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公開講座
Kawasaki M, Maeda T, Hanazawa K, Ohkubo I, Tani T.
Effect of His-Gly-Lys Motif Derived from Domain 5 of High Molecular Weight Kininogen on Suppression of Cancer Metastasis Both in vitro and in vivo.
J Biol Chem. 2003;278:49301-49307 PMID: 14506238

高分子キニノーゲン・ドメイン5中のHis-Gly-Lys配列が癌細胞の転移を抑制する
【要旨】
高分子キニノーゲンはドメイン構造を持つ多機能性血漿タンパク質である。我々は、培養細胞を用い、 接着阻害活性と基底膜浸潤阻害活性を指標として高分子キニノーゲンのドメイン5に存在する癌細胞転 移阻害領域の探索を行ってきた。
今回、その癌細胞転移阻害領域のコア配列が3つのアミノ酸配列His-Gly-Lysに絞られることを、 合成ペプチドやドメイン5の組換えタンパク質を用いてin vitroとin vivoの実験系で明らかにした。 His-Gly-Lys配列のLys残基を同じポジティブチャージを持つArg残基に置換(His-Gly-Arg配列) すると、接着や基底膜浸潤が阻害されなくなること(培養細胞を用いた実験)、高転移性癌細胞の 肺転移阻害が見られなくなること(マウスを用いた実験的肺転移阻害実験)から、これらの阻害活性の コア配列がアミノ酸配列に依存していることを示した。さらに、分子量約95kDaの膜タンパク質が、 His-Gly-Lys配列に結合する株化癌細胞上のレセプターである可能性も示した。しかし、血管内皮細胞の 管形成は、このHis-Gly-Lys配列では阻害されなかった。

高分子キニノーゲン・ドメイン5のHis-Gly-Lys配列付近は、ポジティブチャージを持つアミノ酸が 70%以上の頻度で存在するため、チャージを介して細胞表面にドメイン5が結合し色々な細胞機能を 阻害すると考えられてきたが、我々はHis-Gly-Lys配列が細胞表面のレセプターに結合することにより 癌細胞の転移が阻害されることを見い出した。この現象はHis-Gly-Lys配列ばかりではなく、 His-Gly-Lys構造類似の薬剤が癌転移を抑える可能性を示唆している。

生化学第二講座
 
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