今回は適応免疫の特徴について解説します。適応免疫の特徴といっても、Bリンパ球やTリンパ球の性状についてです。これらの細胞には次のような特徴があります。
これらは自然免疫にはない特徴で、これから順番に話していきます。
獲得免疫を担当するBリンパ球とTリンパ球において最も重要なことは、これらの細胞には抗原を認識するレセプターがあるということです。しかも、それぞれの細胞が別の抗原を認識する別々のレセプターを持っているということです。つまり、リンパ球ごとに担当する抗原が異なります。
このように抗原を認識するレセプターの種類が多いことを多様性といいます。また、それぞれの抗原に対応するレセプターが決まっていることを特異性といいます。このように多くの種類のレセプターができるメカニズムは今回は省略します。 例えばインフルエンザのワクチン(上の図の抗原B)を接種するとインフルエンザウイルスを認識するレセプターをもったリンパ球(リンパ球2)だけが増殖します。一方、自分の体(自己抗原)を認識するレセプターを持ったリンパ球(リンパ球5)は増殖せずに、体内から消去されるしくみがあります。