急性白血病について

 

急性白血病の分類    これはFABという少し古い分類ですが
                ご専門の先生方にはわかっていただけます。

 ◎急性リンパ性白血病(ALL:acute lymphoblastic leukemia)  L1.L2,L3

  急性非リンパ性白血病(ANLL: acute non-lymphocytic leukemia)

              急性骨髄性白血病M1(AML:acute myelogenous leukemia)未分化AML

      急性骨髄性白血病M2分化型のAML

      急性前骨髄性白血病M3(APL) 前骨髄球が白血化

      急性骨髄単球性白血病M4(AMMoL)骨髄芽球と単球の2系統の異常
                  M4E 好酸球増加をともなうM4

      急性単球性白血病M5(AMoL)  単球の幼弱細胞が白血化

                          M5a:未分化型 M5b:分化型

      急性赤芽球性白血病 赤白血病M6 赤血球をつくるもとの細胞が白血化

      急性巨核球性白血病M7 血小板をつくるもとの細胞が白血化

                        ダウン症児の方に多い。

 

急性白血病・急性リンパ性白血病について!

まずはじめに

          80%以上の患者さんがなおる可能性のある病気です!

 

  白血病という病名を一般の方が聞かれますと、「助からない病気ではないか」

とか  「ほとんどの患者さんはなくなってしまい、 もし、助かったとしても、ひどい後遺症に悩まされるのではないか。」といったイメージを持っておられる方があるかもしれません。

  でも、これは誤りです。

  こどもの急性リンパ性白血病の80%前後の患者さんは2年から3年くらいの治療でたいへん良い状態になり完治することができます。

  しっかりと治療をすれば、まったく普通の生活が出来るようになります。

学校にもそのまま行くことができます。スポーツだってすることが出来ます。

 

入院が長くなる病気ではないでしょうか

  治療期間は基本的に2年ないし3年となります。2から3年と聞くと、どなたも初めは絶望的に長いと感じられるようです。しかし、実際に入院しているのはこの内のはじめの方と、途中の強化療法と呼ばれる強めた治療の期間です。入院したり退院したりという繰り返しになります。(入院の長さや入退院の間隔などは病気の状態などにより若干異なります。)

  私たちは今まで治療した多くの患者さんのご家族の方に治療が終わってから、どうでしたか? と聞きました。

  すると、100%の方の答が治療を受ける前はとても耐えられないぐらい長いというイメージを持っていたのが終わってみるとあっというまでした。   というものでした。

  ☆ともかく、がんばって治療を受けることが大切です。そうすると治る病気です。

 

いったいどこが悪くなる病気ですか?

   白血病について簡単に説明しますと血液の中にある細胞のどれかが 癌(がん)化して増えていく病気です。

   血液の細胞(血球といいます)は一般的には骨髄といわれる骨の中の部分で造られています。白血病とは骨髄の中で白血病細胞(芽球と呼びます)という悪性細胞が増えてくる(増殖してくる)病気なのです。そして急性リンパ性白血病とはリンパ球と呼ばれる白血球の中の一つが白血病化して増えてきて、正常の造血細胞をやっつけてしまう病気です。T細胞といわれるリンパ球の1種では胸腺・・・胸の中央部の縦隔(じゅうかく)とよばれる部分の前方上部にあります。こどもでは大きく、成人では縮んで脂肪組織のようになってしまいます。・・・・から発生する場合もあります。

 

急性リンパ性白血病の原因

   まだ、よく判っていないところもありますが、

放射能の被爆やある種の薬剤 そしてEBウイルスやcRNAウイルスというウイルスによる感染、高圧線などの電磁波、殺虫剤などなどによるといわれます。

このうちEBウイルスによって起こるものをバーキット型といいます。多くはリンパ節が腫れるリンパ腫の形から起こってきます。以前は予後が悪かったのですが、非常に大量の抗がん剤を投与する大量療法によって、以前より予後がよくなっています。また、治療期間も6ヶ月ー1年とずいぶん短縮されています。

 むずかしい話になりますが、もともと血球系の若い細胞の染色体の上に小さな傷(ファーストヒット)があり、さらにそこにウイルスその他のなんらかの原因により染色体に損傷(セカンドヒット)が加わると、白血病が発症すると推定されています。

  また、一部には染色体のある部位が失われたり、逆に部分的に増える(付加)場合や特殊な染色体の転座などによる遺伝子異常がある場合Ph1フィラデルフィア染色体など・・・があります。

 

うつる病気ですか?  

