平成年26年2月21日(金)18時より、2013年度第5回臨床研究関連セミナー・講演会として特別講演「臨床研究規制の今後」を開催しました。講師に立命館大学薬学部 教授 平山佳伸先生を迎え、医師・メディカルスタッフ・大学院生など総勢150名が参加しました。
ヒトを対象とした研究に関する国際的な倫理指針である「ヘルシンキ宣言」の制定・改訂の経緯を含む臨床研究倫理についての基本的なことから、本邦における臨床研究倫理に関する指針の現状や今後の課題についてもお話がありました。治験(注)についての本邦での実施状況や国の政策の方向、また、
治験実施時の規定であるGCP(「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」)の近年の改正点等についても触れられました。
(注:新しい薬や医療機器の開発のために実施される臨床研究のことは特に「治験」と呼ばれています。)
後半は治験以外の臨床研究に関する倫理指針の見直しの状況や、適正な臨床試験実施のために大学が求められている要件についてもお話し頂きました。事前の教育・試験計画段階の確認体制・倫理審査の強化・終了後の試験データの保存等、体制整備が求められている多岐にわたるポイントについて言及され、出席者より特に興味深かったとの声が寄せられました。
臨床研究倫理の範囲は、従来「被験者個人の保護」(個人の利益)を中心としていましたが、現在は試験結果が社会全体にもたらす影響(集団の利益)も考慮した「臨床試験の質」に関係する事項にまで広がってきています。適正な臨床試験実施のためには、関係する研究者や倫理委員会、その他のスタッフを含む大学全体の意識改革が必要であることを出席者一同が実感できたのではないでしょうか。
この特別講演は、『臨床研究に関する倫理指針』に規定されている臨床研究関連の教育の一環として実施しました。今年度は本講演を含め5回の臨床研究関連セミナー・講演会を開催しており、来年度以降も継続して実施を予定しております。一部については学外の方もご参加いただけますので、ふるってご参加ください。
お問い合わせ先
滋賀医科大学医学部附属病院 臨床研究開発センター
TEL:077-548-2477
臨床研究開発センターHP
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立命館大学 平山教授による講演 |
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講演会の様子 |
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質疑応答の様子 |
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