医学古書常設展示 | 滋賀医科大学附属図書館 |
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[ワ]篤児著 林洞海訳 安政3年(1856)
オランダのワ−トルの原著を林洞海(1813〜1895)が訳したものであり、西洋薬物学の進歩に寄与したことの大きい本である。
林洞海は小倉の人、20歳で江戸に出て佐藤泰然に師事したあと、ともに1835年長崎に遊学し、蘭医・ニ−マンにつく。ついで江戸薬研掘にもどり、泰然の長女と結婚した。1840年本書を訳述したが、医学館が出版を許可せず、1856年ようやく刊行された。のちに林は、西洋医学所頭取、大阪医学校長などを歴任した。