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冠動脈の病気

冠動脈とは

心臓が1日10万回の収縮を続けるために必要な酸素と栄養を心筋へ運ぶ役割をする、心臓の表面をとりまく3本の動脈のことです。

狭心症

狭心症は、冠動脈が狭くなる(狭窄する)病気です。心筋に充分な酸素や栄養が届かなくなることで、心筋が働けなくなります。

主な症状は、胸の痛みや、胸が締め付けられるような圧迫感です。冠動脈が狭窄する主な原因は、動脈硬化です。

動脈硬化は加齢のほかに高血圧症、糖尿病、脂質異常症などによって進みます。

狭心症には次の3つがあります。

労作性狭心症

体を動かすと胸の痛みや違和感が現れるが少し休むと治まる。

持続時間は数秒から数分程度。

不安定狭心症

体を動かさなくても胸の痛みや違和感が現れる。心筋梗塞の前段階にある状態。

持続時間は比較的長く15~20分程度。

冠攣縮性狭心症

普段は全く症状がないが、冠動脈がけいれんすることで血流が悪くなる。

必ずしも動脈硬化と関連がない場合もあり、安静時や就寝中であってもおこり、比較的日本人に多いとされている。

狭心症の主な検査方法

  1. 心電図検査
  2. 血液検査
  3. 心臓超音波検査
  4. 運動負荷試験(トレッドミル・エルゴメータなど)
  5. RI(ラジオアイソトープ、核医学)検査
  6. 冠動脈CT検査
  7. 冠動脈造影検査など

治療法としては、血液が固まりにくくする薬や血管を広げる薬を服用する薬物療法、カテーテルを用いて狭窄した血管をバルーンで広げたり、ステントを留置して血液の通りを良くするカテーテル治療、狭窄した箇所を迂回する新たな血管を作るバイパス手術があります。

狭心症を放置すると、やがて冠動脈が完全に詰まる心筋梗塞となる可能性があり、狭心症の段階でしっかりと治療することが大切です。

心筋梗塞

狭心症は冠動脈が狭窄する病気であるのに対し、心筋梗塞は冠動脈が詰まり、閉塞する病気です。狭くなった冠動脈に血栓(血のかたまり)が詰まり、完全に閉塞して血液が流れなくなると、心筋に酸素や栄養分が届かなくなり、心筋の細胞が壊死して心臓のポンプ機能が低下してしまいます。そのため、急性心筋梗塞が起こると、急性心不全となり、死に至る危険性が少なくありません。

発症する主な原因と症状

発生の主な原因は、狭心症同様、動脈硬化です。

主な症状は、突然の激しい胸の痛みや、胸が締め付けられるような圧迫感で、冷や汗や嘔吐を伴うこともあります。こうした症状が狭心症より長く、30分以上続きます。

治療には再灌流療法して血栓溶解療法・カテーテル治療・バイパス手術がありますが、まずは大至急、救急車を呼ぶ必要があります。

心筋梗塞の主な診断方法

  1. 発症時の症状
  2. 心電図検査
  3. 血液検査
  4. 胸部X線検査
  5. 心臓超音波検査
  6. 冠動脈造影検査など

心筋梗塞と診断された場合は、閉塞した冠動脈の血流をできるだけ早く再開通させ、心筋の壊死の範囲を最小限に抑えることが重要です。

心筋梗塞を予防するためには、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や喫煙などによる動脈硬化の進行を防ぐことが大切です。禁煙する、塩分・糖分・脂肪分を摂り過ぎないバランスの良い食事を心がける、適度な運動をする、規則正しい生活を心がけるなどの自己管理ともに、適切な治療を続けることが大切です。

規則正しい生活を心がけるなどの自己管理ともに、適切な治療を続けることが大切です
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