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SETA DAYORI No. 108

27

Campus life

 | キャンパスライフ

研究医養成コース(登録研究医コース)参加者の声

医学科第 5 学年

 井上 拓也

所属研究室  社会医学講座(法医学部門)

指 導 教 員  一杉 正仁 教授

所 属 学 会  日本交通科学学会、日本リハビリテーション医学会、

       日本医学写真学会

研究テーマ  脳卒中患者の自動車運転再開支援

Q

研究医養成コースに参加しようと考えたきっかけは何ですか?

私は第 2 年次後期に学士編入学しました。第 2 年次後期は学業が忙しく、研究に目を向ける余裕がなかったの

ですが、第 3 学年になり、友人の勧めで法医解剖の見学をさせて頂いたことが研究医養成コースに参加するきっ

かけでした。

Q

現在取り組まれていることを教えて下さい。

講義やクリニカルクラークシップの合間をぬって、法医解剖に立ち会わせて

頂いています。法医解剖を行うに当たっては、基礎医学の中心となる解剖学や

生理学の知識はもちろん必須なのですが、死因を正しく突き止めるためには臨

床医学の知識も必要不可欠となります。さらに、亡くなった方の生活背景や、

事件や事故であれば当時の状況も総合して死因を特定していく必要があります。

また、滋賀県には医学部を持つ大学が本学しかないため、滋賀県内の法医解剖

はすべて滋賀医科大学で行われています。法医解剖に立ち会わせて頂く度にそ

の奥深さと社会的な重要性を痛感します。

また、私は本学に入学する以前は、理学療法士としてリハビリテーションの

仕事に従事していました。このバックグラウンドを生かし、一杉先生が取り組

まれている交通医学の一分野である、脳卒中患者の自動車運転再開支援に関す

る研究を行っています。この分野は臨床、研究共に欧米で先進的に取り組まれ

ていますが、日本ではまだその歴史が浅く、今後積極的に発展させていく必要

のある分野であると考えています。

Q

登録研究医コースに登録して良かったと思うことは?

学会に参加する際、経済的なサポートを受けられることを始め、最も良かったと思うことは研究を通し自ら学

ぶことによって自分の見識を広げられることです。さらに、学会や論文などで研究成果を報告することは社会的

にも価値のあることだと思います。私自身も一杉先生のご指導のもと、国内外で学会発表を行ったり、医学雑誌

や書籍で研究成果を報告させて頂いたりと大変やり甲斐を感じながら研究に取り組むことができています。学生

の頃から研究に携わることができる研究医養成コースは、滋賀医科大学の大きな魅力の一つであると思います。

Q

参加を考えている後輩へ一言お願いします。

将来は臨床医になることを考えている人が大半だと思いますが、

そのような人にとっても研究を通して学んだことは必ず臨床に生か

せると思います。また、研究医養成コースに登録すると将来の選択

肢を研究一筋に狭めてしまうと誤解する人がいますが、そのような

ことはまったくありません。研究一筋という選択肢もあり、臨床と

研究をバランス良くやっていくという選択肢もあり、研究のバック

グラウンドを生かしてEBMを実践できる臨床医になるという選択肢

もあります。是非この制度を活用して、自身の見識を広げ、将来の

選択肢を広げて頂ければと思います。

一杉教授と教室にて

国際学会にて