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SH I GA I DA I NEWS v o l . 2 0
2. 国際基
2010年9月にア
Liaison
Committee on Medical Education
ま た は
World Federation
for Medical Education
(WFME) が決めた基準に
ない医学部の卒業生には、 アメ
Educational
Commission for Foreign Medical Graduates: ECFMG
) の受験を
2023年から認めないと宣言した。 こ
展途上国において、 医学部は
30~
50%増設されており、 また、 ア
メリカ、 英国、 ニュージーランドでは、 医師の約
25%が外国からき
た医師であることなどによって、 医師の国家間の移動
教育の質の保証が必要に ったためである。 医学部 教育
基準で認証によってECFMGの受験資格を規制し、 質の保
を担保すること ある。 FMGには、 表1に示すようにわが
国の受験生は毎年
80名以下であるが、 わが国には国際基準に認
証されている医学部は一つもない。
European Union
(EU) では、 欧州高等教育圏を目指し、 異な
っていた高等教育制度を認定するために
Learning Outcome
決めて、 各国の教育制度の質の保証を行う取組を行っている。 そ
して、 EU内では、 医師基準を相互に認めるようになってきてい
る。 す
Outcome Based
Education
が重要とな
WFME Global Standards
による
医学教育の内容
/3以上の時間数を
Association of American
Medical College
(AAMC) の基準では
クラークシップ (臨床実習)
っている。 わが国の臨床実習週
61
週以上は
12校に過ぎない。 本学は
55週である。 医学教育学会をは
じめ各種委員会や文部科学省との間でカ
て検討されており、 その内に提言が示される
次には、 医学教育の質の保証をどこで行うかであ
大学全体の教育研究等について、 大学評価 ・学位授与
基準協会などによる認証評価を受けてきたが、 医学部 ・医
の分野別認証評価を行う機関は、
わが国にはまだない。 今後、 早急
に解決されなければならないいろ
いろな課題であるが、 これらが解
決されて、 グローバル化に対応す
ることになる。
医学教育の改革は他の分野と
比較して、 早くから国際化に対応
した改革を行ってきた実績があ
るが、 今回についても医学部 ・医
科大学などの努力により可能と
なるが、 臨床実習をはじめとする
教育の質の向上には、 欧米並みの
教員数の増員が不可欠である。 こ
の機会に制度の導入だけではな
く、 制度を支える背景となる教育
基盤の充実が求められ 。
YEAR Japanese
Citizens
Graduates of
Japanese
Medical
Schools
2000
30
31
2001
37
37
2002
33
30
2003
68
65
2004
36
35
2005
81
83
2006
78
76
2007
66
67
2008
55
56
2009
72
68
2010
69
63
【表1】ECFMG受験者数の推移
(文部科学省高等教育局医学教育課)
【表2】
「平成21年度医学教育カリキュラムの現状」(全国医学部長病院長会議)
◆臨床実習の実施週数
(1週間=35時間として標準化)
大学数
30
25
20
15
10
5
0 1-10
1
15
27 24
8
4
11-20 21-30 31-40 41-50 51-60 61-70 71以上
週数
◆臨床実習の実施年次
1
7
4年次~5年次
4年次~6年次
5年次
5年次~6年次
7
64
(大学数)