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最新研究論文の紹介
2014年12月4日 更新
Mariko Omatsu-Kanbe, Yuka Nishino, Nozomi Nozuchi, Hiroyuki Sugihara and Hiroshi Matsuura.
Prion protein- and cardiac troponin T-marked interstitial cells from the adult myocardium spontaneously develop into beating cardiomyocytes

Scientific Reports, 4, 7301; DOI:10.1038/srep07301 (2014)  PMID: 25466571


プリオンタンパク質および心筋型トロポニンTをマーカーとする成体心筋組織の間隙細胞は拍動する心筋細胞へと自発的に成長する

 成体マウスの心室組織から調製した「心筋細胞を除いた分画」中に、培養数日後から自発的に大きく成長し拍動を始める細胞が存在することが発見され、その特徴的な形態からatypically-shaped cardiomyocytes(ACMs)として同定されている。ACMsの多くは多核であり、ペースメーカー細胞に類似した自動性を示す。また、新生仔から老齢にいたるまで心室組織に存在する。

 今回、心筋前駆細胞のマーカーとして知られるプリオンタンパク質(Prion protein, PrP, CD230)がACMsの細胞膜に強く発現していることを見いだし、心筋型トロポニンT(cardiac troponin T, cTnT)との共発現を指標として、ACMsを識別する方法を確立した。
 ACMsの増殖は観察されなかったが、小型で丸い形状のPrP陽性細胞が遊走し、拍動しているACMsに融合することによって、大型で複雑な形態の多核細胞に成長することが確認された。また、マウス心室組織の心筋細胞間隙にPrPとcTnTを共発現する細胞(PrP+cTnT+細胞)が存在することがわかった。これらのPrP+cTnT+細胞は、孤立あるいはクラスター状の細胞として見いだされ、native ACMsであると考えられた。さらに、ヒト心室組織においても同様のPrP+cTnT+細胞が存在することが明らかになった。

【結論】 ACMsは、マウスおよびヒト心室組織において、PrP+cTnT+細胞として生涯にわたって存在していることが示唆された。ACMsは細胞単離などの周辺微小環境の変化により、単独で、あるいは細胞融合を経て自発的に拍動細胞へと成長する可能性があると考えられる。

文責 生理学講座 細胞機能生理学 尾松 万里子
 
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