三嶋理晃1), 中野恭幸2), 西村浩一3), 新実彰男1), 平井豊博1),
室 繁郎1), 小賀 徹1), 星野勇馬4), 中村 肇5), 淀井淳司5)
1) 京都大学大学院医学研究科・呼吸器内科学
2) 滋賀医科大学・呼吸循環器内科
3) 京都桂病院・呼吸器内科
4) 京都大学医学部附属病院・探索医療センター・探索医療開発部流動プロジェクト部門・チオレドキシンプロジェクト
5) 京都大学ウイルス研究所・感染免疫学 |
第42回(2005年度)エルウィン・フォン・ベルツ賞1等賞受賞論文
(受賞日:2005年11月16日、賞金:600万円)「日本医師会雑誌」、「最新医学」誌掲載予定 |
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COPDの病態解析と治療法開発・治療評価への挑戦
― CT画像解析・チオレドキシン創薬・アウトカムスタディを通して ― |
【要旨】 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、日本および世界で大きな問題となっている疾患である。この疾患に対して、筆者らは3つの観点から研究を行ってきた。すなわち、(1)胸部CTを用いて気腫性病変と気道病変を弁別するフェノタイピング解析、フラクタル解析を用いたCOPDの早期病変の評価など、COPDの新しい病態解析方法の開発とその評価、(2)抗酸化作用を示す生体防御蛋白、チオレドキシンを用いたCOPDの新しい治療法の開発とその評価、(3)COPDに対してさまざまな医療介入を行った際に、その効果の群間での相違を検証するための評価指標の開発とその評価(アウトカムリサーチ)である。これらの研究成果は、COPD研究に新しい時代を築くものであると同時に、COPDで苦しむ方々に貢献するものであると信じている。
文責 呼吸器内科 中野 恭幸 |
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