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公開講座
Andoh A, Tsujikawa T, Sasaki M, Mitsuyama K, Suzuki Y, Matsui T, Matsumoto T, Benno Y, Fujiyama Y.
Fecal microbiota profile of Crohn's disease determined by terminal restriction fragment length polymorphism (T-RFLP) analysis.
Aliment Pharmacol Ther.2008, 29:75-82. PMID: 18945264

T-RFLP法によるクローン病腸内細菌叢の解析
【要旨】
炎症性腸疾患の病態形成に腸内細菌叢の変化が重要な役割を果たしていると考えられている。ただ、腸内細菌叢を構成する細菌の約半数が難培養菌であることから、培養法による解析には限界がある。最近は、細菌由来16SリボゾームRNA(DNA)を標的とした分子生物学的手法による解析が進んでいる。我々は、PCRを応用したT-RFLP法を用いてクローン病(CD)腸内細菌叢の変化について解析した。30人の健常人と34人のCD患者の糞便よりDNAを抽出し、細菌16S r DNAに蛍光標識primerを設定しPCRを施行、PCR産物を制限酵素Bsl1処理し、これらをキャピラリー電気泳動後そのパターンをコンピューターで解析するT-RFLP法を施行した。また、エレンタール(成分栄養剤)を1日1200cal以上摂取している患者21例をED群とし、エレンタールを摂取していない13人と比較した。健常人とCD患者をあわせた全体のT-RFパターンは大きく7個のクラスターに分けられた。健常人の多く(30人中28人)が1から3のクラスターに含まれたが、CD患者の多く(34人中24人)は別の4から7に含まれた。CD患者では、Clostridium属の有意な減少とBacteroides属の増加が認められた。成分栄養群と非成分栄養群の腸内細菌叢は明らかに異なるT-RFパターンを示した。難培養菌を含めた腸内細菌叢は、クローン病と健常人とで異なることが明らかになった。これらの変化がCDの病態形成に関与していると考えられる。また、成分栄養は腸内細菌叢に変化をもたらし、効果を発揮している可能性が示唆された。

文責 消化器内科 安藤 朗
 
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