   前の項目にあった各種ウイルスの感染などの原因は知らないうちにかなりの人に既に起こっています。しかし、一般には、0.003%以下の人しか発症しません。 逆に言えばうつる病気ではありません  なぜ、白血病にかかる人とかからない人がでるのかはまだ良く分かりません。

 

遺伝する病記ですか?

  一般的には遺伝しません。ルイバー症候群、ファンコニー貧血、ダウン症などかかりやすい病気はあります。しかし、明確な遺伝性はないようです。

 

かかる人の数はどのくらいですか?

  およそ10万人の15歳以下の子供に対して3.8人くらいです。

  日本全国で一年間におよそ800から900人くらいのこどもたちが発症しています。

 

急性という意味は?  

  この急性という意味は:白血病になっている血液の中の細胞が若い段階にあるものだ ということです。言い換えると、医学的に未分化(分化とは細胞が発達することだと思って下さい。)あるいは幼若ともいいますが、 血液を造る骨髄のなかで若い方の細胞が白血病にかかっている(白血化といいます)ことをあらわします。この白血病細胞芽球とも呼びます。         

 =ブラストと英語で呼びます。

  慢性白血病では発達した段階の血液細胞がたくさん出現しています。

病気の流れ(臨床経過)としては  一般的には 急性の方が早く

                               慢性のほうがゆっくり経過することになります。

 

リンパ性とは?

   血液細胞(血球)にはいくつかの種類があります。大きく分けると白血球、赤血球、血小板の3つにわかれます。

   このうち白血球はさらに5つにわかれますが、おもには好中球、リンパ球、単球の3つが主です。

   好中球(顆粒球ともいいます)は骨髄芽球(この場合は正常です)という細胞から発達しばい菌を食べたりします。

   リンパ球はリンパ腺(リンパ節)の中にいるものとおなじでT型、Bなどにわかれます。こどもの急性白血病の約80%はリンパ性です。リンパ球は免疫に関わっていてこどもではB型細胞の系列(プレカーサーB細胞あるいはB細胞)が白血病化する割合が60-70%でもっとも高く、T細胞は15-20%くらいです。型の判らないものも一部にあります。このうちB細胞性の白血病はときにリンパ節腫脹から発生してくる場合があります。また、T細胞性白血病は10歳前後男子に多く、貧血や血小板減少はほとんどないのに、芽球が何万もみられ、骨髄では多数白血病細胞が出現しているという例も見られ、白血病リンパ腫症候群LLS)と呼ばれます。これらの患者さんでは頚部リンパ節や縦隔が腫脹している場合がおおいです。

 また、比較的稀ですが1つの芽球に2つの種類のマーカー(たとえば骨髄性とB細胞性、など)が認められる混合型白血病mixed lineage leukemia(MLL)もあります。

   単球も顆粒球とおなじ骨髄芽球から発達しいろいろなモノカインという血球の刺激物質を出します。炎症にかかわります。

   赤血球: これは有名で血液の赤い色は赤血球の中のヘモグロビンという蛋白質に由来します。酸素を運んでいます。

   血小板:これは数ミクロンのとても小さな血球の一種で傷などからの出血を止める働きを持っています。

 

症状は?

