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河村文庫について

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河村家から滋賀医科大学図書館に寄贈された史料は、古文書、古書、医療器具から成り、これらを総称して河村文庫というのである。古書のなかには数多くの漢文の一般教養書が含まれており、古学、朱子学にかんするものは、おそらく、河村家の人びとが藩校である稽古館(弘道館)において学ばれたものであろう。当時医師の多くは、儒医といわれたように、儒学を学ぶことは必須であり、儒学的思想基盤のうえに医学を築いていったのであるが、河村文庫の内容からもこのことがよく理解できるのである。

河村文庫の古書のなかから、医学古書だけをとりあげても、目録にみるように、医学史的に価値の高いものが多く含まれている。医学古書の価値は、その古さ、現在の保有数、その古書の破損 ・汚損・欠損・欠本の状態・過去における医学の進歩への貢献度などによって決まってくるが、河村文庫の医学古書は、19世紀のものが多いとはいえほとんどが明治以前のものであり、その範囲も、医学一般、診断、治療、薬物、本草、外科、産科・婦人病、児科、眼科、解剖、生理、痘科、黴瘡、皮膚科、泌尿器科、整形外科、経穴(鉞灸)、傷寒論、金匱要略など、実に多くの専門分野にわたっている。原著者別には日本人が著者であるものが最も多く、中国、欧州の順となるが、全体としてみると後二者が約半分をしめる。保存状況もすぐれており、完全に所定冊数のそろっているもののほうが多いようである。

滋賀医科大学名誉教授  友吉 唯夫

(『滋賀医科大学古書目録』(1981年刊)に掲載したものから抜粋転載した。)

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