等 教授からのメッセージ

 私たちは、外界からのさまざまな刺激を受けて、あるいは内的欲求に基づき、行動しています。外界の刺激を受けてその意味を認知し、記憶されている経験に照らして適切な行動をとる過程で、中枢・末梢神経系やホルモン系などの各システムを駆使しています。神経生理学/臓器生理学ではこれらのシステムを学習し、我々が生きていく上で重要な働きを果たしている生体システムの機能を理解して欲しいと思います。
 神経生理学/臓器生理学の知識は、直接関係するの臨床各科のみならず、すべての臨床科にとって必要なものです。また、知識は講義形式の一方的な伝達だけではなく、インタラクションによって深まるものですので、学生側からの積極的な働きかけを推奨します。

神経生理学   (第2学年後期)

学習の到達目標

 神経細胞の興奮のメカニズムを理解し、神経ネットワークの作動原理とその意義を学ぶ。その上で、ヒトが生きていくために重要な役割を果たしている、システムとしての中枢神経系の機能を理解する。

授業の概要

 神経細胞の興奮のメカニズムとして活動電位や興奮伝導について学習し、神経細胞間の興奮の伝達としての神経ネットワークの原理を理解する。神経ネットワークの分子・細胞基盤となるシナプスの基本性質について学び、神経伝達物質やその受容体、シナプス後電位、シナプスの可塑性などを学習していく。運動に関して神経系と密接に関わる筋、特に筋紡錘やそれを支配する神経を学び、それらが関与する脊髄反射について理解する。

 中枢神経系をシステムごとに分け、それらを順に学習する。これらの学習によって、我々の行動がどのような神経ネットワークによって支えられているか、統合的に理解する。

臓器生理学 I   (第2学年後期)

学習の到達目標

 臓器生理学 I では、正常な生体機能およびそのメカニズムについて学習する。生体機能の中でも、骨格筋、循環調節、消化と吸収、内分泌、感覚生理学について学習する。

授業の概要

 骨格筋については、興奮収縮連関、および収縮機構について学ぶ。循環調節については、心電図、心臓ポンプ機能、血圧調節、局所循環について学ぶ。消化については、消化管の運動および分泌、吸収のメカニズムについて学ぶ。感覚の一般的性質および、視覚、聴覚、平衡感覚、味覚、嗅覚痛覚の情報処理機構について学ぶ。それぞれの感覚受容器および中枢制御機構について学ぶ。

臓器生理学 I 実習   (第2学年後期)

学習の到達目標

 心電図、筋電図など臨床的に広く利用されている電気生理学的検査法に習熟し、血圧測定の原理と方法を理解する。代表的な心電図異常パターンの発現メカニズムを理解する。

実習の概要

 実際に、学生同士で血圧の測定や心電図記録を行う。M波・H波を記録し、末梢神経の伝導について体験的に学習する。



基礎医学研究入門   (第1学年前期〜第2学年前期)

 研究ってどんなものだろう?何か新しいことをやってみたい、そんな学生の要望に応えるのがこの講義です。入門研究医として色々な研究室を体験したり、登録研究医として研究テーマをもって実験に没頭したりすることができます。先輩の研究医や指導教員との距離が近く、医学生や医師として生きていく術を聞くこともできます。もちろん、年間を通してコンスタントに研究活動を行えば、単位も取得できますよ。


自主研修   (第4学年夏期)

 研究室で実験を体験する。平成25年度は、前半の4週間で、成体マウスの尻尾から培養した線維芽細胞を用いて、iPS細胞の誘導を行った。後半では、マウス胎生3.5日の胚盤胞期の胚から、ES細胞の樹立を実習した。平成26年度からは、マウスの行動解析実験などを行っているが、学生の希望に応じて研修内容を変えることも可能である。