地域医療支援講演会

第5回地域医療支援講演会
安藤 朗先生(滋賀医科大学)

2022年4月14日(月)17:30〜18:30 会場:東近江総合医療センター

 地域医療の発展とご専門の分野で多大な貢献をされておられる先生をお招きして開催している勉強会『地域医療支援講演会』。第5回目は、滋賀医科大学内科学講座(消化器内科)教授の安藤 朗先生に『腸内細菌と健康のかかわり』とのタイトルでご講演いただきました
 近年、改めて注目されている「腸内細菌」は年齢とともに変化し、年をとると悪玉菌の割合が増えると言います。健康の維持には、善玉菌が優位の腸内環境を作ることが大切で、そのためには悪玉菌を減少させ、有害物質を減らす食物繊維を摂取することが重要です。便秘になるとお腹の中で腐敗が起こって体に良くないことはなんとなくわかっていても、データを示しながらわかりやすく解説していただけたことで、普段の食生活や生活環境を改めて見直すきっかけをいただいたような気がしました。
 他にも、口腔内細菌が大腸癌の発病に影響する論文が発表されたことにより、胃酸を必要以上に抑制することは、腸内細菌の恒常性を保つためにはよくないのではないか、また偽膜性腸炎に劇的な効果をもたらす糞便移植のお話などなど、最新の消化器分野のトピックを交えたお話は、あっという間に時間が過ぎて行きました。
 今回の講演会には、会場75名、Web17名、合計92名の参加がありました。ご講演いただきました安藤先生、ご参加頂きました皆様方、誠にありがとうございました。

 


 

滋賀医科大学内科学講座 安藤 朗先生
『腸内細菌と健康のかかわり』
座長:総合内科学講座 伊藤明彦先生
東近江総合医療センター消化器内科のスタッフと

第4回地域医療支援講演会
岩井一也先生(静岡市立静岡病院)

2021年11月26日(金)17:30〜18:45 会場:東近江総合医療センター

 総合内科学講座・総合外科学講座は、静岡市立静岡病院の岩井一也先生をお招きして『第4回地域医療支援講演会』を開催いたしました。
 静岡県内唯一の第1種感染症指定医療機関である静岡病院の感染管理室室長で、県の専門家会議委員でもいらっしゃる岩井先生は、滋賀医科大学ご卒業で当院のCOVID-19対策でもアドバイスいただいたのがご縁で、このたび講演会を開催させて頂くこととなりました。
 2021年11月現在、全国的に感染者数は減少し、社会全体もwithコロナを受け入れた日常生活を営みつつありますが、ピーク時の診療体制やマスコミ報道のあり方やそれによる間違った理解がもたらす差別や偏見など、感染が落ち着いた今だからこそ聞けるエピソードの数々を約1時間に渡ってお話いただきました。
 過度な感染症対策による業務負担や精神的負担を減らすため、データで示し、リスクを数字で比較するなどして院内のコンセンサスを図り、実行する。何が問題でそれにはどういった対策が必要か、岩井先生の講演を通して、問題の根本を見極めることの大切さを教えていただいたような気がしました。
 静岡から遠路お越しいただきました岩井先生、会場参加またWeb参加頂きました皆様方、誠にありがとうございました。

 


 

静岡市立静岡病院感染管理室室長 岩井一也先生
『COVID-19の感染対策』
座長:総合内科学講座 杉本俊郎先生

第3回地域医療支援講演会
山中克郎先生(福島県立医科大学会津医療センター)

