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学長メッセージ
 
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滋賀医科大学長:馬場忠雄
Tadao Bamba
E-mail: gakucho@belle.shiga-med.ac.jp
   
入学式式辞
 
平成26年4月4日
学長 塩田 浩平(しおた こうへい)
 

 本日ここに、ご来賓各位ならびに本学教職員の方々にご臨席いただき、平成26年度滋賀医科大学入学宣誓式を挙行できますことを、心よりうれしく思います。

 滋賀医科大学に入学された医学科100名、看護学科70名の皆さん、おめでとうございます。また、これまで物心両面で献身的に支えてこられたご家族の皆様にも心からお慶びを申し上げます。

 この冬は殊の外寒さが厳しく、また豪雪に見舞われた地方もありましたが、その中でたゆまぬ努力を続け今日を迎えられた皆さんの喜びはひとしお大きいものと思います。本日のこの清々しい緊張感を忘れず、これからの6年間または4年間、医学と看護学の勉学に打ち込んでください。皆さんをここまで育んでくださったご家族の皆様、指導し励ましてくれた先生方、また、互いに切磋琢磨したすばらしい友人の方々に感謝していただきたいと思います。

 大学院博士課程へ進学された28名、修士課程へ進学された14名の皆様、ご進学おめでとうございます。皆さんには、医学・医療や生命科学の目覚ましい進歩の中で、先進的な医学・看護学の研究にチャレンジし、大きな研究成果を挙げて医学と看護学の進歩に貢献されることを期待しています。

 滋賀医科大学は、今年創立40周年を迎えます。わが国の大学の中では若い方に属しますが、本学は今まさに発展の途上にあり、これからの飛躍のためには優秀で意欲ある若い皆さんの力が不可欠であります。40歳は人間では「不惑」の年に当たり、迷わず自らの道に邁進すべきとされる時期であります。これまで多くの先達が大変なご苦労の中で築き上げてこられた礎の上に、学内の力を結集して更に大きな発展を期したいと考えています。新しく滋賀医科大学の一員となられた新入生の皆さん、そして保護者の皆様のご協力を心からお願いいたします。


 学部へ入学された医学科と看護学科の皆さん、皆さんは医師・看護師となり、あるいは医学・医療の研究を行おうという決意をもってこの滋賀医科大学へ入学されました。医師・看護師という職業はいずれも、病める人を助け、治療し、自らの手と能力で人類の健康と福祉の増進に貢献できる、重要でやりがいのある仕事です。卒業後に立派な医師・看護師として活躍できるように、充実した大学生活を送り、真の実力を身につけていただきたいと思います。

 大学での学習は、単に講義を聞いてその内容を暗記し試験に通ることが目的ではありません。これから皆さんに要求されるのは、学んだことを咀嚼し、自らの頭で考え、わからないことは調べて、自分で解決法を見いだすことであります。これは、到達目標がはっきりしていた高校までの勉強とは根本的に異なるところです。勿論、医学や看護学の内容は、まず記憶しなければならないことが非常に沢山あります。しかし、その知識をもとに、ぜひ自分で深く考えるという習慣を大学時代に身につけてください。論語の中に「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆し」という孔子の言葉があります。その意味は、『物事を勉強するだけで自分の頭で考えることがなければ、本当の知識は身につかない。一方、自分で考えるだけで先生や書物から学ばなければ独断・独善となり危険である』ということです。

 いま、世の中には情報があふれ、必要な情報は居ながらにしてすぐ手に入る時代になっています。わからないことは即座にインターネットで検索するのが多くの人の習慣になっているかもしれません。しかし、皆さんが将来仕事をする臨床の現場では、一人一人の患者さんが個性をもった人間であり、体や病気の状態も教科書通りではありません。その意味で、医療の実践は一例一例が応用問題なのです。いかなる状況でも、難しい応用問題に自信を持って対処できるように、基礎的な学識とそれを応用する能力を大学時代にしっかりと身に付けていただきたいと思います。

 20世紀前半に活躍したイギリスの詩人・劇作家であり、1948年にノーベル文学賞を受賞したT. S. Eliotは、詩劇『The Rock』(1915)の中でこう言っています。
   Where is the knowledge we have lost in information ?
   Where is the wisdom we have lost in knowledge ?
 我々は大量の情報( information)にさらされ、本当に必要な知識(knowledge)を見失っているのではないだろうか。また、知識を重視するあまり、本当に必要な「知恵(wisdom)」を我々は失っているのではないか、という指摘です。我々は、手軽に情報を得たことで自分が物事をわかったつもりになってはいないか、常に反省する必要があります。大学では、与えられた事柄を鵜呑みにするのではなく、それを基礎にして自らの考えを確立し、批判精神と正しい判断力を身につけるための勉強をぜひ心がけてください。

