・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

    

   組織検査とは、生体より採取された組織材料で作製された顕微鏡標本(組織標本)を用いて、病理医が臨床情報

 や組織所見を総合的に評価し,形態学的に診断を下すことです。

 滋賀医大病理部では、年間約7000件の組織診断が行われて います。

 主に手術材料や内視鏡検査、乳腺、肝臓、腎臓などの生検材料が用いられます。 

  組織検査を行うことにより悪性腫瘍(癌)腎炎肝炎肝硬変など各種病変の最終診

    断がなされます。

 病理部では、組織学的な病態に関して、臨床科と密に連絡を取りあい、適正な治療が

    行えるよう努力しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    標本作製過程→診断  (標本作製から診断報告まで約2〜3日程度かかります。)

1.切り出し 2.埋包 3.薄切 4.染色 5,封入
 採取された材料を適したサイズや形に切り取ります。  薄切するために埋包剤を浸透させたブロックを作製します。  細胞1個分程度の厚さ(2〜8μm)に薄く切り、スライドグラスに貼り付けます。  組織に色をつけることにより、細胞形態を見やすくします。  色落ちを防ぐために、カバーグラスをかぶせて、永久保存できるようにします。

6.診断

 作製された組織標本を鏡見し、所見および診断をつけます。

  → 各診療科へ報告(組織診断結果をもとに、治療にあたります。)

    内視鏡など外来等で採取された至急検体に関しては、翌日に結果報告します。

 

 

 

    染色法

 * 診断するために、目的に応じて、いろいろな染色法があります。 (当院で行っている主な染色法)

 1.細胞形態観察の基本的染色法

  HE(Hematoxylin-Eosin)染色

 2.結合組織(線維成分)の染色法    アザン染色(膠原線維)・EVG(Elastica Van Gieson)染色(弾性線維)・ PAM染色、鍍銀染色(細網線維)
 3.粘液・多糖類の染色   PAS反応 、アルシアン青染色
 4.アミロイド染色法   ダイロン染色

   HE染色

 アザン染色

  EVG染色

 PAS染色

 ダイロン染色

    免疫染色

 ・一般的な染色方法や特殊染色で診断が難しい場合には、細胞内で発現している特殊な蛋白を検出すること で細胞

  の性格を探ることができます。 その目的で用いられる染色方法が免疫染色です。

       詳細については→ 免疫染色のページへ