学生さんへ For students

当教室は、主に1年生、2年生の生物学関連講義と実習を担当しています。生物学は専門課程で履修するすべての科目の基本となる科目です。基本概念と大局観を身につけ、あまり細かいことにはとらわれずに、自分自身でしっかりした生物学の基盤を築いてください。講義では生物学の基本概念および用語を日本語と英語の両方で学習します。是非1〜2年生の間に英語の生物学の教科書を通読してほしいと思います。詳細はシラバスを見てください。

医学科講義

細胞生物学基礎(医学科1年前期、担当:平田)

ヒトを含め多くの生物は、1つの細胞から成長、分裂を繰り返してできた細胞の共同体です。「生命とは何か」「生物としてのヒトとは何か」を考えるためには、まず、生命の基本単位である「細胞」を理解することが必要です。このため、第1学年前期の「細胞生物学基礎」および後期の「分子生物学基礎」では、細胞の理解を中心に生命現象を探求します。まず、「細胞生物学基礎」では、細胞の構造やそのさまざまな機能を理解することを目標とします。

分子生物学基礎(医学科1年後期、担当:平田)

前期の「細胞生物学基礎」で学んだ「細胞=生命の基本単位」には、遺伝情報を保ち、取り出し、読み取る力があり、そのおかげで生命は存在しています。この遺伝情報を記述する暗号(コード)はすべての生物に共通で、これを読み解くことによりあらゆる生命体を統一的に理解できるようになりました。後期の「分子生物学基礎」では、遺伝のしくみの基本、すなわち遺伝情報を維持し、複製し、発現し、時には改良するしくみを理解することを目標とします。前期、後期の講義を通して、生物の生命活動のしくみを学び、個々の生物を特徴づける多様性とすべての生物に共通する恒常性を対照させながら、生命体を統一的に理解していきます。

自然科学入門(生物)(医学科1年前期、担当:平田)

高等学校におけるカリキュラム編成上の理由や大学入学試験との関係で、「生物基礎」、「生物」の科目を十分にあるいはまったく履修していない学生を支援するための講義を行います。大学における基礎教育や専門教育への円滑な接続を目標とします。

医学特論・医学・生命科学入門(医学科1年後期、1コマ担当:平田)

滋賀医科大学の基礎医学・研究センターで行われている研究をわかりやすく説明します。学生自身が研究に参加して実際に実験を行う動機付けを目標とします。

看護学科講義

生物学(看護学科1年前期、担当:里岡)

「生命とは何か」「生物としてのヒトとは何か」を考えるために、生命の基本単位である「細胞」を理解することから始め、生命活動の設計図である遺伝情報の維持や発現のしくみについて学習します。また、組織、器官、個体、集団といった視点からも生物を捉えます。これらの学習を通して、生命体を統一的に理解し、「生物としてのヒト」の理解につなげることを目標とします。

医学科・看護学科合同講義

現代社会と科学(医学科・看護学科1年前期、1コマ担当:平田)

科学と技術が人類の生き方に大きな影響力をもつ現代において、科学や技術の成果を享受する能力だけでなく、責任ある市民としてまた医療人として現代社会に関与するための科学知識と素養を備えること、すなわち科学的な思考方法を社会的目的のために用いる能力が求められます。本講義では、科学的な思考方法、その有効さと限界の一端を知ることを学習目標とします。

実習・研究

生物学実習(医学科1年後期、担当:平田、里岡、樋口、樋上)

生物学の知識の多くは観察や実験によって得られたものです。これらがどのような科学的方法で得られたかを実際に体験することによって、生物学分野での思考方法、実験手技の基本を習得することを目標とします。以下は具体的な目標です。

  1. 対象をよく観察し、スケッチとして表現する。
  2. 顕微鏡の正しい使い方を学ぶ。
  3. 比較生物学的な見地から動物の体のつくりとはたらきを学ぶ。
  4. 顕微鏡観察のための永久標本を作製する。

基礎医学研究入門(医学科1年/2年、担当:平田、里岡、樋口)

当教室は、医学科1年/2年の基礎医学研究入門の履修生を受け入れて研究指導を行っています。アレルギーや自己免疫疾患の病態や治療に興味のある学生の参加を期待しています。また、研究医養成コースの学生も随時受け入れています。

基礎科学研究(医学科・看護学科2年前期、担当:平田、里岡、樋口)

医学・生命科学を含む自然科学の研究方法および説明能力の習得過程を通じて、科学を総合的な観点から理解することを目的とします。課題を設定し、その課題について、実験計画から結果報告までの一貫した研究過程を学習します。これまでに、血球系培養細胞を用いてケモカインの細胞増殖や遊走への影響を見たり、ヒトがん細胞株を用いてケモカインや脂質メディエーターの細胞運動能への影響を調べたりしました。また、マウスモデルを用いてアレルギー性鼻炎や肺炎における免疫細胞動態を解析しました。「基礎医学研究入門」履修生は1年生から行っている研究テーマで本科目を履修することが可能です。

研究室配属(医学科3年夏期、担当:平田、里岡、樋口)

当教室は、医学科3年の研究室配属の学生を受け入れています。マウスの鼻咽頭関連リンパ組織の解析やGPCRの細胞内局在の解析など、毎年さまざまなテーマで研究を行っています。