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医学教育の国際基準
―分野別認証評価の導入―
滋賀医科大学学長 
馬 場 忠 雄
1. 医学教育改革の経緯
国家戦略会議において、 大学教育改革が論じられている。 大学
生の質の確保や社会に役立つ人材の育成が求められている。 ま
た、 国際化に対応したコミュニケーション能力を向上する必要性
も指摘されている。 一方、 文部科学省においては、 平成
23年度の中
頃から、 大学の機能強化に向けた改革について各大学からヒアリ
ングを行い 省内にタスクフォースを設けて、
「大学改革実行プラ
ン」 を作り上げて、 国家戦略会議において文部科学大臣が改革方
針を述べた。 そして、
「大学改革実行プラン」 のもとに
24年度には、
教育系、 医学系、 工学系が先行して、 大学設立のミッションの見直
しとミッションの再定義を検討し、 平成
25年度には各大学がプラ
ンをま めることになっている。
医学教育を振り
で初めてスタートし
Problem Based Learning
(PBL)
は、
1990 (平成2) 年
PBLチュートリアル教育
医科大学に広がり、 臓器系統別
何らかの形で全大学がチュートリア
課題解決能力は、 医師に求められる思考
ある。 本学では、 少人数能動学習と呼んでい
12) 年度入学者からのカリキュラムに入れて、 20
14)
年から、 1グループ8~9人で、 学生が提示された
した問題を自らが解決する授業をチューターのもとに行
る。 
2001 (平成
13) 年
3月には 「
21世紀における医学及び歯学
教育のモデルコア ・ カリキュラム」 が提示され、 最新の生命科学の
著しい進歩による膨大な知識を整理し、 医師として学ぶべき基
本的事項が示された。 2010 (平成
22) 年には、 コアカリキュラ
ムは改訂され、 準備教育、 専門教育において学ぶべき事項と実習
の到達目標も記載されて、 医学教育 キュラム作成の基本とな
っている。 臨床実習開始前の学生の適切な評価システムの構築の
ため、 大学間の共用試験システムを
Computer Based Testing
(C
BT) により、 到達度を評価する第1回トライアルが平成
14年に、
また、 実技の評価に、 客観的臨床能力試験 (
Objective Structured
Clinical Examination :OSCE
) が平成
14年に同時に実施された。
そして、 医学生の知識や技能レベルの質の保証の一つに用いられ
ている。 本学においては、 CBTは2002 (平成
14) 年5月に、
OSCEは2000 (平成
12) 年に導入しているが、 それ以前の
1998 (平成
10) 年に、 すでに身体診察技能試験を行っている。
このように、 医学教育分野においては、 欧米の教育システムを
取り入れて、 教育の質の保証と国際化に向けた体制を常に意識
して 組んできた。
の認証
リカ医科大学協会の
定されてい
カ医師国家試験 (
背景には、 世界的に発
伴う医学国際
わち、 医学教育の国際基準においては、
ている。
みると、 臨床実習は医学 カリキュラムの1
っている。 また、
4年間の教育のうち、
はその半分の時間を当てることにな
は表2に示すとおりであり、
キュラム改正につい
考えられる。
。 大学は、
構や大学大学