Stomach
胃
対象疾患:胃の腫瘍(胃癌、胃粘膜下腫瘍、悪性リンパ腫)、消化性潰瘍など
[胃癌の治療]
胃の手術症例は局所切除を除き年間50例を超えます。このうち 約半数はロボット手術を、3-4割は腹腔鏡手術を行っています。
一部の早期胃癌や粘膜下腫瘍に対しては病巣に応じて内視鏡下粘膜切除や内視鏡-腹腔鏡合同手術(LECS :Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery)も行っています。
今日、日本胃癌学会より”胃癌治療に対するガイドライン第5版”が提唱されております。 それに加えて、外科的切除に際しては確実且つ過不足ないリンパ節郭清を行うと共に、 進行度に応じた機能温存術式(神経温存・噴門側胃切除・ダブルトラクト再建など)を行っています。また高度に進行した胃癌の場合、術前化学療法を行い、腫瘍の縮小をはかった後、根治的切除を行っています。
滋賀医科大学附属病院では上記すべてのロボット手術を保険診療内で受けていただけます。
また、 2018 年 7月からは滋賀県内で初めて上記すべてのロボット手術を保険診療内で受けていただける施設となり、 2023年 7月からは、国産 (メディカロイド )社製のロボット「 HinotoriTM」によるロボット支援下胃切除も受けられるようになりました。
ロボット支援下胃切除術の特長
ロボット支援下手術は、
①手ブレ防止機能
②ハイビジョン3次元立体画像
③多関節機能
④モーションスケール機能
など最先端の技術を有しています。
これまでの手術と比較して、より繊細な手術を行える手段として期待されています。
Esophagus
食道
対象疾患:食道の腫瘍(癌・その他)・食道アカラシア・食道裂孔ヘルニア・食道憩室・食道穿孔など
[食道癌の治療]
当院は食道外科専門医在籍の施設で、
滋賀県で唯一の食道外科専門医認定施設です。
・食道癌に対する手術は 年間約30例で 滋賀県内では最も多くの手術を行っています。 傷が小さく、低侵襲を目指したロボット支援下手術、胸腔鏡手術を積極的に行っております。
先進的なロボット支援下手術を、安心・安全に
食道がん手術は、体への負担が大きく、高度な専門性が求められる治療です。とくにロボット支援下手術は、どの医療機関でも行えるわけではなく、原則として十分な手術経験と専門資格を有する医師が常勤し、施設基準を満たした病院のみが、保険診療として実施することを認められています。
滋賀医科大学外科では、
- 日本食道学会認定 食道外科専門医1名
- 日本内視鏡外科学会 技術認定医(食道がんに対する胸腔鏡手術1名、胃がんに対する腹腔鏡手術1名)
滋賀県内で唯一、食道がんに対するロボット支援下手術を施設として行える体制を整えています。
ロボット手術では、術者の手の動きを忠実に再現する精密な操作と、拡大視野による高い視認性により、繊細な神経や血管を守りながら、より正確な手術が可能になります。当科では、 安全性の向上と体への負担軽減を目指した食道がん手術を行っています。
患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療を
食道がんの治療は、がんの進行度や患者さんの全身状態により大きく異なります。外科・消化器内科・放射線科などが連携し、手術・化学療法・放射線療法を組み合わせた最適な治療方針を検討しています。
- 早期食道がんでは、リンパ節転移の可能性が低い場合、消化器内科と連携して内視鏡的切除(ESD)を行います。
- 進行食道がんでは、手術に加えて化学療法や放射線療法を組み合わせ、治癒を目指した集学的治療を積極的に行います。
- 一度は切除不能と判断された場合でも、治療効果により手術が可能となれば、根治を目指した切除を検討します。
- 術後に再発した場合でも、条件を満たせば、再び根治を目指した治療に取り組みます。
食道がん手術の特徴と当科の強み
食道は、首から胸、お腹まで広い範囲にまたがる臓器であり、リンパ節転移も頚部・胸部・腹部のいずれにも起こりうるという特徴があります。
とくに、声を出すために重要な反回神経の周囲には転移しやすいリンパ節が存在し、ここを安全かつ丁寧に切除することが、手術成績に大きく影響します。ロボット支援下手術は、このような繊細な操作を得意とし、当科ではその利点を最大限に活かした手術を行っています。
切除後の再建には、通常は胃を用いますが、胃切除の既往や胃癌の合併がある場合、大腸や小腸を用いることもあります。
体への負担を考えた周術期サポート
食道がん治療は、他の消化器がんと比べても体への負担が大きい治療です。当科では、
- 専門的な栄養療法(術前、術後、退院後)
- 早期からのリハビリテーション
これらを組み合わせ、退院後の生活の質(QOL)をできるだけ保つことを重視した周術期管理を行っています。
切除が難しい場合の治療と生活支援
高度に進行し、手術による切除が難しい場合には、化学療法や化学放射線療法を中心とした治療を行います。また、食事がとれず生活の質が低下する場合には、
- 食べやすくするためのバイパス手術
- 食道ステント留置
- 胃瘻、腸瘻造設による栄養サポート
可能な限りの治療法を提案し、患者さんの生活を支える治療にも力を入れています。
Gastroduodenal Disease
胃十二指腸疾患
対象症例:腫瘍(胃癌、十二指腸癌・十二指腸乳頭部癌・粘膜下腫瘍・悪性リンパ腫)・消化性潰瘍など
[胃癌の治療]
胃癌の切除例は年間60例を超えます。5年生存率は69%で、 各進行度別評価においても他施設をしのぐ生存率を得ています。
一部の早期胃癌や粘膜下腫瘍に対しては病巣に応じて内視鏡下粘膜切除や腹腔鏡下切除術も行っています。
今日、日本胃癌学会より”胃癌治療に対するガイドライン”が提唱されております。 それに加えて、外科的切除に際しては確実且つ過不足ないリンパ節郭清を行うと共に、 進行度に応じた機能温存術式(神経温存・幽門輪温存・ 代用胃作成など)を行ってきました。
Metabolic Surgery
肥満・代謝改善手術
日本で2014年に、厳しい条件を満たした施設が、保険診療で腹腔鏡下胃スリーブ状切除術を施行することができるようになりました。当院はその条件を満たし保険診療で腹腔鏡下胃スリーブ状切除術を施行しています。また、当院は日本肥満症治療学会が認めた、全国に現在17ある肥満外科手術認定施設のひとつです。
肥満外科手術を行っている施設とその状況(2019年時点)