   骨髄の中でどれだけ正常の血液細胞(血球)を造る能力が白血病細胞(芽球)によりおかされて置き換えられるか、によって症状が決まります。

  1) 血小板をつくるところ(巨核球という細胞が血小板を造っています)が芽球によってやられてゆくと・・・血小板数の減少・・・・出血がおこりやすくなります。

すなわち、皮膚の紫斑(出血斑) 鼻血、粘膜の出血斑、月経過多などがみられることがあります。活発なお子さんは足のむこうずねによく大型の出血斑(紫斑)が出現しますが、これが異常に多く見られるようになったり、ちょっとしたことで出現するようになります。

  2) 好中球(顆粒球)を造るところが白血病細胞におかされると感染を起こしやすくなり、よく熱を出します。 易感染性といいます。

  3) 赤血球を造るところがおかされると貧血がきます。
   貧血がくると顔色がうすく黄味ががった青白い色になり、元気・活気が無くなり、食欲なども低下します。心臓も早く打つようになり疲れやすくなります。

   また、骨の中で芽球がふえてくると骨の痛みや関節の痛みが出ることもあります。身体の中の芽球の数が多いとそれだけで熱産生が強まったりして微熱や炎症性のサイトカイン(物質)が産生される場合には、高い熱が出ることもあります。

  4)患者さんによっては脳脊髄液(脳や脊髄のまわりにある水)や睾丸への浸潤などが来ることもあります。

   脳脊髄液(リコール)に白血病細胞が出てくるとしばしば、脳圧があがり頭痛や嘔吐、痙攣や意識障害、ときに神経麻痺などをきたす方もあります。しかし、何ら症状がなく脳脊髄液検査をして初めて白血病細胞がリコールに増加していることがわかるお子さんもあります。

 昔は半分くらいのお子さんで治療終了後に中枢神経系からの再発が起こって(リコールに白血病が出てくることを白血病の髄膜浸潤あるいは髄膜白血病、または中枢神経白血病などと呼びます)いましたから、現在では、抗がん剤の髄腔内への投与(髄注といいます)や高リスクの患者さんの場合などは中枢神経系にリニアック照射(一種の放射線照射)を行い、中枢神経白血病の予防をすることがあります。

 

 5)男の子では睾丸に白血病細胞の浸潤が来る場合があります。硬く腫れ、皮膜が伸ばされると痛みの出ることもあります。

 6)先天性白血病(生後1ヶ月以内の発症)では皮膚の浸潤(皮膚の発疹や硬い結節)などの見られることもあります。


急性リンパ性白血病の分類

L1型  比較的小型の芽球(白血病細胞)で小児には非常に多いタイプです。

    治療にはよく反応します  頻度は84%くらいです。

L2型  大型で形が不整です小児には少なく成人に多いタイプです。

L3型  大型で核や細胞質に穴があいています。バーキット型と呼ばれます。

    リンパ腫の白血病化していることが多いタイプです。 4−5%

 

 

急性リンパ性白血病の治療法(これはあくまで参考のための例です。)

  オンコビン、副腎皮質ホルモンのプレドニン(ときにリンデロン)

ロイナーゼ、ピノルビン、ロイケリン、エンドキサン、アドリアマイシン、メソトレキセートなどといういろいろな抗腫瘍剤(抗がん剤)が使われます。

オンコビン(R):一般名ビンクリスチン 植物の根からとったアルカロイド系というお薬です。これを最大2mg以下の投与をします。
これを1週に1回静脈注射し、あとはいくつかの薬を使用します。ごく稀に異常な濃度の薄い尿が大量に出る病態SIADHや一時的な視力低下などもありますが、こどもでは通常よく使われるくすりです。1週1度の投与量を守っていれば副作用もほとんどありません。
副作用としては腸の神経の働きが弱くなり動きが悪くなったりすることがあります。便秘ときにイレウス(腸閉塞)などが見られることがあります。 しかし、一般にはしばらくするとよくなります。以前、イギリスやフランスで髄注のある日にオンコビンの静注があり、誤ってオンコビンを髄注したために死亡した患者さんが3名くらい出ました。このためUKプロトコールではオンコビンの注射日とメソトレキセートなどの髄注を1日ずらすようにしました。小児では幅広くいろいろな疾患に使われる基本的なお薬です。

ピノルビン(R):抗生物質系のアントラサイクリンといわれる薬の一種です。強力な抗癌作用がありますが、心臓の筋肉への障害作用(心筋症)があり予防目的でノイキノン、脂質代謝改善剤、ビタミン Eなどを併用します。 悪心・嘔吐・食指不振、肝障害、皮膚色素沈着などがあります。アドリアマイシン、ダウノマイシン、ミトキサントロン、エピルビシン、アクラルビシンなどは同系統のお薬です。心筋毒性はこれらの積算投与量に比例して起こってきますが、個人差があります。心筋毒性は一般的には不可逆性で一度おこってしまうともとにはもどりません。症状としては心不全がおこり、身体のむくみ、易疲労性、頻脈、心臓拡大・・・・・などがみられます。

