さざなみ44(図書館報) | 滋賀医科大学附属図書館 |
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老いの心理学 ウルズラ・レーア著、滝川昇訳 |
六法出版社、1991. WT 145 Leh |
著者は、1954〜55年にフリードリッヒ・ヴィルヘルム大学(ボン)より、哲学博士および心理学の学位を取得後、ボン大学その他ドイツを代表する幾つかの大学の助教授・教授等を歴任し、1988年からは青少年・家庭・婦人および保健担当大臣の要職に就く傍ら、老年学分野の研究活動にも尽力してきた。
本書の序文の中で著者は、「・・・老いを欠陥モデルとする理解に反駁し、(すべての領域に通用する)全般的な能力の減退も、(すべての人々に通用する)普遍的な能力の減退も、(我々は)はっきり否定した・・・」、さらに「老いというものは存在しない――したがってそれについての普遍的な処方箋も存在しない!・・・老いとは個人的な過程(事象)である・・・」と論じる。
本文では、「発達心理学の観点から見た壮年」、「精神的能力の変化の問題」、「高齢者におけるパーソナリティ変化の問題」、「高齢期成人の特殊な問題」等といった内容で、自らの調査研究結果を引用しながら、多面的な視野に立って持論を展開している。
なお、訳者によれば、「原著はドイツにおいては勿論、全ヨーロッパにおいて多くの読者に感銘を与えた・・・」と紹介されている。
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Last updated: 1999/2/16