滋賀医科大学では、本学学生※からの要望を受け、医学部附属病院母子女性診療科外来に「HPVワクチン接種特別枠」を設置し、滋賀県内の大学に通う学生や一般市民の方を対象に、男女問わず、希望者への接種を実施しています。
※関西の医学生を中心とした学生団体「Vcan」に所属する学生。学生団体「Vcan」では、HPVワクチンの正しい知識を広める活動に取り組んでいます。
●Vcan | すべての若者のためのHPVワクチンについての教科書
日本では毎年約1万人以上の女性が子宮頸がんと診断され、年間約2,900人が命を落としています。子宮頸がん(上皮内がんを含む)に罹患する女性の約38%が20~30代です。
子宮頸がんの発症を予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種については、2013年に12⁻16歳の女子を対象に開始されましたが、接種後に報告された多様な症状等について十分に情報提供ができない状況にあったことから、2013年から2021年まで、HPVワクチンの接種を推奨する取り組みが差し控えられていました。
その後、安全性について特段の懸念が認められないことがあらためて確認され、2022年4月から接種の推奨が再開されましたが、接種の推奨を差し控えていた期間に定期接種の対象であった方々の中には、ワクチン接種の機会を逃した方が多く存在します。
こうした方々に公平な接種機会を確保する観点から、キャッチアップ接種の制度(2022年4月~2025年3月までの3年間、対象者は公費でワクチンが接種できる制度)が設けられています。