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SETA DAYORI No. 108

31

News from JCHO Shiga Hospital

 | JCHO 滋賀病院だより

循環器内科の紹介

独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO)滋賀病院 循環器内科 部長

松井 俊樹

(滋賀医科大学大学院卒)

 JCHO滋賀病院循環器内科は現在常勤医 5 名にて診

療をおこなっています。常勤医はすべて日本循環器学

会専門医でありまた個々に不整脈専門医、心血管イン

ターベンション専門医、救急専門医資格を持った医師

が在任しています。社会保険病院時代には 2 名で診療

にあたっていた時もありましたが現在 5 名になり、あ

る程度は地域医療に貢献できる体制になったかとは思

っています。外来は月~金まで 2 診体制でおこなって

おり夜間、休日も待機制をしいて緊急の心臓カテーテ

ル検査、他科からのコンサルトに対応できるようにし

ています。循環器病棟は50床でうち 2 床のCCUがあ

りほとんどの急性期循環器内科疾患に対応していま

す。ただ高齢患者さんが多いこともあり肺炎、脳梗塞

など幅広く内科疾患全般の診療も行っております。

JCHO滋賀病院には県内でも有数の腎透析センターが

あるので他病院と比較し透析患者さんを診療する機会

も多いと感じています。糖尿病性の腎不全が増加して

いることもあり透析患者さんでの心血管疾患の合併率

は高くまた動脈硬化、石灰化の度合いも強いので虚血

性心疾患の診断、治療には積極的にかかわれるように

心がけています。幸い部署ごとの垣根は低いので医師

のみならず看護師さんや臨床工学士さんから直接コン

サルトを受けることもあります。透析の虚血性心疾患

の患者さんは重症下肢虚血も合併していることも多く、

時には下肢切断を迫られる場合もありますが下肢切断

の回避のために透析科、整形外科、フットケアスタッ

フとも連携しカテーテルによる血行再建治療を根気よ

く行っています。内シャント狭窄の症例についても当

科でバスキュラーアクセスインターベンション治療(シ

ャントPTA)を行うようにして当院で完結して治療

が受けられるようにと考えています。ただ多枝冠動脈

疾患、大動脈弁狭窄症患者さんでは内科的治療、カテ

ーテル治療では対応できないこともあり大学の心臓血

管外科にお願いしていますが常勤医が院内にいてくれ

たら度々思うことがあります。

また循環器の領域では2013年より条件付きでMRI

の撮影可能なペースメーカの植え込みが可能になりま

した。以前はペースメーカ植え込み患者においては

MRI検査は禁忌でしたがMRI対応ペースメーカのお

かげでより正確な診断が可能になりました。当院では

これまでに22件(頭部11件、上腹部 2 件、下腹部 1 件、

脊椎 8 件)の撮影を施行しましたがいずれもトラブル

なく検査を終えています。

2015年 5 月からはリハビリ室の一角を「心リハゾー

ン」として自転車エルゴメーター 5 台・トレッドミル

1 台を配置し心血管リハビリテーションも開設しまし

た。当初は入院患者さんだけでしたが高齢慢性心不全

患者さんのため2015年 7 月からは外来でも継続して行

えるようにしました。心血管リハビリを行うようにな

り患者さんと病院スタッフの距離が近くなりスタッフ

のモチベーションが上がった事や循環器医のみならず

病棟看護師・外来看護師・理学療法士・作業療法士・

事務クラークが参加するので業種間のコミュニケーシ

ョンがスムーズになったと感じています。

最後に2016年 4 月より当院での滋賀医科大学医学科

第 5 学年の臨床実習がはじまっていますがレクチャー

や質問に答えながら教えることの難しさを再認識して

います。学生の方には積極的にカテーテル検査にも入

ってもらいたいと思っていますのでよろしくお願いし

ます。

心大血管疾患リハビリテーション

心臓カテーテル法

における諸検査