ロイケリン(R):プリン代謝拮抗剤と呼ばれるものです。まれに肝臓障害がきます。
尿酸代謝拮抗剤のアロプリノール(ザイロリックR)と一緒に内服のときは2/3位に減量します。
骨髄抑制、このため各種血球減少、 米国ではP450関連の代謝酵素の活性値を測定し投与量を決めています。一種のオーダーメード医療(テーラーメイド)がおこなわれています。経口内服薬の粉薬です。

プレドニン:副腎皮質ホルモン(ステロイド)の1種です。食欲が出て、おなかがすきます。大変よく              食べて太ります。ですから、間食などは常に一定の量を与えるようにしましょう。

      太って顔が真ん丸く(満月様)なりますが、治療が終了すると、もとにもどります。

      感染症に弱くなったり、胃十二指腸潰瘍や高血圧  ときに緑内障(眼圧が上昇する):              目や頭をいたがります。 デキサメタゾンというステロイドも中枢神経などへの移行がよ く、中枢神経再発が少なくなるということで使われる場合があります。ただし、副作用の報告もあり本邦では使用は少なくなっております。

 

Lアスパラギナーゼ(商品名ロイナーゼ(R)Lアスパラギン酸という蛋白を分解する酵素製剤です。大腸菌に作らせた酵素を精製して薬とします。急性リンパ性白血病ではこの蛋白製剤のお薬がよく効きます。再発した場合でも非常によく効きます。一部の急性骨髄性白血病でも効く場合もあります。副作用としては蛋白合成を阻害するので、凝固因子(血液を固めるための蛋白)が造られなくなって低下し、出血やアンチトロンビンスリー:AT-IIIの低下をきたす場合があり、血栓が出来やすくなります。 この場合、新鮮凍結血漿やAT-III(エーティースリー)製剤などを投与し補います。また、ときにアナフィラキシーなどのアレルギーや膵炎を起こす場合があります。

 

メトトレキセート(メソトレキセート:MTX) 葉酸代謝の拮抗剤です。葉酸はビタミンB12の1種です。DNAの合成が阻害されます。強化療法で大量投与3−5g/m2や維持療法で200-500mg/m2程度を静注します。中枢神経白血病の予防のため定期的に腰から腰椎穿刺で脊髄腔内に注射します。(髄注)カリニ肺炎の予防に使われるバクタRとは1部作用が重複します。MTX投与中バクタは中止します。

 副作用は骨髄抑制(血小板、白血球、赤血球の低下)、肝障害、口内炎などが出る場合があります。ダウン症の方では口内炎は強く出る場合があります。

 

リスク分類

  白血病の危険因子といわれるものがあります。これにはたくさんのものがありますが、

おおまかには 年齢 1歳以下、10歳以上は予後がやや悪くなります。T細胞型もあまり予後が良くありません。(予後とは治療後の生存率と思ってください)、初診時の中枢神経浸潤、髄外浸潤・・・・

       また、初診時(はじめて病院で診断された日)の白血球数が多いほどよくありません(多くは10/μl)。このような危険因子を持ったお子さんには少し強めの治療が必要になります。この治療法をハイリスク型治療プロトコールと呼びます。

  成人のリンパ性白血病はこどもより予後が悪く しばしば、骨髄移植や臍帯血移植などが行われますが、小児の急性リンパ性白血病では移植を必要とするほど予後が悪くないことがおおいのです。

 しかし例外的に:  非常にリスクが高い白血病;例 乳児白血病、MLL遺伝子あるいはPh1陽性急性リンパ性白血病など、 あるいは再発などの場合に移植が行われます。 

白血病治療グループにより危険因子や治療に使われるお薬、投与日、投与量などは異なります。ですから詳しくは主治医の先生に聞いてみてくださいね。

 

