医学古書常設展示 滋賀医科大学附属図書館

8 . コ レ ラ 病 論

(70K JPEG)コレラ病論コレラ病論(46K JPEG)

新宮凉民・大村達吉・新宮凉閣訳  安政5年(1858)

  いわゆる安政コレラが猩獗をきわめた時期に出た専門書である。主としてモストのほか、何人かのコレラ論を紹介している。当時、「虎列剌」と書くのが一般的であったなかで、書名がかな書きであるのは漸新的である。急に落命することから「虎狼痢」ともいわれた時代であるが、この「痢」は下痢を兼ねる。
  京都南禅寺に医学教育施設「順正書院」を創設した新宮凉庭(1787〜1854)は有名であるが、新宮凉民はその娘松代の婿養子で、もとは優秀な門人・柚木舜民であった。
  また、新宮凉閣も田辺藩士・古河家より養子となった人である。この人は単著でも『虎[レ]羅記事』を出している。
  大村達吉は、当時京都で漢蘭折衷家を標榜し、新宮一族と親交のあった医師の一人である。


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Last updated: 11/18/96