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最新研究論文の紹介
2013年5月7日 更新
Tzoulaki I, Patel CJ, Okamura T, Chan Q, Brown IJ, Miura K, Ueshima H, Zhao L, Van Horn L, Daviglus ML, Stamler J, Butte AJ, Ioannidis JP, Elliott P.
A nutrient-wide association study on blood pressure.

Circulation. 2012 Nov 20;126(21):2456-64.  PMID: 23093587


血圧と全栄養関連解析

 系統的な偏りのない栄養素と血圧の関連性を検討するために全栄養関連解析(nutrient-wide approach study)を実施した。

 栄養と血圧に関する国際共同研究であるINTERMAP研究(International Study of Macro/Micronutrients and Blood Pressure)に参加した40-59歳の4,680人を対象として,無作為に半分に分け,それぞれ検討用データセットとテスト用データセットとした。
 外部妥当性の検討には米国国民健康・栄養調査(US National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES))の4期(1999-2000, 2001-2002, 2003-2004, 2005-2006)のデータを用いた。INTERMAP研究,NHANESはいずれも横断研究である。
 検討用データセットを用いて,重回帰分析にて82種類の栄養素および3種類の尿中電解質と収縮期,拡張期血圧の関連を検討し,統計的に有意な関連があった栄養素については,INTERMAPのテスト用データセットを用いて内部妥当性を,NHANESデータを用いて外部妥当性を検討した(偽陽性率は検討用データセットで5%未満とし,内部妥当性,外部妥当性の検討ではP<0.05を有意とした)。
 妥当性を検討した栄養素では,アルコールと尿中Na/K比は収縮期血圧と正の関連を示し,食事性のリン,マグネシウム,鉄,ビタミンB1,葉酸,ビタミンB2は収縮期血圧と負の関連を示した。さらに食事性の葉酸とビタミンB2は拡張期血圧とも負の関連を示した。NHANESデータにおいて,収縮期血圧は,栄養素の摂取量1SD増加ごとに0.97mmHg(リン)から0.39mmHg(葉酸)までの低下を示した。食事に加えてサプリメントからの栄養素摂取状況と血圧の関連を検討したところ,葉酸,ビタミンB1,ビタミンB2との関連は弱くなったが,統計的に有意な関連を示した他の栄養素については概ね同様の結果を得た。

  これまで弱い関連しか示されてこなかったビタミンB群と血圧の間に有意な負の関連を認めた。本解析により,系統的な偏りのない栄養素と血圧の関連を評価できたといえる。

文責  社会医学講座(公衆衛生学) 三浦 克之
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