2019年10月17日(木)17:00〜18:10 会場:東近江総合医療センター

 総合内科学講座・総合外科学講座は、福島県立医科大学会津医療センター総合内科教授の山中克郎先生をお招きして『第3回地域医療支援講演会』を開催いたしました。
 患者さんの前で常に笑顔を絶やさず、膝をつきながら、ゆっくりと脈をとる。その笑顔の表情とは裏腹に、診察室に入ってから1分が勝負だと言い切る山中先生が、患者のどこを見て、何を聞き、臨床推論を組み立てていくのか・・・総合診療の分野で「その人あり」といわしめた山中先生に診療の極意を伝授していただこうと、聴講形式のいつもの講演会のスタイルではなく、参加した医師・コメディカルたちがベッドサイドをぐるっと取り囲みました。
 「僕は診察の時は黒いズボンしか履かないの」。その理由は、患者の目線と同じもしくはそれより下に自分の目線を下げるために床に膝をつけるためであり、回診の時に大勢でベッドを見下ろされるのって、誰だっていやでしょうという、あくまも患者ファーストの考えから。医療技術が進歩した今日においても、医療を行うのは人。触診や聴診から診断につなげていくコツやポイントを時間たっぷり伝授くださいました。
 福島から遠路お越しいただきました山中先生、ご参加頂きました皆様方、誠にありがとうございました。

 


 

福島県立医科大学会津医療センター 山中克郎先生
『頭頸部と胸部の診察実演』
講演会終了後、当院スタッフとの懇親会

第2回地域医療支援講演会
具 芳明先生(国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター)

2018年9月27日(木)16:00〜17:00 会場:東近江総合医療センター

 総合内科学講座・総合外科学講座では、国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンターの具 芳明先生(情報・教育支援室長)をお招きして『感染症対策地域医療講演会』を開催いたしました。
 『薬剤耐性(AMR)対策』については、全世界共通の喫緊の課題でありながらその対策は遅れており、将来的には薬剤耐性による死亡者数は、がんを上回る可能性があるとまで言われています。
 具先生は厚生科学審議会専門委員・薬剤耐性(AMR)対策推進国民啓発会議構成員としてもご活躍されており、薬剤耐性菌を作らない、広げないために、処方する側の私たちにできることは?の視点から、院内感染対策や日本の薬剤耐性菌対策(薬剤耐性対策アクションプラン)について、わかりやすく講義頂きました。
 また、処方される側の一般市民に向けた教育にも注力されており、薬剤耐性菌の発生メカニズムや拡大の要因などを理解してもらえるよう、抗菌薬を未来につなげていくための活動についても紹介していただきました。(詳しくは《AMR臨床リファレンスセンター》ホームページ http://amr.ncgm.go.jp/)
 この講演会は地域の開業医の先生方にも聞いていただきたいとの思いから、東近江医師会の定例会の日程に併せて開催いたしました。会場には院内・外から50名の方々にご参加いただき、無事終了することができました。ご講演いただきました具先生、ご参加くださいました皆様方、誠にありがとうございました。

 


 

国立国際医療研究センター病院:具 芳明先生
『感染症から未来を守る:今求められる薬剤耐性(AMR)対策』
講演会終了後、当院スタッフとの意見交換会

第1回地域医療支援講演会
寺澤秀一先生(福井大学地域医療支援講座)

2016年7月28日(木) 会場:東近江総合医療センター きらめきホール

 総合内科学講座・総合外科学講座では、福井大学・地域医療支援講座の寺澤秀一先生をお招きして、『地域医療支援講演会』を開催いたしました。
 ご講演いただいたテーマは”地域医療の担い手養成”で、①過疎地の施設を教育の場に(医学生の実習受け入れ)②教育支援(ITカンファレンス、出向教育)③カリキュラム化(救急にも強い総合医コース、医学生学外実習)④臨床研究体制の支援(『地域総合医大学院コース』)、これら4つのテーマについてわかりやすく説明されるともに、地域医療の再生のための横断的医師団の養成や多職種連携の必要性についてもアドバイスを頂きました。 
 同じく地域医療支援に取り組む本講座でも、寺澤先生が2003年から10年以上かけて取り組んでこられた実践内容はとても興味深く、参考になるお話内容でした。
 会場には68名の参加者があり、有意義な中にも笑いの起こる大変講演会でした。ご講演いただきました寺澤先生、ご参加くださいました皆様方、誠にありがとうございました。

 


 

福井大学医学部地域医療推進講座教授:寺澤秀一先生
演題『地域医療の担い手養成』
熱心に耳を傾ける参加者のみなさん