
第77回東近江がん診療セミナー+第92回ひがしおうみ☆栄養塾
令和7年5月15日(木)17:30〜
毎年恒例で5月のがんセミナーは、ひがしおうみ☆栄養塾とのコラボ企画で「がん悪液質治療薬」をテーマに開催しました。
がん悪液質とは「通常の栄養サポートでは完全に回復することができず、進行性の機能障害に至る、骨格筋量の持続的な減少(脂肪量減少の有無を問わない)を特徴とする多因子性の症候群」と定義されています。(Fearon K,et al.Lancet Oncol.2011;12(5):489-495.)
がん悪液質は進行がん患者の80%に認められ、体重減少と食欲不振といった典型的な症状に加えて、化学療法の効果の減弱、副作用や治療中断の増加、さらには生存率にまで影響を及ぼします。がん患者における体重減少は、その程度に応じて予後を悪化させるため積極的な治療が必要とされています。(日本がんサポーティブケア学会「がん悪液質ハンドブック」より)
しかしながら、これまで国内ではがん悪液質の治療薬はありませんでしたが、第1部の講演では2021年にがん悪液質の治療薬として承認されたアナモレリンについて、対象となるがん種や適応条件、禁忌などについて勉強をしました。
悪液質には、「前悪液質」「悪液質」「不応性悪液質」の3つのステージがあり、早期からの栄養サポートを行っていくことが重要とされており、第2部では、当院薬剤部によるアナモレリン投与症例における開始時期と効果について、日本栄養治療学会近畿支部第16回学術集会で発表された演題に加え、関連する論文3編が紹介されました。
次回『第78回東近江がん診療セミナー』は6/4/(木)の開催予定(CART:腹水濾過濃縮再静注法)です。
★がんセミナーは会場とZoomの併用で開催。Zoom参加をご希望の方は、東近江総合医療センター地域医療連携室(E-mail:402-chikirenkei@mail.hosp.go.jp)までメールをお願いします。

小野薬品工業(株) 安部様

主任薬剤師 大住先生

伊藤明彦先生