 医学と医療は日進月歩で、新しい発見や治療法の開発が次々と進められ、医療は加速度的に進歩しています。これは、近年のiPS細胞研究など再生医療やロボット手術などの例を見てもよくわかるでしょう。将来、皆さんが医師や医療スタッフとして活動していく中で、学生時代に学んだことのない新しい診断法や治療法が沢山出てきます。また、皆さん自身がこうした医療のイノベーションに関わる機会も少なくないと思われます。その意味で、皆さんはこれから一生が勉強の連続であります。

 時代はいま激しく変化しており、科学や医学の分野における進歩は勿論、政治・経済、社会構造なども激動しています。そのような時代において、皆さんの将来は平坦ではないけれども、限りない可能性を秘めたものであります。そのような将来に自らの力を存分に発揮できるだけの実力をぜひ若い時代に身につけ、大きな夢を持って、困難な課題にも果敢にチャレンジしてください。

 もう一つ、新入生の皆さんに要望しておきたいことがあります。皆さんの多くは、将来、医学の実践の最前線で仕事をすることになります。そのときに重要なのは、健康な体、強靭な精神力、そして深い教養と豊かな人間力です。そのためにも、これからの大学の数年間をどう過ごすかは極めて重要です。大学時代には、スポーツを楽しみ、文学や芸術にも親しみ、多くのよい友人を作ってください。滋賀医科大学における皆さんの大学生活が充実して楽しいものになることを心から願っています。
 さて、大学院博士課程ならびに修士課程へ進学された皆さん、皆さんが大学院においてこれから行おうとする研究は、それぞれの専門分野の最先端を追求すると同時に、次の時代の学問の新しい地平を切り開く仕事になります。20世紀の研究においては、学問分野の専門分化が進み、研究手法の進歩とも相まって、それぞれの分野で詳細な研究が進展しました。 20世紀半ばには、物理化学が生物学と結合して分子生物学が起こり、生命現象の解明やゲノムの解読が進みました。20世紀後半はまさに生命科学の時代であった、と言えます。その発展が今日のゲノム創薬や再生医学の進歩をもたらしたのです。しかし、限りなく細かく研究を進めていく要素還元的なアプローチが、ある意味で曲がり角に来ています。いま求められているのは、研究における既成概念を打破する斬新な発想であります。皆さんは、ぜひとも新しい時代を切り拓く個性的な研究を行う、という気概を持って研究にチャレンジしてください。研究は、苦難が多く、競争も激しい世界ですが、それだけにやり遂げたときには大きな達成感と喜びを感じることができるのです。皆さんの奮闘を期待しています。

 研究において重要なことは色々ありますが、ここでは、研究者の倫理について皆さんに考えていただきたいと思います。研究者は高邁な理想と高い倫理観をもって日夜研究に励んでいるというのが、一般の人々の受け取りであり期待でもあろうと思います。しかし、昨今わが国で医学研究を巡って話題になっているいくつかの事例は、残念ながらこうした期待を裏切り、大多数のまじめな研究者の信用を傷つける結果になっていることを誠に遺憾に思います。謙虚な気持ちで研究を行い、その結果を正しく評価できるだけの学識と科学的素養を身につけてください。競争心や功名心と無縁に研究を行うことは今の時代には難しいかもしれませんが、常に研究者としての良心、正しい倫理観、そして自分の目で確認した結果だけを信じるという、研究者としての基本的態度を忘れずに研究を行ってください。その意味で、大学院時代は、研究者としての基礎的な能力を獲得するためのトレーニングの期間であると同時に、科学者としての素養と心構えを身につける、極めて重要な時間でもあります。皆さんが素晴らしい研究成果を挙げ、大学院生活が真に実り多いものになるよう、願っています。

 新入生の皆さん、我々が皆さんの将来に期待する所は非常に大きなものがあります。どうか初心を忘れることなく、健康で充実した大学生活、大学院生活を送ってください。
 本日は、誠におめでとうございます。
 
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(学長専用メールアドレス:gakucho@belle.shiga-med.ac.jp
学長就任の挨拶 (平成26年4月1日)
   
歴代の学長挨拶
 
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