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公開講座
Aya Kadota, Atsushi Hozawa, Tomonori Okamura, Takashi Kadowaki, Koshi Nakamura, Yoshitaka Murakami, Takehito Hayakawa, Yoshikuni Kita, Akira Okayama, Yasuyuki Nakamura, Atsunori Kashiwagi, Hirotsugu Ueshima for the NIPPON DATA Research Group
Relationship between metabolic risk factor clustering and cardiovascular mortality stratified by high blood glucose and obesity: NIPPON DATA90, 1990-2000
Diabetes Care 2007, Jun;30(6):1533-8. PMID: 17363755

代謝性危険因子の集積と循環器疾患死亡の関連: NIPPON DATA90, 1990-2000
【要旨】
目的:メタボリックシンドロームは危険因子の集積状態の概念である。WHO(世界保健機構)の診断基準は耐糖能障害を必須項目としているが、研究実施当時IDF(国際糖尿病連合)や本邦の診断基準は腹部肥満を必須としていた。一方、NCEP(米国コレステロール教育プログラム)の診断基準は必須項目を設けていない。本研究では危険因子の集積と循環器疾患死亡の関連において高血糖および肥満が及ぼす影響を検討した。

方法:1990年に全国から無作為抽出された30歳以上の男女8,384人(NIPPON DATA90コホート)(National Integrated Project for prospective Observation of Non-communicable Disease and Its Trends in the Aged) を10年間追跡した。危険因子集積数と循環器疾患死亡の関連を検討するため、Cox比例ハザードモデルを用いて調整ハザード比(HR)を算出した。血圧高値、高血糖、中性脂肪高値、HDLコレステロール低値、肥満を危険因子とした。

結果:循環器疾患死亡と危険因子集積数は正の関連を示した。高血糖の有無で層別化すると、循環器疾患死亡リスクは、危険因子を有さない者を基準群とした場合、高血糖に加えてその他の危険因子を2つ以上有する者で有意に高く(危険因子数2つで循環器疾患死亡リスクは3.67倍であった(HR =3.67(95%CI,1.49-9.03))。高血糖を有さないがその他の危険因子を3つ以上有する者の循環器疾患死亡リスクは1.99倍であった(HR=1.99(0.93-4.28))。肥満の有無で層別化した検討では、危険因子集積数と循環器疾患死亡の関連は肥満の有無で差を認めず、高血糖の有無は肥満の有無よりも強い影響を与えていることが明らかとなった。本邦では非肥満であるが危険因子が集積する者が多く存在し、彼らの循環器疾患死亡リスクは高い。循環器疾患の予防のためには、個々の危険因子の管理が重要である。

文責 社会医学講座(公衆衛生学) 門田 文
 
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