研究に取り組んでいます。
 脳の中には沢山の神経細胞(ニューロン)があります。ニューロンはそれぞれ突起を伸ばして他のニューロンに結合し、信号を送ります。この結合部分は信号を伝えやすいよう特殊な構造をしており、シナプスと呼ばれます。シナプスを介してニューロンが結合しているので、脳の中には多数のニューロン連鎖や回路が存在しています。私達がある事を憶える前と後とを比較すると、脳の中の何かが変化しているはずです。何が変化しているのでしょうか。そしてその変化をどのようにして見出すことができるのでしょうか。
 パブロフの条件反射の話を聞いたことがあるでしょう。犬に音を聴かせて餌を与える訓練を繰り返していると、音の刺激だけでも唾液が出るようになることをパブロフは発見し、動物を使って記憶を研究する新しい方法を開きました。パブロフは訓練が原因となって脳のニューロンの突起が伸びて新しい神経回路が生ずると考えましたが、成熟した動物では新しい神経回路が作られないことは今ではよく知られています。
 新しい神経回路ができるのではないとすれば、記憶はどのようにして作られるのでしょうか。最近は脳のシナプスの信号伝達能力が変わることによって記憶が生ずると考えられています。条件反射の訓練を受けると、あるシナプス群の働きが増強したり、減弱したりする。その結果、そのシナプス群を含む脳の回路の情報処理の仕組みが変わり、同じ刺激に対して訓練前とは異なる演算結果を出す。つまり唾液の分泌を起こすようになると考えるのです。
 では、どのような変化がシナプスに生ずるのでしょうか。この問に分子レベルの答を出したい、というのが私達の望です。条件反射の訓練をしている動物の脳中のシナプス(直径約1μm)の物質変化を分子レベルで調べるのは、大変困難です。幸なことに脳組織の一部を人工液中に取り出して電気刺激をした場合にも、シナプス伝達能力はいろいろな時間経過の変化を示します。現在はこのような現象に対しても、分子レベルの解析はできていません。私達は、まずこのような現象の検討を行って、次に記憶との関係を求めようと努力しているのです。
 シナプスに関する研究をはじめ脳の研究は未知な領域が多く、今後ますます発展すると期待されている分野です。「21世紀は脳の世紀」とも言われています。諸君が金沢大学医学部に入学され、諸君のうちから21世紀の脳研究を担う研究者が育つことを切望しています。(他)
近大//
第一生理
 医学の基礎として、人体の機能をより良く理解することが出来る様に分析的知識だけではなく、諸機能の関連性、統合をも重視して教育を行う。これらが人体の諸機能が進化・分化の過程で如何なる意味を礎となれば幸いである。主として神経系、感覚器系の機能について講義及び実習を行う。講義内容は基本的事項の理解と、適切なものの考え方の養成に重点をおく。場合により実際的事項については実習時に小グループで教育を行うこともある。医学教育研究及び医療の近代化に併い、医用工学の知識が医師に対して要求されている現状から、最も関連の深い分野として、授業時間の一部を医用工学の講義及び実験示説にあてる。生理学のみならず、将来の医学の実践において有用と考えられるからである。(他)
 到達目標は人体の機能、殊に神経、感覚系の各機能と、その相互の協関について「基本的事項を理解」することである。したがって個々の事柄をばらばらに暗記することでは目標を達成しえない。解剖学、生化学との関連性も充分に把握してもらいたい学生の理解度をたしかめながら講義をすすめる予定である。
近大//
第二生理
PBLテュートリアル形式での生理学教育を考える懇談会(報告)
岡山大学//
口腔生理学講座
 生理学とはヒトの身体の持つ様々な機能(はたらき)を究明する自然科学の一つである。具体的には、我々の身体を構成している細胞、組織、器官のはたらきを運動力、電気、光、熱などの物理的現象を手がかりにして理解しようとする学問である。口腔生理学の講義と実習をとおして、生理学を良く理解し、病気にかかったときの変化を知ることができるようにしていきたい。
川崎医科大学/
生理学
