Surgical Technique
どうすれば手術がうまくなりますか?
登壇者紹介(敬称略)
貝田 (医師24年目 進行・司会)
前川 (医師10年目 大学院生)
園田 (医師4年目)
森元 (医師3年目)
田中 (医師3年目)
岩﨑 (医師3年目)
『手術がうまい』と思う外科医のイメージは?
>森元:

>岩﨑:

>園田:

>前川:

> 田中:

>貝田:

『理想的な外科医』になるには、今の自分はどうしたらなれると思う?
>森元:

>田中:

>岩﨑:

>園田:

>前川:

>貝田:

『手術の理想』と『現実』のギャップを埋める方法は?
>貝田:
手術の1点だけ美しくすることに意味はなく、全体をいかに安全に、患者さんにとってメリットのある形で終わるかが大事と思っていて、開腹して癒着が強くて難しい場所はいきなりそこから行くのではなく、周りから攻めるようにしています
>前川:
助手の視野の展開ひとつで視点や解剖学的構造が全くちがうことになる経験をすると、視野展開はとても大事と思います
>園田:
エキスパートの先生にわからないことはどんどん聞いたらいいと思います。ただし、自分の考えはきちんと持った上で!

どうしたらみんなが尊敬する『あこがれの外科医』になれると思う?
明日からできることは何だと思いますか?
>前川:
手術に入ったら自分が執刀医ならどこを切るか、を常に考えて見ることを続けることだと思います
>園田:
執刀医、上級医が何を考えているのかを考えて、わからない場合は教えてくれるので質問したらいいと思います。日々、どうやったら手術が上達するかを考え続けることが大事だと思います
>岩﨑:
自分がどうするかを考えて、上級医に質問し、もし違ったらそのギャップをもとに再度考えて、勉強し続けることだと思います
>田中:
今の上級医でも研修医だった時代があると思うので、実際に患者を見て、常に考えて、を繰り返すことで少しずつ近づけると信じています
>森元:
余裕がある外科医はかっこいいと思います。余裕はどこから生まれるのか?というと、引き出しの多いことだと思います。自分が近づける部分を考えながら、縫合の練習を毎日1針ずつやる!ということだと思います
>貝田:
いくつになっても、他の人の意見に耳を傾け、できないことは認め、できることは教えられる外科医でありたいですね

筋膜縫合だけでも奥が深すぎて、日々できないと思って落ち込んでしまいます…上手な先生もそのような時期はあったのでしょうか?
前川:
手術準備や手術はすべて工夫があったり、患者によって変えている部分もあったりするので、研修医がそれをすべて理解できないのは当然。全部が同じ模写と思わずに、ひとつひとつの経験を忘れないようにして糧にしていくことが大事だと思います。僕も3年目の時はそうでした!出会った症例は忘れないように復習することで、成長できると思います。10年前の症例が今日を助けてくれた、という経験もあると思います
全体を通じて
今回の座談会では、「どうすれば手術がうまくなりますか?」という外科医であれば誰もが一度は抱く問いに対して、世代を超えた6名の参加者が率直に語り合いました。 |
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ベテラン外科医からは、今の手技を磨くだけでなく「安定した手術をコンスタントに行えること」「常に学び続ける姿勢」といった外科医としての姿勢の重要性が強調されました。一方で中堅医からは、経験を積み重ねる中で感じた“壁”とその乗り越え方、学び続けるための工夫が具体的に共有されました。 |
研修医たちからは、「見て覚えることの難しさ」や「習得への焦り」といった率直な悩みが語られる一方で、技術を磨く喜びやロールモデルへの憧れも感じられ、初学者ならではのリアルな声が印象的でした。 |
全体を通じて浮かび上がったのは、「うまくなるために“正解”は一つではない」ということ。教わる姿勢、繰り返す努力、そして自分なりの工夫――そのどれもが成長の鍵となり得るということです。 |
世代の違いを超えて、お互いの考えや悩みに耳を傾けることで、技術の継承と発展に向けた新たな気づきが得られる場となりました。本座談会が、すべての外科医にとって“うまくなりたい”という原点を見つめ直す契機となれば幸いです。 |