治療の目的

1)寛解導入療法

 まず、はじめの治療目標は骨髄の中で白血病細胞(芽球)の割合が5%をきることです。

 この状態を寛解(かんかい)といいます。

そして、この最初の治療を寛解導入療法といいます。

2)強化療法  つぎに芽球をさらに0%にするために強い治療すなわち強化療法をおこないます。       地固め療法ともいいます。

3)維持療法:   そして、 さらに外来で維持療法をおこない 治療終了します。

  危険因子のあるハイリスクの方は一般的に入院と退院の繰り返しになります。

副作用の問題

  副作用としては あまりおおきなものはありませんが  

治療後710日して白血球が減少して感染にかかりやすくなること

よって、感染予防の薬やうがい(可能であれば)などをします。

血小板減少による出血:これを防ぐため血小板輸血が必要になる場合があります。

赤血球減少による貧血:これに対しては赤血球輸血をします。輸血後肝炎は少ないのですが、時には起こる場合もあります。  体重が増加し、太ってきます。顔は満月様にまんまるい太った顔つきになります。 しかし、治療が終了すればもとにもどります。 

  脱毛しますが、治療が終了すればまた生えてきます。

  性腺機能は移植をおこなわない場合はほぼ正常に保たれます。

 治療に際しては、私たちは十分注意しているのですが、ときに抗がん剤が皮下に漏れることがあります。

  万一、抗がん剤がもれた場合はすぐソルコーテフというお薬をその周りに局所注射して24時間冷やします。それから24時間温めて、消毒、リンデロンVG軟膏を塗ります。主治医の先生や看護婦さんも注意していますが、もしも、点滴のところが腫れていたら教えて下さいね。

  年齢の低い方は ステロイドで 身長が伸び難い、二次性徴が出にくくなる場合があります。

  2次がん: まれに脳腫瘍や二次性白血病・骨髄異形成症がのちに発生する場合があります。米国の報告では15年―20年の期間で増えているという報告もありますが、日本では極めて稀です。 数百例に1例くらいです。

検査について

  白血病の病気の場所が骨髄の中である以上、骨髄の中の状況を見るために骨髄検査(よくドイツ語でマルクといっています)は必須です。ちょっと痛いですが 頑張りましょう。

よくなっているかどうかもこのマルク検査で見ます。当初、1ヶ月に1回くらいあります。静脈麻酔で痛みが軽くなるようにします。

  リコール検査:  子供は脳脊髄液=リコールに白血病細胞(芽球)が浸潤してくることが多いので背中からこのリコールをとるルンバール(腰椎穿刺)をときどきおこないます。白血病細胞が浸潤しているかどうかは細胞診で調べます。

ルンバールは赤ちゃんでもやっていますから、大丈夫です。メトトレキセート、キロサイド(Ara-C)、ヒドロコーチゾンなどを注射する髄注も中枢神経性白血病予防のため行います。

 

採血

  採血は、しょっちゅうあるかもしれません。もうしわけないのですが、血液も大切なバロメーターなのです。主治医の先生はがんばって採血し、お子さんも頑張ったのになかなか、うまく採血が出来ないこともあるかもしれません。申し訳ないことです。なんとか、がまんして頑張ってください。

採血の後はもまずに1015分間くらい押さえておいて下さい。

すみませんが、よろしくお願いいたします。

そうでないと今後の採血や点滴静注がもっと難しくなってしまいます。

予後:
予後の問題は治療を受けられているグループのプロトコルにより5年無病生存率などのデータが若干違いますが、10数パーセントの5年生存率の差は意味はありません。とてもよい治療成績を書いているグループの中には、診断されてから1週間以内に亡くなられた方は統計から省かれているなどのマジックが行われているものもありますから、注意が必要です。
  ヨーロッパのBFMのデータではプレドニンへの反応がよい患者さんは8年間の経過観察で約80%のイベントフリー生存率がえられ、反応が悪い患者さんは約34%となっています。
 低リスク群の患者さんでは5年無病生存率 80-90%
 高リスク群の患者さんでは5年無病生存率 50-60%
この数値は年々改善しています。
何事にも勇気をもって立ち向かうことが大切です。


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