 生理学は、生物の機能とその発現機構について、科学的に研究する学問である。医学部学生に対する教育としては、実験動物において得られた所見についても講義するが、究極的には、人間における機能とその発現機構を念頭に置いている。すなわち、学生一人々々の体内において、現に発生していることとして生理学的知識を理解させるように努力している。また、将来、臨床医として患者さんを診察する時、その体内で発生していることを明確に理解できるように、正常との対比において病態生理の基礎的事項も理解できる様にしている。
徳島大学//
第一生理
概要
 生理学は生命現象を物理化学的基礎と方法に基づいて究明する学問である。従って、一般生理学について広い観点から生物に共通する現象や法則性を述べる。さらに医師を育成することが主目的であるから、一般生理学の基礎に立って人体生理学を解説する。人体生理学は、動物性機能と植物性機能におおきく分けて把握されている。当教室では植物性機能を担当し、血液、呼吸、循環、腎体液、消化吸収、内分泌、自律神経および体温調節に関する生理学について、それらの基本的知識に重点をおいて理解させる。
一般目標
 1.人体生理学を習得させ、医学生に必要な科学的態度を養う。
 2.病態生理が理解できる能力を身につけさせる。
 3.生理学実習では自らの手で生理学実験を試み、生理学の理解を深めさせる。
徳島大学//
第二生理
概要
 われわれが外界の状況を認識したり、必要な運動を行うための機能や精神神経活動の生理学的基盤を理解するために、まず神経・筋・シナプスの働きを学ぶとともに、さらに中枢神経系(脳・脊髄)の機能、感覚・運動機能、本能・情動行動および高次神経活動について学びます。実習では動物実験および人間を被験者とする項目の実習と観察に基づいて生理学の概念や講義内容が理解出来ることを目指しています。
一般目標
 1.ヒトおよび動物の正常状態における生体機能の調節・制御、情報伝達・処理、適応行動、高次機能などについて、神経・筋系が果たす役割を理解する。
 2.生体が異常な状況にさらされた場合の反応から、その病態生理における神経性要因の関与について理解できる能力を身につける。
徳島大学//
口腔生理
動物性機能/ 植物性機能/ 口腔領域
産業医大/
第一生理
【一般目標(GIO)】
 正常な生体機能がどのような機序で発現し、維持されているかを統合的に理解する生理学の分野のうち、第1生理学教室に関しては特に、動物性機能について理解を深める運動、感覚、自律機能さらに高次機能等についての基本的概念と基本的知識を体系的に把握する以上の知識を基として、生体機能の恒常性維持の観点から、これらの概念、知識に基づき人体機能を統合的に理解する
 生理学は論理を重視する学問であり、単に現在知識を身につけただけでは将来医学における未知の問題に対処することができないことを理解する
 実験の方法論や実験結果を分析し、結論を生み出す論理的な思考能力を身につける産業医学における諸問題の解決や予防のために果たす役割を理解する
【行動目標(SBO)】
 神経・筋における膜の興奮性に関する基本的メカニズムをイオンチャネルと関連づけて説明できる
 感覚器における刺激受容と情報処理機構を受容体と細胞内伝達機構と関連づけて説明できる
 生体信号の末梢・中枢内での情報伝達機構を神経回路網の解析を基礎として説明することができる。
 運動の形成と制御が中枢神経系のいかなる機能によって達成されているかを列挙することができる
 生命維持にとって最も基本的な自律機能(循環や呼吸など)調節に果たす自律神経系の働きと液性調節との連関を列挙できる
 個体維持・種族保存に不可欠な情動・本能行動の発現機序を例を挙げて説明することができる
 認知、学習、記憶など高次機能が形成される過程およびストレス、睡眠と覚醒などのメカニズムを説明できる
鹿児島大//
第二生理
 医学生は、6年間で共通教養科目、基礎医学、臨床医学、社会医学を学びますが、生理学は解剖学、生化学、薬理学とともに生理系基礎医学に属します。生理学では、人体(あるいは動物)の機能について、遺伝子分子レベルから個体レベルまで、呼吸系、循環系、神経系などすべての臓器(系統)について学びます。生理学講座は第一と第二がありますが、呼吸系や循環系などのいわゆる植物機能については主に第一講座が、神経系、運動系などのいわゆる動物機能については主に第二講座が担当します。